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ちょっかんライフです。
日常のなかで、直観レーダーにピピピッと引っかかったアレコレを取り上げるページーー。
Embed from Getty Images 2022年
アストロズがフィリーズを制し、コミッショナートロフィーが掲げられる。
殿堂入り選手の経歴は、最優秀選手賞(MVP)、サイ・ヤング賞、オールスター出場、統計学的アプローチ、ファンやメディアからの人気度など、様々なエレメントで成り立っています。
そしてそこに加わる最も印象的な要素の一つが、「ワールドシリーズで優勝したか否か」ということ。
これまでも、史上最高の選手の中には優勝トロフィーを掲げたことがないプレーヤーは確かにいます。
けれどもこのワールドシリーズタイトルを手にすれば、殿堂入り選手のネームプレートに深く刻まれ、その栄光は永久に輝き続けるもの。昨シーズンの大谷翔平をみれば、その未来がリアルに思い浮かべられるでしょう。
そしていま現在、メジャーリーグで活躍する選手には、将来のクーパーズタウン行きが確実視されている真に素晴らしい選手たちがいます。
ただ彼らに共通するのが、一度もチームタイトルであるワールドシリーズ(WS)制覇に立ち合ったことがないという事実。9月12日(日本時間13日)、MLB.comはそんなWS未経験のスター選手8人を紹介していました。
当記事ではその中から6人の選手をピックアップ(同チーム所属選手は1人に絞りました)。
プレーオフが迫る2025年シーズン、各々が所属するチーム事情とも合わせ紹介していきます。
※文中の数値データは、日本時間9月14日時点のものです。
ワールドシリーズタイトル未獲得者リスト
将来の殿堂入りが期待されるプレーヤー
クーパーズタウン |
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MLBの「アメリカ野球殿堂博物館」があるニューヨーク州の小さな地域のこと。ここに、殿堂入りセレモニーが行われる野球殿堂が位置しており、野球ファンの間では「クーパーズタウン=野球殿堂」そのものを指す言葉として特別な意味を持ちます。 |
第1候補/ブライス・ハーパー
ポジション:一塁手
現所属:フィリーズ
Embed from Getty Images 2025年開幕前、スプリングトレーニング試合に臨むハーパー。
当然の第一候補、ブライス・ハーパー(1992年10月16日生まれ 32歳)は7歳の幼少期から既にもう周囲で注目の的であり、プロデビュー後は野手として史上最年少でナ・リーグ新人王、オールスターゲーム選出8回、そしてシーズンMVP2回に輝いたスター中のスター。
常に第一線で活躍し続けてきた彼は、おそらく通算500本塁打(現362)に2000安打(現1793)は記録するとされ、また野球界でも指折りの人気を誇り、愛されている選手の一人です。
皮肉にも最初の所属ナショナルズは、ハーパーがFAでチームを去った翌2019年に、5度目の挑戦で初めてディビジョンシリーズを突破すると、(改称前を含め)球団創設51年目で初進出となったワールドシリーズを制覇。
現所属のフィリーズでは、2022年チーム11年ぶりのポストシーズンで、ワイルドカード第2戦の先制本塁打、ディビジョン・シリーズでの2試合連続本塁打、リーグチャンピオンシップシリーズ第5戦の8回裏逆転本塁打(MVP選出)と大活躍。
アストロズとのワールドシリーズでも第1戦ではマルチ安打で記録的な5点差逆転勝利に貢献、第3戦ではWS史上最多タイとなるチーム5本塁打の口火を切る先制弾を放ちました。
このようにハーパーは、フィリーズ移籍から2024年までの間で7回ポストシーズンに進出してきたにもかかわらず、ワールドシリーズ優勝トロフィーを手にしたことがありません。
今回のリストには多くの功績ある選手が名を連ねていますが、今シーズン、ついにワールドシリーズタイトル獲得となれば、ハーパーほど称賛される選手はいないと言われています。
第2候補/アーロン・ジャッジ
ポジション:外野手
現所属:ヤンキース
Embed from Getty Images 名門チームの歴代レジェンドさえも凌駕する実力者キャプテン・ジャッジ。
ヤンキースが達成した、リーグ優勝40回、ワールドシリーズ優勝27回の記録は、それぞれ2番目の記録を持つ2球団を大きく引き離しています。
そんな名門チームで第16代キャプテンをつとめるアーロン・ジャッジ(1992年4月26日生まれ 33歳)は、当リストの他打者ほどキャリアは長くなく今シーズンはまだ10年目。
2016年にメジャー昇格して以降、チームとともに15回のポストシーズンを戦い、自身は22年と24年の2回シーズンMVPを獲得、球団史上最高の選手の一人として歴史に名を刻んでいますが、ワールドシリーズ優勝の経験はまだありません。
ヤンキースが最後に世界一に輝いたのは、彼がリーグ入りする7年前の2009年。このときのア・リーグ・チャンピオンシップシリーズMVPが今年米野球殿堂入りを遂げたCC・サバシア氏であり、ワールドシリーズのMVPは、打率.615、3本塁打、8打点をマークした松井秀喜氏でした。
その年以来優勝から遠ざかってきたチームは今、地区首位奪還へのラストスパートをかけ猛追劇の真っ最中。
はたして2025年は、ジャッジの華麗な経歴に新たな刻印を打ち込むシーズンとなるでしょうか。
第3候補/マニー・マチャド
ポジション:三塁手
現所属:パドレス
Embed from Getty Images ”ジャイアン”マチャドもダルビッシュには心底リスペクトを表してきた。
マニー・マチャド(1992年7月6日 33歳)は自身のキャリアにおいて、最優秀選手賞/MVPを受賞したことはありませんが、チームを2020年から5回ポストシーズン進出へと導き、殿堂入りに値する確かな経歴を築き上げてきたプレーヤー。
22年には地区2位でワイルドカード2枠目を確保。プレーオフの土壇場でチームが踏みとどまったのは、投打の中心ダルビッシュ有とマチャドの活躍があったからこそと言われています。
同年のワイルドカードシリーズではメッツを、地区シリーズではドジャースをそれぞれ下し、ナ・リーグ・チャンピオンシップシリーズ(リーグ優勝決定戦)の準優勝にも貢献しました。
まさにチームを代表するオフェンス・リーダーとなったマチャドですが、2018年には1シーズンのみ在籍したドジャースでワールドシリーズを経験。
一方、所属から7シーズン目を迎えたパドレスは、これまで地区優勝5回、リーグ優勝2回を果たしたものの、悲願のWS制覇は叶わぬまま現在に至ります。
この先マチャドのチームへの献身が実を結び、優勝をもたらすキーマンになったとしたら、どれほどの歓喜と熱狂が巻き起こるか想像もつきません。
第4候補/フランシスコ・リンドーア
ポジション:遊撃手
現所属:メッツ
Embed from Getty Images リンドーアのカリスマ性で崖っぷちメッツを立て直せるか。
2021年にインディアンス(当時)から移籍後、開幕当初はまったく調子が上がらず、ファンから度重なるブーイングを受け続けたフランシスコ・リンドーア(1993年11月14日生まれ 31歳)。
翌年以降の復調とともに、誰もを虜にする笑顔の絶えないナイスガイとして、「みんな大好き!ミスター・スマイル」の人気を不動のものとしました。
”バキューム・クリーナー”の異名をとるほど広い守備範囲とアームを持つ遊撃手であり、俊敏な動きで打球に追いつく守備力の高さも魅力。打撃面では、2024年に33本塁打、29盗塁を記録し、MVP投票で大谷翔平に次ぐ2位に入る活躍を見せたメジャー最高峰のアスリート。
リンドーアは紛れもなくチームを先導し、その役割を全うしていますが、ここでさらにワールドシリーズの切符も手に入れ頂点に立つことができれば、彼はリードオフマンとしてレジェンドの称号を得るばかりか、将来クーパーズタウンでの地位も確立するとされています。
第7候補/ブレイク・スネル
ポジション:投手
現所属:ドジャース
Embed from Getty Images シーズン後半に徐々に調子を戻し始めたスネル。
ブレイク・スネル(1992年12月4日生まれ 32歳)はキャリアでわずか1145イニングしか投げていません。
これはプロ初出場からまだ10シーズン目とはいえ、殿堂入りが検討される先発投手としては驚くほど低い数字なのですが、経歴のほとんどを故障に悩まされてきたことが起因しているようです。
歴代の殿堂入り投手を例に挙げると、CC・サバシア(通算3577.1回/19年)、マイク・ムッシーナ(通算3562.2回/18年)、ランディ・ジョンソン(通算4135.1回/22年)といった具合。
しかしながらサイ・ヤング賞を3回受賞したとなれば、クーパーズタウンへのゴールドパスを手に入れたも同然の実績となり、その可能性においてスネルは2回受賞している上、まだ32歳。
彼のワールドシリーズ出場はレイズ時代(2020年)、後がなくなった第6戦に先発登板して快投を見せたものの、たった73球で交代を告げられ降板。その直後にチームが崩壊してしまい、当時の話題を一身にさらったことも注目に値します。
スネルはまだキャリア途中にあり、史上最高投手らと比較する段階にはありませんが、もしも今季ドジャースの2連覇に貢献し、サイ・ヤング賞をあと1つ獲得すれば、将来大きな夢を手繰り寄せることができるかもしれません。
第8候補/クリスチャン・イエリッチ
ポジション:外野手
現所属:ブルワーズ
Embed from Getty Images 自身の黄金期を取り戻すべく躍動するイエリッチ。
日本人の血が1/4流れる日系三世クリスチャン・イエリッチ(1991年12月5日生まれ 33歳)は、マーリンズを経て2018年1月にブルワーズへ。
今では長年チームを支えるベテラン外野手ですが、移籍した同年にいきなりブレイク。首位打者タイトルを獲得したばかりか、7年ぶり地区優勝の立役者となりナ・リーグMVPを受賞。翌19年にも2年連続で首位打者タイトルを手にしました。
また、イエリッチは球団と2029年シーズンまでの長期契約を交わしていて、本人も「ここは自分がプレーしたい場所でミルウォーキー・ブルワーズの選手としてキャリアを終えたいし、優勝チームの一員になりたい」とコメント。
直近年でいうとチームは、2023年にナショナルリーグ・ワイルドカード(NLWC)でダイヤモンドバックスに敗れて以降、ポストシーズン進出を果たせていません。
そのブルワーズが今季5月下旬、開幕から25勝28敗と振るわなかったのが突如として開眼。
いまやメジャーで最高の成績を誇っているチームがもしワールドシリーズに挑むことになれば、最も名の知れた中心人物、イエリッチこそが主役級の活躍をするのではと期待されています。
通算2000安打に迫る彼の目前には、再びスターに返り咲くチャンスが到来しているのです。
名前の挙がったその他候補者
今回、同チームに所属する選手は割愛しましたが、MLB.comで将来の殿堂入り有力候補者として名前が挙がった選手は以下のとおりです。彼らもまた、前述したプレーヤーたち同様にワールドシリーズタイトルをまだ一度も獲得できていません。
第5候補/ジャンカルロ・スタントン
ポジション:指名打者(DH)
現所属:ヤンキース
第6候補/ポール・ゴールドシュミット
ポジション:一塁手
現所属:ヤンキース