こんにちは!
ちょっかんライフです。
日常のなかで、直観レーダーにピピピッと引っかかったアレコレを取り上げるページーー。
Embed from Getty Images
今回はメジャーリーグの歴代MVPに輝いた選手たちとそのストーリーを取り上げます。
メジャーリーグにおける優勝決定シリーズ
まずは、リーグチャンピオンシップシリーズ(LCS)ですが、
こちらはMLBにおけるアメリカンリーグ(ア・リーグAL)、ナショナルリーグ(ナ・リーグNL)それぞれのリーグ優勝チーム決定戦。
ワイルドカードシリーズ(WC)、
地区優勝決定戦のディビジョンシリーズ(DS)、
に続くポストシーズンゲームの第3ラウンドのこと。
そして、ワールドシリーズ(WS)は、
まさにメジャーリーグベースボールの真の王者を決める優勝決定戦。
ア・リーグとナ・リーグそれぞれの優勝チーム同士が、その年のチャンピオンを懸けて争います。
超優秀なプレーヤーが世界中から集まり、世界最高峰のプロリーグを確立していることからも、米野球界ではこのワールドシリーズ制覇こそが実質的な世界一と言えるでしょう。
リーグチャンピオンシップシリーズ、ワールドシリーズともに、最大7試合の4先勝制。
どちらかのチームが4勝した時点でシリーズ終了となり、以降の試合は行われません。
リーグチャンピオンシップシリーズMVP
リーグチャンピオンシップシリーズMVPは、リーグ優勝決定戦であるリーグチャンピオンシップシリーズで最も顕著な活躍をした選手に贈られる賞です。
リーグチャンピオンシップシリーズMVPはいつ制定されたのですか?
ナショナルリーグのほうが早く1977年に、アメリカンリーグでは1980年に設けられました。
LCSのMVP受賞者ストーリー
ナ・リーグ制定年度の最初の受賞者は、
アストロズ監督時代に大谷翔平と交わす挨拶シーンが印象的だったダスティ・ベイカー。
MVP受賞とその後のヒストリー |
---|
●1977年ブレーブスからドジャースに移籍した翌年28歳で選出 |
●NLCSでは、打率.357、2本塁打、8打点の成績 |
●1993年より5球団で監督を務め、いずれも地区優勝に導いたのは史上最多 |
●2022年には監督として史上最高齢となる73歳でワールドシリーズ優勝達成 |
1980年アメリカンリーグのリーグチャンピオンシップシリーズMVPがフランク・ホワイト。
ロイヤルズ一筋にプレーした名二塁手で、
ALCSでの成績は、
打率.545、1本塁打、3打点、1盗塁
MVP受賞者3つのストーリー
❶複数回受賞者は3人
❷同シーズンでLCSとWS両方で選出されたのは8人
❸敗退チームからの選出は3人
それぞれ見ていきます。
❶複数回受賞
スティーブ・ガービー(1978年ドジャース・1984年パドレス)一塁手
デーブ・ステュワート(1990年アスレチックス・1993年ブルージェイズ)投手
オーレル・ハーシュハイザー(1988年ドジャース・1995年インディアンス)投手
いずれも1回目の受賞と2回目の受賞では異なるチームに所属。
2025年現在、ドジャースOBとして「スポーツネットLA」で野球解説者を務めるハーシュハイザー氏。
1988年、圧倒的不利を予想されたドジャースが彼の力投によって最終第7戦までもつれこんだ同シリーズを制しました。
Embed from Getty Images 2025年
左からロン・セイ、一人置いてベイカー、右端手前がエイベリー、後ろがハーシュハイザー。
❷同シーズンでLCSとWS両方で選出
ウィリー・スタージェル(1979年パイレーツ)一塁手
ダレル・ポーター(1982年カージナルス)捕手
ハーシュハイザー(1988年ドジャース)投手
リバン・ヘルナンデス(1997年マーリンズ)投手
コール・ハメルズ(2008年フィリーズ)投手
デビッド・フリース(2011年カージナルス)三塁手
コーリー・シーガー(2020年ドジャース)遊撃手
ジェレミー・ペーニャ(2022年アストロズ)遊撃手
この8人のうち、今もメジャーリーガーとして活躍する2選手から、
現レンジャーズ所属コーリー・シーガーのNLCSでの成績は、
打率.310、5本塁打、11打点
現在28歳ジェレミー・ペーニャのALCSでの成績は、
打率.353、2本塁打、4打点
Embed from Getty Images 2022年
弱冠25歳でMVPに輝いたペーニャはドミニカ共和国出身。
❸敗退チームからの選出
フレッド・リン(1982年エンゼルス)外野手
マイク・スコット(1986年アストロズ)投手
ジェフリー・レナード(1987年ジャイアンツ)外野手
1980年代以降、敗退したチームからリーグチャンピオンシップシリーズMVPが選ばれたことはありません。
Embed from Getty Images 2024年
NLCSのMVPはドジャースのトミー・エドマン選手。
ほかにも、MVP受賞者たちは様々な記録を打ち立てています。
MVP受賞者その他の記録
ALCS(アメリカンリーグ)
ネルソン・クルーズ(2011年レンジャーズ)シリーズ記録となる6本塁打
アドリス・ガルシア(2023年レンジャーズ)シリーズ記録となる15打点
アダム・ケネディ(2002年エンゼルス)5試合で3本塁打
オルランド・ヘルナンデス(1999年ヤンキース)先発とリリーフでそれぞれ勝利
NLCS(ナショナルリーグ)
ウィル・クラーク(1989年ジャイアンツ)満塁本塁打を含む打率.650のLCS記録をマーク
リバン・ヘルナンデス(1997年マーリンズ)当時のシリーズ記録となる1試合15奪三振
スティーブ・エイベリー(1991年ブレーブス)シリーズ記録となる16回1/3イニング無失点
アルバート・プホルス(2004年カージナルス)NLCS記録の14安打
ワールドシリーズMVP
ワールドシリーズMVPは、メジャーリーグ優勝決定戦となるワールドシリーズで最も勝利に貢献した選手に与えられる賞です。
ワールドシリーズMVPはどのように選出されるのですか?
当初は1955年にアメリカの月刊スポーツ誌スポート(SPORT)が創設し、表彰していたもの。
現在ではシリーズ最終戦で、記者委員会と関係者投票によって選出されるようになりました。
ワールドシリーズMVP受賞者ストーリー
栄えある最初の受賞者は、
ブルックリン・ドジャース(現ロサンゼルス・ドジャース)のジョニー・ポドレス投手。
レギュラーシーズンでは9勝10敗だったのが、シリーズでは、
2戦2完投勝利を記録
2勝0敗、防御率1.00、18イニング、2完投、1完封
そして忘れてならないのが「ミスター・オクトーバー」こと、ヤンキースのレジー・ジャクソン。
2度のMVP受賞ストーリー |
---|
●1973年アスレチックス時代、メッツとのWSでは王手をかけられた第6戦で2二塁打を放ち2打点 |
●打率.310、3二塁打、1三塁打、1本塁打、6打点で1度目のシリーズMVPを満票受賞 |
●1977年ヤンキース時代、ドジャースとのWSでは第6戦で全初球打ちの3打席連続本塁打で5打点を記録 |
●同シリーズ通算打率.450、5本塁打、8打点、OPS 1.792で2度目のシリーズMVP受賞 |
2度目のMVPに輝いた1977年は、チームに15年ぶりのワールドチャンピオンをもたらし、このとき「Mr. October」の称号を得ています。
Embed from Getty Images 1977年
シリーズMVPに輝き取材に応じるジャクソン。
MVP受賞者3つのストーリー
❶複数回受賞者は4人
❷複数選手の受賞は2度
❸シーズンMVPとワールドシリーズMVPの同年受賞は5人
❹サイ・ヤング賞とワールドシリーズMVPの同年受賞は6人
それぞれ見ていきます。
❶複数回受賞
サンディー・コーファックス(1963年ドジャース・1965年ドジャース)投手
ボブ・ギブソン(1964年カージナルス・1967年カージナルス)投手
レジー・ジャクソン(1973年アスレチックス・1977年ヤンキース)外野手
コーリー・シーガー(2020年ドジャース・2023年レンジャーズ)遊撃手
1964年のボブ・ギブソンは、ヤンキースとの一戦で、
被安打9、5失点するも9奪三振の力投で完投勝利を挙げシリーズMVPに。
❷複数選手の受賞
1981年
ロン・セイ(三塁手)、ペドロ・ゲレーロ(外野手)、スティーブ・イェーガー(捕手)
2001年
ランディ・ジョンソン(投手)、カート・シリング(投手)
1981年の3選手は優勝チームのドジャース所属。
成績内訳
ロン・セイ(打率.350、1本塁打、6打点)
ペドロ・ゲレーロ(打率.333、1二塁打、1三塁打、2本塁打、7打点)
スティーブ・イェーガー(打率.286、1二塁打、2本塁打、4打点)
2001年の2人も優勝チームダイヤモンドバックスから選出。
成績内訳
ランディ・ジョンソン(3勝0敗、防御率1.04、17イニング、19奪三振、1完投、1完封)
カート・シリング(1勝0敗、防御率1.69、21イニング、26奪三振)
Embed from Getty Images 2001年
共同受賞者のジョンソン(左)とシリング(右)。
❸シーズンMVPとワールドシリーズMVP
サンディー・コーファックス(1963年ドジャース)当時27歳
フランク・ロビンソン(1966年オリオールズ)当時31歳
レジー・ジャクソン(1973年アスレチックス)当時27歳
ウィリー・スタージェル(1979年パイレーツ)当時39歳
マイク・シュミット(1980年フィリーズ)当時31歳
シーズン途中にレッズ(ナ・リーグ)からオリオールズ(ア・リーグ)に移ることとなったロビンソンは、両リーグでシーズンMVPとなるMLB史上初の快挙を成し遂げました。
1979年は、スタージェルが史上最高齢の39歳で受賞。
❹サイ・ヤング賞とワールドシリーズMVP
ボブ・ターリー(1958年ヤンキース)
ホワイティー・フォード(1961年ヤンキース)
サンディー・コーファックス(1963年・1965年ドジャース)
ブレット・セイバーヘイゲン(1985年ロイヤルズ)
オーレル・ハーシュハイザー(1988年ドジャース)
ランディ・ジョンソン(2001年Dバックス)
ワールドシリーズMVP受賞者のなかには、唯一無二の記録を打ち立てた選手がいます。
MVP受賞者唯一無二の記録
●サンディー・コーファックス(1963年)
サイ・ヤング賞、シーズンMVP、ワールドシリーズMVPを同シーズン受賞した唯一の選手
●ウィリー・スタージェル(1979年)
リーグチャンピオンシップシリーズMVP、シーズンMVP、ワールドシリーズMVPを同シーズン受賞した唯一の選手
●オーレル・ハーシュハイザー(1988年)
サイ・ヤング賞、リーグチャンピオンシップシリーズMVP、ワールドシリーズMVPを受賞した唯一の選手
●松井秀喜(2009年)
ワールドシリーズでOPS 2.0以上を記録した唯一の選手
Embed from Getty Images 2009年
フィリーズに勝利した後、ワールドシリーズMVPに輝いた松井秀喜選手。
2009年、ヤンキースの指名打者(DH)としてワールドシリーズMVPに輝いた松井秀喜は今も語り継がれる伝説の存在。
松井秀喜の成績内訳
打率.615、3本塁打、8打点、そして驚異のOPS 2.027
ちなみに2位はデビッド・オルティーズ(2013年)のOPS 1.948でした。