こんにちは!
ちょっかんライフです。
日常のなかで、直観レーダーにピピピッと引っかかったアレコレを取り上げるページーー。
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スタジアムを越えた約172メートルのホームランボールを手にするミッキー・マントル。
メジャーリーグ・ベースボール(MLB)において、ポストシーズン(PS)に多くのホームランを打つには、チャンスをモノにし大舞台で結果を出す才能と力量が必要。
10月に輝きを放つ一流選手たちは皆、これらの能力を兼ね備えたうえ、さらに運までも味方につけプレーオフ通算で何十本ものアーチを描いてきました。
ここでは、
MLB.comのアンドリュー・サイモン記者と、野球の歴史や希少データを扱うことで知られるサラ・ラング氏の寄稿記事から、歴代ポストシーズン本塁打数ベスト10をご紹介します。
さっそく見ていきましょう!!
歴代ポストシーズン本塁打数ベスト10
英表記の意味
PS:ポストシーズン
WCS:ワイルドカードシリーズ
DS:ディビジョンシリーズ(地区シリーズ)
ALDS:アメリカンリーグ・ディビジョンシリーズ
NLDS:ナショナルリーグ・ディビジョンシリーズ
LCS:リーグ・チャンピオンシップシリーズ(リーグ優勝決定戦)
ALCS:ア・リーグ・チャンピオンシップシリーズ
NLCS:ナ・リーグ・チャンピオンシップシリーズ
WS:ワールドシリーズ
ランキング1位
マニー・ラミレス 29本塁打
1972年5月30日生まれ(53歳)
堂々トップにランキングのマニー・ラミレスはガーディアンズ、レッドソックス、ドジャースで11度のポストシーズンに出場。
493回(歴代3位)バッターボックスに立ち、打率.544という好成績を残しています。
1995年インディアンス時代、
ポストシーズン初となる2本塁打
ア・リーグ・チャンピオンシップシリーズ第2戦での活躍がワールドシリーズ進出の原動力となりました。
2008年ドジャースに電撃移籍した後、
8試合で4本塁打
・地区優勝に貢献する活躍を見せ、プレーオフでも好調を維持
・リーグ優勝決定戦までの8試合で打率.520、4本塁打10打点、出塁率.667をマーク
この年、36歳にして自身の持つポストシーズン最多本塁打を28本に更新しました(最終的に29本とし、ギネス世界記録認定)。
ただし、現代のクリーンな野球選手に比べると、

その後に発覚した度重なるドーピング違反がチョイ引っかかるな…
ランキング2位
ホセ・アルトゥーベ 27本塁打
1990年5月6日生まれ(35歳)
アルトゥーベは、プレーオフの歴史に名を刻む、「1回裏でのホームラン」を計8本も放ち、PSで最も勢いを加速させた選手の1人。
自身2度目のポストシーズンに臨んだ2017年、
ディビジョンシリーズ第1戦でキャリア初となる1試合3本塁打を記録し、この年ア・リーグMVPを受賞。
そして最も記憶に残る2019年、
サヨナラ本塁打
ヤンキースとのALCS第6戦では、アロルディス・チャップマン相手にサヨナラ2ランホームランを打ってワールドシリーズ進出。
アロルディス・チャップマン
現Rソックス所属の投手。MLB史上最速球速105.8マイル(約170.3キロ)の記録保持者。
Embed from Getty Images 2019年
ALCS第6戦の9回裏にサヨナラ打を放ちコレア(左)から祝福を受ける。
短縮シーズンとなった2020年のポストシーズンは、
PS通算本塁打歴代5位タイ
・ディビジョンシリーズ第1戦で逆転打を放つ
・ALCS第1戦にかけて3試合連続3本塁打を記録
・ポストシーズンでの通算本塁打を歴代5位タイの18本まで伸ばす
打って変わって2022年は、
ワールドシリーズでアストロズが優勝した一方、アルトゥーベは2015年以来となる10月のホームランはありませんでした。
その翌シーズンの2023年は調子を取り戻し、
直近シリーズで4本塁打
・ディビジョンシリーズで先頭打者本塁打
・ALCSでは3試合で2度のソロ本塁打と勝ち越し3ラン
・PSでの通算本塁打を27本とする
2024年までに9回のポストシーズン進出を果たし、通算105試合に出場しています。
ランキング3位
カイル・シュワーバー 23本塁打
1993年3月5日生まれ(32歳)
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WCSで2点本塁打を放つシュワーバー、22歳。
カブスでプロ入りしたシュワーバーは2015年、ワイルドカードシリーズ2打席目にソロホームラン。
ルーキーながら、放たれた豪快弾はまさしくスラッガーとしての未来を予兆するものでした。
続くNLDSで2本、NLCSでも2本のホームランを決め、ポストシーズンで計5本塁打を記録。
その後、2021年までの間で、
PS11度のシリーズ出場
・カブス時代は6本塁打
・レッドソックスではワイルドカード、ALDS、ALCSで1本ずつ3本塁打
・計9本塁打を記録
2022年29歳でフィリーズに加入して以来、11度のシリーズ出場を経験し、ポストシーズンで打ったホームラン数は14本。
そして彼のPSでの最新の一発は、2025年ナ・リーグ地区シリーズ第3戦、
ドジャース戦での本塁打
・山本由伸から放った455フィート(約135メートル)、打球速度117.2マイル(約180キロ)のムーンショット
・クレイトン・カーショウからライトフェンスをわずかに越える2ランホームラン
ランキング4位
バーニー・ウィリアムズ 22本塁打
1968年9月13日生まれ(57歳)
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ALDS第4戦でのバーニー・ウィリアムズ。
ウィリアムズは強打者としてのイメージは薄く、シーズン最高本塁打は30本。
しかし、1990年代と2000年代にヤンキースの主力選手として活躍し、10月には多くのチャンスを掴みとってきたエリート選手。
かつて渡米前のイチロー選手を追ったドキュメンタリー番組で、憧れのメジャーリーガーとしてバーニーと対面を果たした際、若きイチローが子供のようにはしゃいだ相手です。
中堅手として活躍したウィリアムズは、ポストシーズンの随所で勝負強さを発揮。
1996年ディビジョンシリーズで3本のホームラン。
進出したア・リーグチャンピオンシップシリーズは、
ALCSのMVPに
・第1戦、11回裏のサヨナラ本塁打を含む2本の本塁打
・最終的にチームは勝ち進みワールドシリーズ制覇
2001年32歳で臨んだALCSでは、3本塁打を放ちワールドシリーズに進みましたがチームは敗退。
キャリア12年間でポストシーズンには25シリーズに出場し、
22本塁打内訳
・ALDS(12シリーズ)8本塁打
・ALCS(7シリーズ)9本塁打
・WS(6シリーズ)5本塁打
輝かしい記録を打ち立てました。
ランキング5位
5位タイ①
デレク・ジーター 20本塁打
1974年6月26日生まれ(51歳)
「ミスター・ヤンキース」と呼ばれファンから愛される、”ザ・キャプテン” ジーター。
WS優勝5回、20年のキャリアを通じて16度ものポストシーズンを経験し、158試合に出場。
プレーオフでは数々のMLB歴代最高記録を樹立してきましたが、とりわけ印象深いのが2001年のワールドシリーズ。
打率1割台と低迷する中、ヤンキー・スタジアムの時計が真夜中を告げ、シリーズ史上初となる暦の日付が11月に入った直後、
延長10回裏にジーターが放った劇的なサヨナラ・ホームランは、今もファンの記憶に深く刻まれています。
5位タイ②
ジョージ・スプリンガー 20本塁打
1989年9月19日生まれ(36歳)
今季ブルージェイズで、シーズン打率.309、32本塁打をマークしたスプリンガーは、12年のキャリアでポストシーズン進出を8度果たし71試合に出場。
本塁打数は、アストロズ時代の2017年ワールドシリーズでは5本、
移籍前の2020年までに19本を放ちましたが、その後プレーオフの試合で大きな快音は聞かれていませんでした。
そしてついに彼のPSでの最新の一発が、2025年ア・リーグ地区シリーズ第2戦、
ヤンキース戦での本塁打
ウィル・ウォーレン投手から放ったホームランで先制点を挙げ、ディビジョンシリーズ制覇の突破口を開いたのです。
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ディビジョンシリーズ第2戦、ヤンキース戦の5回に豪快弾。
ランキング7位
7位タイ①
コーリー・シーガー 19本塁打
1994年4月27日生まれ(31歳)
年齢の割にポストシーズンの経験が多いコーリー・シーガー。
プロ入りしたドジャースで6度(13シリーズ)に渡るシーズンを、現所属のレンジャーズでも7度目(4シリーズ)のポストシーズン進出を果たしています。
ドジャース時代、2020年のプレーオフだけで、
1ゲーム本塁打数歴代2位タイ
・8本塁打(WCS1本、NLCS5本、WS2本)
レンジャーズでの2023年ポストシーズンでは、
4シリーズ本塁打内訳
・ALDS オリオールズ戦で1本塁打
・ALCS アストロズ戦で2本塁打
・WS ダイヤモンドバックス戦で3本塁打
WS第3戦で飛び出した本塁打の打球速度は時速114.5マイル(約183.3キロ)。
スタットキャストによると、ワールドシリーズで最も強烈なホームランとなりチームを世界一へと導きました。
7位タイ②
アルバート・プホルス 19本塁打
1980年1月16日生まれ(45歳)
現在(日本時間10月12日時点)、ロサンゼルス・エンジェルスの次期監督候補と噂されているプホルス氏。

来年に控えるWBC2026ドミニカ共和国代表監督の行方も気になるワン!
22年に及ぶキャリアを通じて10シーズン(20シリーズ)のポストシーズンで19本のホームランを放ち、ワールドシリーズで2回優勝。
カージナルス時代だけでPSに放った本塁打数は18本。
ポストシーズン中に3ホーマーを放った記録としては、
3本塁打の記録
・2004年(NLDS2本、NLCS4本で計6本)
・2006年(NLDS1本、NLCS1本、WS1本で計3本)
・2011年(NLCS2本、*WS3本で計5本)
*ワールドシリーズでの3本塁打達成はMLB4人のうちの1人
彼の最も有名なホームランは、チームが敗れたシリーズで放った一打。
それは2005年のNLCS(ナ・リーグ優勝決定シリーズ)で、
カージナルスのスーパースターは、アストロズの最強クローザー、ブラッド・リッジから9回に勝ち越し3ランホームランを放ち、ヒューストンの観客を静め、息を呑ませました。
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NLCS第5戦で3ランホームランを放つ当時25歳のプホルス。
7位タイ③
アレックス・ブレグマン 19本塁打
1994年3月30日生まれ(31歳)
アストロズを経て、現在Rソックスに所属するブレグマンは、
2017年レギュラーシーズンをメジャーで迎え、開幕戦に三塁手の球団史上最年少記録となる23歳で出場。
同年ポストシーズンではドジャースとのワールドシリーズで、
WSで2本塁打
・第1戦、1号ソロホームラン
・第4戦、2号ソロホームラン
第5戦ではサヨナラ安打を打ち、球団史上初のワールドシリーズ優勝に貢献しました。
以降、ポストシーズン7年連続進出(19シリーズ)した中で毎年本塁打を放ち、
そのうち2020年、2021年の1本塁打を除くすべてのシーズンで複数本塁打を記録。
しかも6本はワールドシリーズで放ったもので、とりわけ2019年のWS第4戦で放った2号満塁本塁打は、彼の輝かしい記録となっています。
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グランドスラムを放つもチームは世界一を逃す(当時25歳)。
ランキング10位
10位タイ①~⑤
①ジャンカルロ・スタントン 18本塁打 |
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1989年11月8日生まれ(35歳) ポストシーズンで挙げた18本のホームランはすべて前所属のマーリンズではなくヤンキースで放ったもの。2024年ア・リーグ優勝決定シリーズで4本塁打を放ちシリーズMVP。 同年WS第5戦で2本目のホームランを打って10位タイに浮上。 |
②レジー・ジャクソン 18本塁打 |
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1946年5月18日生まれ(79歳) 元祖「ミスター・オクトーバー」。 1977年ヤンキース時代、WSでドジャースと対戦し1試合で5本塁打を放ち初記録を樹立。 15年ぶりワールドチャンピオンをもたらしシリーズMVP受賞して、ニックネームが付けられた。 |
③ミッキー・マントル 18本塁打 |
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1995年8月13日(63歳没) ヤンキースの主砲マントルの本塁打のうち9本はドジャース戦で放たれており、対戦相手としては最多。 ポストシーズンでは、1964年のワールドシリーズにおいてカージナルスと対戦し、第3戦、第6戦、第7戦でキャリア最後となったシリーズ本塁打を打った(自身初の第3戦でのサヨナラ本塁打含む)。 |
④ネルソン・クルーズ 18本塁打 |
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1980年7月1日生まれ(45歳) レンジャーズ時代の2010年ポストシーズンで6本、2011年はALCSで6本、WSで2本と計8本塁打を記録。 2021年にはレイズの一員としてALDS第1戦でソロ本塁打を放ち、PSにおいて40歳を超える年齢で少なくとも1本塁打を打った11人目の選手となった。 |
⑤カルロス・コレア 18本塁打 |
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1994年9月22日生まれ(31歳) コレアはポストシーズンで、27歳の誕生日を迎える前に13本以上のホームランを打った初の選手。 2015年のALDSでマルチホームランを放ったのが弱冠20歳の時。 2020年のプレーオフではサヨナラ打を含む6本塁打を放ち、PSで複数のサヨナラホームランを達成した3人目の選手となる。 2021年のALCSでのソロホームランにより、自身通算18本目のPSホームランをマーク。 |