こんにちは!
ちょっかんライフです。
日常のなかで、直観レーダーにピピピッと引っかかったアレコレを取り上げるページーー。
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現地7月末日のトレード期限が過ぎ1ヶ月が過ぎた今、新天地で最高のパフォーマンスを見せているプレーヤーは誰でしょう。
当記事では、トレード先のチームで輝きを増した選手たちの中から5人をPickup。成績を含めた新たなチームへの貢献度について取り上げます。
どうぞ最後までお付き合いください。
※ 文中の数値データは、特筆しない限り8月末日(日本時間9月1日)までのものです。
MLB選手のスタッツ 簡単な見方
記事中で触れている、選手のパフォーマンスを数値化して評価するためのスタッツや指標、記録についての簡単な見方は以下のとおり。
wRC+(weighted Runs Created Plus)
wRC+(weighted Runs Created Plus)
リーグの平均的打者を基準「100」として、各選手の得点能力をパーセンテージで表す。球場ごとの影響(パークファクター)を補正した上で得点創出能力を測る指標。
簡単な見方
100:リーグ平均の打者と同等の貢献度
100以上:リーグ平均よりも高い貢献度
100未満:リーグ平均よりも低い貢献度
数値の解釈例
・wRC+が基準値の100であればリーグ平均打者と同等
・値が100より大きいほど高い得点貢献度となるため、120なら平均の1.2倍、150なら平均の1.5倍の得点力を持つということ
・100より小さい値は平均より打撃でのチーム貢献度が低いことを示し、50はリーグ平均の半分、80ならリーグ平均より得点創出能力が劣ると評価
OPS+(On-base Plus Slugging Plus)
OPS+(On-base Plus Slugging Plus)
OPS(出塁率+長打率)をリーグ平均と比較して、その選手がリーグ平均の何倍の得点力を貢献したかを示す指標。
簡単な見方
100:リーグ平均レベルの得点力を持つ
150:リーグ平均の50%高い得点力を持つ
200以上:リーグ平均を大きく上回る、非常に高いレベルの打撃力を意味
数値の解釈例
・100を平均として、それより高ければ平均以上、低ければ平均以下と判断
・OPS+120であればリーグ平均打者より20%高い得点力を示す
fWAR(FanGraphs WAR)
fWAR(FanGraphs WAR)
代替可能な控え選手に比べて、どれだけチームの勝利数を上乗せしたかを示す総合的な指標。
簡単な見方
4.0以上:エリート選手
3.0~4.0:優秀な選手
2.0~3.0:レギュラークラス選手
1.0~2.0:先発メンバーレベル
1.0以下:控え選手
数値の解釈例
・ 平均的選手が1年出場した場合のWARは2.0前後のため、0.0は平均レベルと解釈
・数値が高いほど、その選手がチームに与える勝利への貢献度が高いと評価
トレードでチームに貢献中の選手たち
ラモン・ラウレアーノ/パドレス
出身:ドミニカ共和国
生年月日:1994年7月15日(31歳)
身長:約180cm
ポジション:外野手
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一緒に移籍したライアン・オハーン(手前左)と試合前のダグアウトでくつろぐ。
ラモン・ラウレアーノは、メジャーリーグベースボールの公式サイトMLB.comが発表した「最新打者パワーランキング」に、つい最近もランクインするほど好調をキープ。
7月31日のトレード期限日、チームメイトのライアン・オハーン(32歳)とともにマイナー選手6人との交換トレードでサンディエゴ・パドレスに移籍。
オリオールズで既にキャリアハイと呼べるようなシーズンを送っていましたが、新加入のパドレスでも調子を落とすことなく28試合に出場し、打率.305、23打点、出塁率.354、長打率.581、OPS.935、 wRC+ 159をマーク。
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8月下旬、チームメイトと共にグランドスラムを祝う。
2018年のメジャーデビューから8シーズン目を迎え、今季ここまでの本塁打数は22本。新チームでは7本塁打を記録しており、2019年に打ち立てた自身の最高記録にあと2本と迫る勢いです。
その中には8月のグランドスラム(満塁ホームラン)も含まれ、このまま確実なスイングを続ければ、残り約20数試合で程なくレギュラーシーズンを終えるまでには自己ベストを更新できるのではないでしょうか。
カルロス・コレア/アストロズ
出身:プエルトリコ
生年月日:1994年9月22日(30歳)
身長:約193cm
ポジション:遊撃手(SS)
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アストロズ本拠地で初打席前に観客に挨拶。
7月末のトレードでアストロズに電撃復帰し、8月11日(日本時間12日)に本拠地ダイキン・パークに登場したとたん、ファンから熱烈歓迎を受けたカルロス・コレア。
そんな彼が自身のキャリアをスタートさせたヒューストンで再び脚光を浴びています。
復帰後は27試合で31安打を放ち、116打席で打率.295、OPS.772でOPS+115。8月最終週を迎えるまではwRC+137で、こちらはツインズ時代と比べて40ポイントも上昇。
ただ、アストロズでのわずか20数試合のfWARは0.9で、今季ツインズで93試合に出場して得たfWAR 1.0に比肩する数値をたたき出していたのですが、直近数試合はヒットに恵まれていません。
とはいってもフィールドでの安定感は相変わらず手堅いものがあり、コレアはアストロズ時代のクラブハウスリーダーとしての役割を急速に取り戻しつつあるようです。
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トレード明けの8月1日、クラブハウスで新しいチームメイトたちと(本人中央)。
ハリソン・ベイダー/フィリーズ
出身:アメリカ合衆国ニューヨーク州ウエストチェスター
生年月日:1994年6月3日(31歳)
身長:約183cm
ポジション:外野手
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フィリーズはプロ入りしてから6球団目のチーム。
ポストシーズンを見越し外野手を切望していたフィリーズは、名守備で知られ2021年のゴールドグラブ賞受賞者ハリソン・ベイダーに希望を見出しました。
彼の中堅手としての能力は未だに安定し揺るぎないものですが、新チームでは打率.313、OPS.873を記録しています。移籍して26試合に出場して25安打、長打5本(その後すぐ9本に)と打撃も絶好調。
これには8月の終わり、カイル・シュワーバーの劇的なホームランラッシュにまぎれ、それほど話題に上がらなかったブレーブス戦での5打数4安打3得点のゲームも含まれます。
チーム勝率.580(日本時間9月2日時点)はメジャーリーグ全体でブルワーズに次ぐ好成績であり、今やベイダーは、ナ・リーグ東地区において首位攻防に欠かせない存在と言えそうです。
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トレードから10日後の試合でホームラン級の当たりを阻止。
ミゲル・アンドゥハー/レッズ
出身:ドミニカ共和国
生年月日:1995年3月2日(30歳)
身長:約183cm
ポジション:外野手
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8月初旬、カブス戦に「5番・DH」で出場し得点を挙げる。
2025年はトレード前までにアスレチックスで60試合に出場して打率.298、6本塁打、27打点、1盗塁などを記録。
トレードデッドラインでシンシナティ・レッズに獲得されたミゲル・アンドゥハーの、月別8月の成績を見てみると、打率.369、3本塁打、13打点、出塁率.431、長打率.600。
ただ彼の場合トレード移籍後すぐにはレギュラーの座を掴めず、現在も主に指名打者(DH)もしくはピンチヒッター(PH)としての起用がメイン。
日本時間9月2日時点では、ここまで22試合中66打数、OPS.1.016、OPS+171。
アンドゥハーといえば、エンゼルス時代の大谷翔平と最優秀新人選手賞(ルーキー・オブ・ザ・イヤー)を争った元ライバル。度重なる故障に見舞われ、ヤンキースでは2022年9月にDFA(事実上の戦力外)に。
その後パイレーツへの移籍を経て、昨季はアスレチックスで再起をかけましたが、今度は右膝半月板を痛め手術という苦難を経験。ようやく復帰して2025年シーズンは、冒頭で紹介した成績を積み上げたところでした。
レッズでも出場機会は限られるようですが、自身4球団目となった新天地でこのまま輝きを継続させていってほしいものです。
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移籍後、8月中旬に3ランホームランを放ち新チームメイトとハイファイブ。
ジョシュ・ネイラー/マリナーズ
出身:カナダ オンタリオ州
生年月日:1997年6月22日(28歳)
身長:約183cm
ポジション:一塁手、外野手
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マリナーズのパフォーマンスグッズ、「トライデント(三叉槍)」が似合い過ぎる。
ジョシュ・ネイラーは、2025年の開幕を移籍したダイヤモンドバックスで迎え、7月24日にマリナーズからトレードされるまで93試合に出場。
移籍以降およそ1ヶ月間で5本塁打、14打点、OPS.724、OPS+107と堅実な成績を残しています。
今季、現時点で FanGraphsのfWARは1.9、wRC+ 118。またトレード前のOPSは.807だったため、これら指標を見る限り、ア・リーグ西地区で優勝を目指すチームにとって追い風となり得る数字。
ところで、面白いことにネイラーはマリナーズで33試合に出場し、12盗塁を記録。これで前チームと合わせて年間23盗塁となりました。
スタットキャストによると今シーズン、彼のスプリントスピードは最低レベルに近い24.4フィート/秒(約7.43712メートル/秒)でMLB全体の522位。にもかかわらず、メジャーデビュー7シーズンで26盗塁をマークしているのですから不思議です。
盗塁は単なるスピードに頼るだけでなく、優れた状況判断力やスタートのタイミング、スライディング技術、失敗を恐れない大胆さと勇気も、また一つ重要な要素なのかもしれません。
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この体躯で自在にスティールを狙い、おまけに成功率も高い!