こんにちは!
ちょっかんライフです。
日常のなかで、直観レーダーにピピピッと引っかかったアレコレを取り上げるページーー。
2025年のMLBオールスターゲームは、史上初のホームランダービー決戦というエキサイティングな展開で幕を閉じました。
米スポーツ専門チャンネル『ESPN』とMLB公式ウェブサイト『 MLB.com』ではホルヘ・カスティーヨとジェシー・ロジャース両記者がトゥルーイスト・パークに集結したオールスターメンバーに対しインタビューを実施。
シーズンも半ばを過ぎ前半戦を折り返した今、印象に残る選手についてコメントを求めました。
一流選手による同じメジャーリーガーへの見解は、どれもみな奥深く味わいに富んでいることから、今回はそれらコメントの数々をシェアしていきたいと思います。
どうぞ最後までお付き合いください。
*記事中の主な成績はオールスター前の前半戦折り返し地点における数値データを掲載。
MLB2025 最高シーズンを送る選手/ア・リーグ
カル・ローリー ~圧倒的な本塁打捕手~
Embed from Getty Images 今年のホームランダービー優勝のマリナーズ、カル・ローリー
カル・ローリーは、今季94試合で全リーグ最多の38本塁打。じつに64本塁打ペースで来ており、2022年にジャッジが打ち立てた62本を凌ぐ勢い。
他にも、スイッチヒッターとしての最多本塁打(ミッキー・マントル 54)、正捕手による最多本塁打(サルバドール・ペレス 48)、シーズン中のマルチHRゲームの最多記録(ローリー 8、記録は11)などの記録更新も視野に史上最高のシーズンを送っています。
オールスターメンバーのコメント
ロッキーズ捕手:ハンター・グッドマン
Embed from Getty Images ロッキーズの若き捕手、25歳のグッドマン
すごいんだわ。彼は今年とんでもないシーズンを送ってるし、それをキャッチャーのポジションでやってのけてるのがスゴイ。彼がやってることは信じられないほどのこと。言葉では表現しきれない。見てるだけで感動するよ。“It’s wild. I mean, he’s having a crazy year and it’s awesome that he’s doing it from behind the plate. And what he’s doing is unbelievable. It’s hard to describe. It’s amazing to see.”
アーロン・ジャッジ ~最多塁打ペースを維持~
Embed from Getty Images プレーヤーとしてだけでなく、そのキャプテンシーでも尊敬を集めるジャッジ
今年33歳のアーロン・ジャッジは、現時点で96試合出場、打率.355、一時は驚異の打率.425をマークしていたことも。さらに125安打、258塁打はMLB全体でトップをキープ。
打撃スタッツのほとんどで他を圧倒する成績ですが、塁打に関してはMLBの歴史においてベーブ・ルースの(457)が最多記録を保持。ジャッジは現在、通算435塁打ペースで進んでおり、今シーズンにこの偉大な記録を超えるかにも大きな期待がかかります。
オールスターメンバーのコメント
ヤンキース投手:カルロス・ロドン
Embed from Getty Images 2025 MLBオールスターウィーク・ワークアウトにて(真ん中がロドン)
彼は今年イケてるスタートを切ったね、例年だと最初から飛ばすような滑り出しにはならないんだけどさ、今回はそうなってる。彼はいつも終盤で力を発揮してきたから、まあ、最終的にどうなるかは分からないにしろ70本くらいのホーマーは打つんじゃないかな。そしたら最高だね。“He started off hot this year, which normally in years past, he doesn’t start off hot like he did this year. And now you see it. He always finishes strong. I mean, I don’t know what he ends up with. Hopefully he hits like 70 homers. That’d be sick.”
ジュニオール・カミネロ ~21歳シーズン本塁打記録~
Embed from Getty Images 2025年のホームランダービー準優勝と健闘したカミネロ
今季、カミネロはレイズでプレイした91試合で23本のホームランを放ち、シーズンペース38~40本で前半戦を折り返しました。
7月初旬に22歳を迎えたばかりの彼は21歳シーズンとなるため、2019年にロナルド・アクーニャJr.が達成した41本に続きその年齢で40本塁打到達となるか、最年少選手の仲間入りを果たせるかが話題となっています。
※今年のホームランダービー決勝では15本と健闘。ローリーに3本及ばず優勝を逃したのですが、そのときの心底悔しそうな表情と、そんな彼にずっと付き添い励ましの言葉をかけ続けたドミニカ勢のアツい連帯感がとても印象的でした。
オールスターメンバーのコメント
パドレス(元レイズ)投手:ジェイソン・アダム
Embed from Getty Images オールスターゲーム前、日本人のようなポーズで写真撮影に応じるアダム
彼は格別の才能を持ってる。だってさ、バットスピードなんてヤバいくらい速い。(レイズ時代)スプリングトレーニングで見たけど、本当に特別な才能の持ち主。ひたむきに取り組む子でさ、彼を目にするとワクワクしたよ。打席は成熟してるしね。彼がコールアップされたのは23年のプレーオフ中で、自分はケガをしてたんだけど、若いのにスゴく完成された冷静な打席を見せたと思う。プレーオフで昇格してきたのに全くその状況に飲み込まれなかった。彼は長くここに在り続けるだろうね、何年もの間、多くの年月をね。“He’s a special talent. I mean, his bat speed’s insane. I saw him in spring training [with the Rays], basically, but, yeah, he’s a special talent. Hard-working kid. I’m excited to watch him. They’re mature at-bats. He came up, I was hurt during the playoffs in ’23, and I thought he had some of the most mature, calm at-bats I’d seen for a young kid. Especially to come up in the playoffs, he didn’t let the situation get too big. I think he’s going to be here for a long time, a lot of years.”
MLB2025 最高シーズンを送る選手/ナ・リーグ
大谷翔平 ~得点を重ねるリードオフマン~
Embed from Getty Images 後半戦の記録に期待!オールスターゲームでは特大ファール→ゴロで苦笑いの大谷
大谷はオールスター前の数週間でややペースを落としたものの、95試合で91得点を記録。現時点でまだ150得点ペースを維持しており、これは後半戦で1試合・平均1得点達成の可能性があるということ。
さらに加えて2年連続の50本塁打、あるいは投手と指名打者の活躍で二刀流が再び評価されれば、4度目のMVP獲得のチャンスも。となれば、バリー・ボンズ以来となるMVPを4回以上受賞した選手としてMLB史にその名が刻まれることになります。
オールスターメンバーのコメント
ドジャース捕手:ウィル・スミス
Embed from Getty Images 今季前半戦、打率.323はナ・リーグトップのスミス
チームメイトであり、同じ競技者の立場から見て、フィールドの両側で彼がやっていることはとてつもないよ。打者としてのパワーは計り知れない。前半戦ですでに30本以上のホームランを打ってる。打率も.300前後をマークしてる。そして彼はマウンドに立ち102マイルの球を投げ、3者連続三振を奪う。しかもこれはリハビリ中の試合であって、まだ完全には回復してないしフル稼働ですらない。まさに信じられない光景。幸いにも彼が毎日懸命に取り組む姿をすべて見られるのは本当にクールなこと。彼がやっていることは間違いなく特別なのだから。“As his teammate and fellow competitor, to see what he does on both sides of the field, it’s incredible. How much power he has as a hitter. He’s got 30-plus homers already at the break. He’s hitting .300 or whatever. And, yeah, he’s going out there on the mound and throwing 102, striking out the side. And these are his rehab games. He’s not even all the way back yet, full-go yet. It’s incredible to watch. Fortunately, I get to see all the work he puts in every day, which is really cool. It’s really special what he’s doing.”
ポール・スキーンズ~連続防御率2.00以下へ~
Embed from Getty Images 威風堂々とした貫禄を漂わせる23歳、スキーンズ
スキーンズの今シーズン中間期までの防御率は両リーグ合わせてNO.1の2.01。昨季からの通算成績は43試合、254イニング投げて防御率1.98。
もし彼が2025年に防御率2.00を下回れば、20試合以上先発し、防御率2.00未満を2シーズン以上達成した31人目の投手に。さらにそこから範囲を狭め、23歳までの達成となると…メジャーの歴史上、ウォルター・ジョンソンとエド・ロイルバックの2人だけ、いずれも100年以上も前の出来事。
オールスターメンバーのコメント
カーディナルス内野手:ブレンダン・ドノバン
Embed from Getty Images MLB2025年オールスターゲーム選出のドノバン28歳
当然、まず目を引くのは彼の素質だよね?で、次に注目すべきはその冷静さ。リーグに加入して間もないのに準備の様子やマウンドでの落ち着きぶりを見ていると、それが成功の要因だと感じる。彼はレパートリーに新しい球種をいくつか加え始めたから、よりタフになっていくだろうね。軍隊経験(注;高校卒業後は空軍士官学校に進学)があるので、規律や姿勢の多くはそこから来ているんじゃないかな。手強い相手だけど、彼との対戦はじつに楽しいよ。“Obviously, the first thing that stands out is his stuff, right? And the second thing you look at is the composure. He’s kind of new to the league and just from watching some of his preparation, his composure on the mound, I feel like that’s what makes him successful. He started to add a couple of new pitches to his arsenal and it’s going to make him tougher. He’s got the military background, so I think that’s where he gets a lot of his discipline and everything from. He’s challenging, but it is fun to compete against him.”
※スキーンズに対し見解を述べたドノバンですが、父親が陸軍大佐であったことから軍隊の知識や軍人気質について一般よりは知識があり理解が深いのかもしれませんね。なかなか面白いコメントでした。
ピート・クロウ=アームストロング~40-50クラブへの道~
Embed from Getty Images 東京シリーズから人気者だったPCA!日本人ファンの目利きもスゴイ
今、クロウ=アームストロングは、2025シーズン半期を終えた時点で25本塁打、27盗塁に到達。このままいけば、42本塁打と46盗塁(40-40)ペースを驀進中。
彼はロナルド・アクーニャJr.(2023シーズン41-73)、大谷翔平(2024シーズン54-59)らに加わり、どちらか、あるいは両方のクラブに加盟する可能性が出てきました。PCAの躍進ぶりは、この3年間のうちに40-50クラブメンバーを急拡大させそうな予感⁈。
オールスターメンバーのコメント
Dバックス外野手:コービン・キャロル
Embed from Getty Images 現在、長打率.550はナ・リーグ3位タイに位置付けているキャロル
彼は自分よりずっと優れた守備力と強力な肩を持ってる。本当に完成された選手。今年、彼が示してるようなパワー数値は誰も予想してなかったかもしれないけど、おそらく自分についても同じことが言えるんだろうな。彼の最大の強みは空中でボールをコントロールする能力にあると思う。彼はスタジアムのいたるところに、ものすごく力強いボールを飛ばしまくってるよ。“He’s a much better defender than me. He has a much better arm. He’s a really complete player. I don’t think I would have guessed he would have the power numbers he’s showing this year, but I guess people would have said that about me too. His ability to pull the ball in the air has been the difference for him, I think. He hits the ball so hard, all over the stadium.”
以上、シーズンも半ばを過ぎた今、後半戦を前にオールスターに集結した一流選手による同じメジャーリーガーへのコメントの数々を紹介しました。