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ちょっかんライフです。
日常のなかで、直観レーダーにピピピッと引っかかったアレコレを取り上げるページーー。
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9月9日(日本時間10日)、米スポーツ専門ネットワーク『ESPN』では、昨年に引き続き2回目となるプレーヤートーナメントを実施。2025年シーズンで最もエキサイティングな選手は誰かをMLBの専門家たちが投票形式で選び、勝者(winner)を選出しています。
セレクト過程は次の通りです。
・メジャー30チームの中から、該当プレーヤーを1人選び出す。
・各リーグに特別枠を設けて1名を追加し、16人 × 2リーグ = 32名をピックアップ。
・初めの投票順位によってシードを割り当て、各対戦カードを決める。
・昨年、当トーナメント決勝を競ったボビー・ウィットJr.(前回winner)とエリー・デラクルーズは第1シードでのエントリーとする。
今回はいったいどのような結果となったでしょうか?…さっそく見ていきましょう!
MLB2025 最も熱い選手ナンバーワンは誰?
第1ラウンド
両リーグのシード表に沿い、それぞれ横並びの選手間で勝者が選ばれます。
アメリカン・リーグ
前回の「ベスト・エキサイトメント選手」ウィットJr.は、5ツールプレーヤーの資質と、いかなる場面でも全力を尽くすひたむきさがファンを魅了し続けます。ただ昨季の大ブレイクがあまりに際立っているがゆえに、今年の堅調なパフォーマンスでは本人が納得していないかもしれません。
特別枠16でエントリーの26歳左腕クロシェは、今シーズン移籍先のレッドソックスと6年総額1億7000万ドルで契約延長に同意。奪三振数と投球回数でMLB全体1位をマークし、ア・リーグのサイヤング賞レースでは前年受賞者のスクバルらと熾烈なトップ争いを繰り広げています。
速球と宝刀チェンジアップを駆使し、そこに繊細な制球力も合わせ持つタリック・スクバル。圧倒的実力に加え、その迫力と熱気でスタジアム全体の視線を釘付けにし、マウンドに上がるたびに相手チームを脅かし、そして首位タイガースの牽引力として躍動する「現役最強左腕」。
ア・リーグ地区勝率で最下位に沈むホワイトソックスにあって、今季メジャーデビューを果たしたモンゴメリーは、限られた出場機会の中で鮮烈な輝きを放つ23歳。最初の43試合で14本塁打を放ち、本拠地レート・フィールドのファンに明るい未来への希望を抱かせました。
今春、ゲレーロJr.はブルージェイズの顔として14年契約にサイン。21年の本塁打王は、ここ4シーズンで25~30本塁打を放ち、強烈な打球は平均速度92.8マイル(約149.35キロ)。今季も3割超えのハイアベレージを記録し、チームNO.1の長打率で広範囲にヒットを飛ばしています。
チームで見ると、今季のオリオールズはア・リーグ東地区で低迷しており、ヘンダーソンにはやや物足りないシーズンかもしれませんが、遊撃手としては優れた守備で腕力と強肩を活かし、バッティングでも20本塁打・30盗塁(20-30)達成へと近づいています。
今回の投票者たちが口を揃え、「全米で彼の打席以上にすべてを止め見入ってしまう選手はいるだろうか?」とまで言わしめたスター。シーズン途中の負傷で開幕時ほどのパワーは見られなくとも、アーロン・ジャッジは依然としてアーロン・ジャッジということのようです。
健康を取り戻し、目を見張る活躍を続けるツインズのバクストン。30本超えの本塁打を放ち衰え知らずのパワーを発揮する一方で、20を超える盗塁と99パーセンタイルのスプリントスピードを記録し、その卓越した能力を存分にアピールしています。
マイナー戦で、推定約151メートル、時速約186キロの満塁弾を放ち6月のメジャー昇格後はすぐにレギュラーに定着したアンソニー。Rソックス期待の21歳、超有望株ですが9月はじめに左脇腹を痛め故障者リスト(IL)入り。ポストシーズン期間中に復帰できるか気になるところです。
アスレチックスでは今季カーツという、マイナー出場わずか30数試合にしてメジャー昇格、夏には新人初の1試合4本塁打、6安打8打点を達成した恐るべきルーキーが爆誕。さらに史上最多タイの1試合19塁打といった記録を更新し続けており、もはや彼は比類なき異次元クラスの存在に。
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2025年
カーツは弱冠22歳、身長は以外にも大きく約196cmもある!
アストロズでのデビューイヤーに、ポストシーズンMVP(リーグチャンピオンシップ、ワールドシリーズ)を史上初のルーキーでダブル受賞したペーニャ。今季は優れた肩と走力、打率3割台という彼が持つエキサイティングな要素に加え、出塁率を大幅に向上させ一層の進化を遂げました。
投票者間では今回、マイク・トラウトに生涯功労賞の枠を贈呈するどうかが議論されたようですが、ネトは2年目のフルシーズンで30-30クラブ(30本塁打・30盗塁)入りに近づいていることから、エンゼルス必見プレーヤーとして当エントリーに急浮上。
ドッシリ安定感に満ちたローリーは、「ビッグダンパーBig Dumper」の愛称にふさわしく力強いプレーを体現。スイッチヒッターであり破格のホームランを打つ打撃力と高い守備力を兼ね備え、捕手として史上最高シーズンをマーク。最終60本塁打が見えてきた点も見逃せません。
7月に22歳になったばかりのカミネロですが、今シーズンすでにア・リーグ3位となる40本塁打超を放ち。100打点を挙げています。レイズファンはこれから何年にもわたって、彼の華麗なるバットフリップ・セレブレーションを目撃することになるでしょう。
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2025年
レイズ打線を牽引する若き主砲カミネロ
デグロムが健康でさえあれば、常にこのようなリストに名を連ねるであろう逸材。確かに自身の全盛期ほどの支配力はないとしても、37歳にして1イニングあたり1奪三振以上という数字は決して軽視できるものではありません。
例年MVP候補に名前の挙がる万能型プレーヤーのラミレスは、約173cmと小柄な体格ながら相変わらずパワー全開のシーズンを送っています。今季終了時にはおそらく、5年連続で20本塁打以上(現28)、20盗塁以上(現37)を達成していることになるでしょう。
ナショナル・リーグ
前回の「準ミスター・エキサイトメント」レッズのデラクルーズは、現在盗塁数でナ・リーグ3位タイ。打席に立つたび、その長身痩躯から放たれるエネルギーとワクワクするような驚異のプレーに、球界でこれほど人の目を楽しませてくれる選手もそうはいないことが実感されます。
リンドーアは、この組み合わせでメッツのノミネーションをソトと争った結果、ナ・リーグ特別枠の16番シードを獲得。今シーズンはキャリア2度目の30本塁打・30盗塁を目前に、試合のあらゆる局面で注目すべき選手であり、天性の笑顔と野球への情熱が際立っています。
今シーズン、開幕前の予想を覆す勝率でMLBトップをひた走るブルワーズ。好調なチームを象徴するかのようにトゥランのパワーは急激に上昇。彼の最もエキサイティングな点は、8月以降の打率.351、出塁率.418、長打率.687と、数字で結果を出し着実に成長し続けていることです。
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2025年
チームとともに躍進するトゥラン25歳
MLBワーストに沈むチームの中で、ドイルの輝きはロッキーズファンが試合観戦するモチベーション。送球では外野手として史上最速記録を持ち、昨季は2年連続ゴールドグラブ賞、初のフィールディング・バイブル賞を受賞。今季後半戦は攻撃面でも大きな数字を残しています。
フィリーズの主砲シュワーバー。2025年のMLBオールスターゲームで初導入された特別延長戦、オールスター・スイングオフではMVPを獲得。そしてにわかには信じがたい、1試合で4本塁打、9打点記録の衝撃。我々は今、「シュワーボム」の歴史的シーズンを目にしています。
身長201cmの体格を持つウッドは圧倒的なパワー、最高クラスのスキルセット、そして優れたスピードを誇るナショナルズの若きスター。将来的に30〜35本塁打が期待される大型新人選手ですが、この対戦カードは彼にとってなんとも不運な組み合わせとなってしまいました。
敏捷な走り、卓越した守備力は周知されていましたが、昨年10本のホームランから、今年は一気に30本塁打に迫る活躍を見せるとは誰も予想できなかったとされるPCA。後半の不調がMVP候補の座を揺るがしているとはいえ、彼はまさしく球界に強烈なインパクトを与えた一人。
ドラフトからわずか2年目のスキーンズにとって、メジャーリーグでの先発登板は50回をわずかに上回ったに過ぎません。にもかかわらず、その攻撃力と豊富な投球レパートリーは他のどのエースよりも注目を集めており、今季ナ・リーグ防御率でトップをキープしています。
1年前の投票ではファイナルフォーに進出。そして今回、大谷は投手としてマウンドに戻ってきたうえ、打席では50本塁打を打つことでしょう。たとえ昨年の50-50シーズンほどの盗塁がなくとも、野球の歴史上彼が1試合でやり遂げるすべてのことをこなせる選手は他にいません。
約1年ぶりの復帰戦で復活弾を放ち観客を熱狂させたアクーニャJr.でしたが、今季のブレーブスは地区4位と苦戦中。ただ、一選手の活躍として話題を集めたのが7月のヤンキース戦で投じた ”ノーバウンド神送球” で、これはまさにエキサイティングな超ファインプレーでした。
Statcast(スタットキャスト)によると、タティスJr.の強打率は94パーセンタイル。守備関連データを見ても、OAA(平均よりどれだけ多くアウトをとったか)、アーム力(送球速度)どれをとってもトップクラス。そして彼にしかない独自のスタイルと存在感ですべてをこなします。
ストワーズは2024年夏にマーリンズへ移籍し、圧倒的な打撃力でブレイクアウト。今季はこれまでのローボールヒッターからさらに高め速球への対応力も増し、バレル率98パーセンタイル、ハードヒット率93パーセンタイルを誇ります。
メッツでの今シーズン、当初のスロースタートと酷評を跳ねのけ、再びソトらしさを発揮。フォアボールさえも必見イベントとして盛り上げ、さらに30盗塁超とキャリアハイの2倍以上を記録。この投票基準の一つ、最も観戦にお金を払いたいと思う選手であることを証明しています。
Dバックスのキャロルもまた、観ていて楽しい球界屈指の名手。3年連続ナ・リーグ三塁打王に輝くのも確実視されており、また今季すでに自己ベストとなる30本塁打に到達。守っても高いスプリントスピードを活かした守備範囲の広さで、ディフェンス能力を底上げしています。
8月にイ・ジョンフが魅せた、まさかのプレーは誰も見たことがありません。右中間への当たりをスライディング捕球するもグラブからこぼれ落ちた…かに見えたそのボールを両膝で挟む形でキャッチしアウトに。彼がジャイアンツで瞬く間に人気者になったのも不思議ではないでしょう。
カージナルスの遊撃手、23歳のウィンは22年から野手に専念したかつての二刀流プレーヤー。元投手としてのスキルから最高レベルの守備力を発揮し、OAAは群を抜く100パーセンタイル。平均球速90マイル(約144.84キロ)を超える遊撃手3人のうちの1人でもあります。
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2025年
守備での速球が尋常ではないウィン
第2ラウンド
アメリカン・リーグ
この組み合わせカードでは、走攻守にわたる総合力を誇るラミレスをもってしても、昨年の「ベスト・エキサイトメント選手」を上回ることはできませんでした。
ファンにしてみれば、デカ尻 ”ビッグダンパー” の捕手が50本塁打を記録したシーズンに肩入れしたくなりますが、ここでア・リーグのトップ投手を打ち負かすには至りませんでした。
ともにドミニカ共和国にルーツを持つ内野手同士ですが、アストロズの遊撃手はブルージェイズの顔にかないませんでした。
カーツはドラフトからわずか1年ちょっとで当リストに挙がっただけでもかなりの快挙ですが、ここで話題を独占したのはピンストライプのキャプテンであり、ジャッジの圧勝。
ナショナル・リーグ
ナショナルリーグのこのラウンドでは、驚異的な能力を持つ196cmのデラクルーズが、唯一の満場一致で簡単に選ばれました。
トゥランはブルワーズのチーム成績によって強力なシードに押し上げられましたが、結局はソトが次のラウンドへと進出しました。
最も接戦となったこの組み合わせ枠ですが、タティスJr.の総合的な才能が、パワー優先のシュワーバーにたった1票差で競り勝ち決着しています。
このトーナメント表の発表と同時に多くの投票者が注目。大谷が再び二刀流で活躍するようになった今、スキーンズのいかなるマウンドでの支配力も、結果に影響を及ぼすことはありません。
エリートエイト「8」
アメリカン・リーグ
前年の再戦カードがこちら。投票者らの目には、ウィットJr.のオールラウンドな輝きを上回る、ジャッジ圧巻の打席がより輝いて映り、みごとリベンジ。
第1ラウンドで圧勝のスクバルは、こちらでも楽々と対戦を突破し、アメリカンリーグ優勝をかけてエース対スラッガーの壮大な対決を実現させました。
ナショナル・リーグ
またもや昨シーズンに続く再戦カード。今回は「Two-way player」復帰の大谷に票が集中し、デラクルーズを圧倒してリーグ決勝トーナメント進出。
タティスJr.は万能プレーでここまで勝ち進んできましたが、投票者はソトの打席ごとにスタジアム全体が足を止めて見入る様子を高く評価しました。
ファイナルフォー「4」
アメリカン・リーグ
2年連続サイ・ヤング賞に期待がかかるエースと、メジャー屈指のMVP強打者の対戦は、予想以上の僅差でジャッジに。この結果に納得のいかないある審査員は両手を上げ「みんな頭がおかしい。私が金を払って観に行きたいのはスクバルだけだ」と言い放つほどでした。
ナショナル・リーグ
こちらナショナルリーグのファイナル戦は、奇しくも2024年リーグチャンピオンシップシリーズで対戦したチームメンバー同士のカードとなり、結果は同じくドジャースが勝利、メッツの快進撃はここで終わりを迎えました。
チャンピオンシップ
まさしくこれこそが、野球ファン期待の対戦!昨年のワールドシリーズ同様にスポーツ界のビッグネーム同士の直接対決です。
ある投票者は、ジャッジをして「打席に立つとスポーツ全体が息をのむほどの選手」と評し、説得力のある主張を展開。
その他の投票者たちは、大谷の「比類なき二刀流能力」を熱心に指摘ーー。
ーーそして結果は、大谷翔平が MLB2025の新たな「ミスター・エキサイトメント」に輝きました。