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MLBイチローに続け!2026年殿堂入り投票で注目される候補選手の状況

MLB

こんにちは!

ちょっかんライフです。

日常のなかで、直観レーダーにピピピッと引っかかったアレコレを取り上げるページーー。

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アメリカ野球殿堂は新たに5人の新会員を迎えました。

イチロー氏(BBWAAによる有資格初年度での選出、得票率99.75%)
C.C.サバシア氏(BBWAAによる有資格初年度での選出、得票率86.80%)
ビリー・ワグナー氏(BBWAAによるラストチャンス10回目での選出、得票率82.49%)

デーブ・パーカー氏(ベテランズ委員会による選出、投票率87.50%、2025年6月に74歳で他界)
ディック・アレン氏(ベテランズ委員会による選出、投票率81.25%、2020年12月に78歳で他界)

が正式に殿堂入りを果たし、今回は候補者28人中、10人が得票率5%未満で資格を失いました。

そして2025年の米野球殿堂入りが決まった今、次なる気懸りとなるのが、次の年にはいったい誰が殿堂入りするのか?ということ。

メジャー公式サイト『MLB.com』のブライアン・マーフィー記者がそんな問いに答えるかのように、2026年の全米野球記者協会(BBWAA)投票で注目すべき7つのストーリーと題した記事を寄稿。

当記事では、そこで名前の挙がった選考対象者の中から注目の選手を独自にリサーチ。

それぞれのキャリアを含め紹介していきます。

どうぞ最後までお付き合いください。

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MLB2026 選出資格を有する候補選手

以下説明にある通り、一定の要件を満たさなくなると殿堂入り候補から外されてしまいます。まずは現在、それら選出資格を有し選考対象の只中にいる候補者からご紹介。

アメリカ野球殿堂入り
全米野球記者協会(BBWAA)の資格を持つ記者による投票で、75%以上の得票を得た選手が選ばれます。候補者となるには、MLBで10年以上プレーし、引退から5年以上が経過している必要がある。
<選考の流れ詳細>
資格:

MLBで10年以上プレーし、引退から5年以上が経過した選手
投票資格:
全米野球記者協会(BBWAA)に10年以上所属する記者が投票
投票方法:
通常、25~40人の候補者の中から最大10人まで名前を書いて投票
選出基準:
得票率75%以上の候補者が殿堂入りとなる
選考外要件:
・得票率5%以下の候補者はその回限りで候補から外される
・得票率5~75%の候補者は次年度の審査・選考に持ち越し
・10回目まで(2014年までは15回目)に75%に達しなければ候補から外される
・この候補者は一定期間を経て、ベテランズ委員会(後述)で殿堂入りを審査される

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メッツ時代、初めてシルバースラッガー賞とゴールドグラブ賞を受賞。

プエルトリコ出身のカルロス・ベルトランは、2000年代を代表する5ツールプレイヤーとして知られ、またスイッチヒッターとして成功した数少ない選手のひとり。

前出のMLB.comマーフィー記者によると、ベルトラン氏の殿堂入り支持率は、過去2回で46.5%から70.3%に急上昇。本年度での選出にはわずか19票及ばなかっただけということで、4年目となる2026年の殿堂入りに向け演説準備を始めてもいいのでは、との見通しが立てられました。

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現役引退年はアストロズに復帰しプレー。

1999年、自身の結婚式から3日後にア・リーグ最優秀新人選手賞の知らせを受け取り、3年後のシーズンオフには祖国で家を購入して両親にサプライズプレゼント…数々の夢を実現してきたベルトランのキャリアはじつに輝かしいもの。

オールスター選出9回、3年連続のゴールドグラブ賞に、2年続けてのシルバースラッガー賞受賞、アストロズでの2004年ポストシーズンでは5試合連続本塁打・合計8本塁打のMLB記録(当時)を打ち立てました。

さらにメジャーの歴史において8人目となる300-300(300本塁打・300盗塁)クラブのメンバーであり、かつその中の400本塁打以上、300盗塁以上を記録した5人に含まれ、スイッチヒッターとしては史上唯一となる通算435本塁打・312盗塁を達成しています。

Embed from Getty Images 1998年
ブレーブス時代、この年以後ゴールドグラブ賞を10年連続で受賞。

2012年オフにMLBをFAになってからはNPB(楽天イーグルス)でも2シーズンにわたって活躍を続けたアンドリュー・ジョーンズ

オランダ領キュラソー出身のこの外野手は、2020年から2023年にかけて、得票率を19.4%から58.1%と約3倍以上に増加させました。急速な上昇から一気に下降かといった心配もよそに、その後も着実に票を伸ばして昨年は3.5ポイント、2025年には4.6ポイントアップし、得票率は66.2%となっています。

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MLBで5球団目、メジャー最終シーズンを過ごしたのは名門ヤンキース。

17年間のメジャー生活では、1998年から10年連続ゴールドグラブ賞受賞の守備力と、2005年から2年連続の40本塁打・100打点、加えて通算434本塁打を誇るワールドクラスのパワーヒッター。

2026年で9回目の選考年を迎える「スマイルボーイ」(MLBでのニックネーム)。彼もベルトラン同様、殿堂入りにふさわしい功績を残してきたと称えられますが、その確実性はというとまだまだ不透明。

これから先、さらに得票率を上げられるかがカギとなってきそうです。

ペティットの殿堂入り候補としての歩みは、投票開始から6年の間は波乱含みの道のりでした。

2019年から2024年にかけての支持率は9~17%の間で推移。中でも昨年は数字を落とし、2023年の17.0%から13.5%にまで低下。

けれども今年は打って変わって盛り返し、7年目にして支持率は2倍以上の27.9%に達しました。この14.4ポイントの増加は、2025年投票対象者14人の中で最大の伸び率だったといいます。

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現役最後は古巣ヤンキースに復帰して引退試合を締めくくった。

ヤンキースでプロデビューを飾ったペティットは、2年目にサイ・ヤング賞投票で2位につけると、その後も安定した活躍で5回のワールドチャンピオンに貢献。18年通算で256勝を挙げ、ポストシーズンの通算19勝は単独歴代1位を誇ります。

BBWAAの投票対象期間が残り3年に迫る中、75%支持のハードルは高そうですが、マーフィー記者によると彼の立ち位置は、最終年の10年目に得票率76.57%で殿堂入りを果たしたラリー・ウォーカー(カナダ出身)の7年目と似ているらしく、可能性は大いにアリと予測していました。

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そのルックスから女性人気が群を抜いて高かったのだそう!

2018年シーズン終了をもって引退したチェイス・アトリーにはまだまだ時間があります。

有資格2年目を迎えた今年2025年、BBWAA得票率は39.8%で、投票開始1年目より11ポイントの上昇。

2006年から4度連続でシルバースラッガー賞を受賞、走攻守に優れ全力プレーが持ち味だった二塁手。

2000年代MLBを代表するスター選手の彼は、支持率75%の基準に達するにはまだあと数年かかるかもしれませんが、ここまでは順調な滑り出しで進んでいるようです。

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史上3番目24歳の若さで1000奪三振を達成し、最優秀防御率タイトルを獲得。

ベネズエラ出身の現在39歳。中東・南アジアを拠点とするプロ野球リーグ、ベースボール・ユナイテッドの共同オーナーであり、新発足球団の名誉GM(ゼネラルマネージャー)も務める「キング・フェリックス」ことフェリックス・へルナンデス

マリナーズで15シーズン・419登板(うち418先発)してきた彼は、今年2025年に得票率20.6%を獲得。最初の投票サイクル結果にしては満足しているかもしれません。

低いようにみえて実はマイク・ムッシーナがほぼ同率の20.3%からスタートし、6年後には得票率76.71%でクーパーズタウン入りしたことを考えると決して悪くない数字。

ヘルナンデスは、年度1位となる最高勝率と最多投球回などの記録のほか、最多勝利、最優秀防御率2回のタイトルを手にし、2010年のサイ・ヤング賞、そして2012年にはMLB史上23人目、球団史上初の完全試合を達成しており、これらはすべて彼の殿堂入りを裏付ける業績そのものです。

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清廉潔白とはまた一味違った自由奔放さが魅力?!

もし数字だけで選考されるのなら、マニー・ラミレスはもうずっと以前にクーパーズタウンに辿り着いていたはず。

超一流の打撃能力の持ち主は、MLB通算打率が3割超え、さらに555本塁打を放ち、そのうち満塁本塁打数21本は歴代3位。オールスター選出12回、シルバースラッガー賞9回、ハンク・アーロン賞を2回受賞し、レッドソックスでワールドシリーズを2度制覇。

しかしながら彼の殿堂入りは、禁止薬物検査で何度も陽性反応を示したことで疑う余地なく事態を複雑化させており、それはBBWAAの得票率にも如実に反映されています。

今年2025年投票では34.3%を獲得し9年間の投票期間で最高得票率を記録しましたが、それでも75%という巨大な数字には遠く及びません。

ラミレスの投票リミットまであと1年…BBWAAからではなく、現代野球時代選手委員会(CBTAP)を通じて殿堂入りする可能性がより現実味を増してきたようです(同委の次回投票は2025年12月予定)。

現代野球時代選手委員会(CBTAP)
ベテランズ委員会の1つで、全米野球記者協会(BBWAA)による殿堂入り投票の資格を失った選手を対象に、アメリカ野球殿堂入りを検討する委員会のこと。略して「時代委員会」と呼ばれる。
<委員会の概要>
対象:

1980年以降にメジャーリーグで活躍し、BBWAAの殿堂入り投票資格を失った選手
投票:
3年ごとに投票が行われ、選考委員16人から得票率75%以上(=12票以上)獲得で殿堂入り決定
目的:
BBWAAによる選考対象外となる貢献者(監督、審判員、ニグロリーグ関係者など)も含む広範囲な殿堂入り候補者を検討

MLB2026 有資格初年度となる選手

イチロー氏やC.C.サバシア氏のように「有資格初年度」での一発選出なるか? 来年2026年に資格対象1年目を迎える殿堂入り候補者たちがこちら。

Embed from Getty Images 2008年
全盛期はフィリーズ時代の10年間。

2020年シーズンを最後にマウンドを降りたコール・ハメルズ。現在41歳のエース左腕が、2026年BBWAAの有資格初年度組・トップに名前が挙がりました。

サバシアの後に続き、一発投票で殿堂入りを果たすことはできるでしょうか。

オールスターゲームに4度選出されたハメルズは、2008年にワールドシリーズとリーグチャンピオンシップシリーズの両方でMVPに輝き、2014年には継投によるノーヒットノーランを達成。

2015年7月、フィリーズ最終シーズンには2四球、13奪三振、129球でノーヒットノーランを達成。15年間のレギュラーシーズンで2698.0イニングを投げ、通算防御率3.43は先発投手中13位タイ。

通算2560奪三振を記録し、2006年から2015年途中までのフィリーズでの10シーズン1844奪三振は、同球団史上、殿堂入り選手のロビン・ロバーツ(1976年・得票率86.86%)とスティーブ・カールトン(1994年・得票率86.86%)に次ぐ記録です。

ライアン・ブラウン/ブルワーズのフランチャイズプレーヤー

※フランチャイズプレーヤー:1つの球団に長年所属し同じチームでプレーし続ける選手のこと

ほかに注目すべき有資格1年目組にはブルワーズ一筋、通算352本塁打数で球団トップのライアン・ブラウン(現在41歳)がいます。最初の6シーズンに合計202本塁打を放ち、2009年の203安打、2012年の356塁打、41本塁打、108得点はいずれもリーグ最高。本塁打王タイトルや5年連続シルバースラッガー賞にも輝いています。

ところが、2011年からブラウンのパフォーマンス向上薬使用を疑う報道が相次ぎ、その成績の信憑性が揺らぎ始め、ついには2013年薬物プログラムに違反したとして65試合の出場停止処分を受けることに。

14年で築いた1963安打、1154打点、2回に及ぶトリプルスリー(打率3割・30本塁打・30盗塁)などの華々しい記録も、この出場停止処分によって彼のキャリアに明らかな影を落としてしまいました。

アレックス・ゴードン/ロイヤルズのフランチャイズプレーヤー

同じく球団生え抜き、アレックス・ゴードン(現在41歳)も投票対象となります。

2005年のドラフト1巡目(全体2位)指名を受けた彼は、外野手としてゴールドグラブ賞8回、プラチナ・ゴールド・グラブ賞2回、フィールディング・バイブル・アワード3回の受賞歴を誇る守備の名手。

MLB11シーズン通算で守備率.994はリーグ2位、9シーズンでメジャートップ10入りを果たし、うち4度のリーグ最高を記録。2008年には三塁の内野ポジションにつき、リーグ最高の112アウト数をマークしています。

バッティングでは2011年、自身キャリアハイとなる打率.303でMLB10位にランクイン、2012年には大リーグで4番目に多い161試合に出場し、51二塁打を記録。ア・リーグでトップの成績を収めました。

チュ・シンス(秋信守)とエドウィン・エンカーナシオン

ルーキーリーグからスタートして4年間をマイナーで過ごし、MLBで優れた才能を発揮した韓国出身のチュ・シンス秋信守)43歳と、ドミニカ生まれのエドウィン・エンカーナシオン42歳も、初選出の可能性が高いとされます。

今年1月、KBO(韓国プロリーグ)球団の育成統括ポストに就任(無報酬!)したチュ・シンスは16年間で通算出塁率.377、2015年には韓国人初のサイクル安打を記録し、エンカーナシオンはMLB16シーズンで424本塁打を放ち、2016年に127打点を上げ打点王タイトルを手にした真のメジャーリーガー。

次回BBWAA投票に初登場の可能性がある選手としては他にーー

2019年のワールドシリーズで逆転本塁打を決め、オフにハート&ハッスル賞を受賞したハウィー・ケンドリック(42歳)、オリオールズで9シーズン、ブレーブスで6シーズン、スター選手としてひたむきに野球と向き合ってきたニック・マーカキス(41歳)、ワールドシリーズ優勝2回に貢献した外野手のハンター・ペンス(42歳)、2012年に最多勝利タイトルとシーズンで最も活躍した左腕投手に贈られるウォーレン・スパーン賞に輝いたジオ・ゴンザレス(39歳)、3度のオールスター選出、2011年には本塁打王と打点王のWタイトルを獲得したマット・ケンプ(40歳)などが候補に挙げられました。

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