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MLB2025 第2弾 米メディアが選ぶシーズン中盤の最優秀新人賞選手

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こんにちは!

ちょっかんライフです。

日常のなかで、直観レーダーにピピピッと引っかかったアレコレを取り上げるページーー。

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MLB2025中盤戦アワード

米スポーツ専門ウェブサイト『ジ・アスレチック The Athletic』のジェイソン・スターク記者が現地7月11日(日本時間12日)今季MLBの前半戦を折り返したタイミングで、現時点での各種タイトルアワードを発表。

MVP部門では、アメリカンリーグがヤンキースのアーロン・ジャッジ、ナショナルリーグはドジャースの大谷翔平がそれぞれ選出され、別記事にてお届けしました。

◆ 中間期MVPについての情報はこちら。

今回はその第2弾、中盤でのルーキー・オブ・ザ・イヤーRookie of the Year Award(最優秀新人選手賞)に選ばれた選手について紹介していきます。

ア・リーグ/中間期ルーキー・オブ・ザ・イヤー

Embed from Getty Images 2025年6月

ジェイコブ・ウィルソンのような新人はそう多くはないようです。

これまで打率.330以上で新人王を獲得した選手は、2025年資格1年目にして米野球殿堂入りを果たした2001年のイチロー・スズキ。

MLBの長い歴史において打率.350での受賞はリーグ全体を見渡してもイチローのほか誰もいません。

さらに、それから四半世紀が経った今、シーズン400打席以上、打率.330以上を記録した新人選手は一体何人くらい誕生したでしょうか…その答えもゼロ。

そんな稀少な記録に迫る勢いを見せているのが、昨年メジャーに初昇格したばかりのジェイコブ・ウィルソン(23歳)。

オールスターブレーク前の7月半ばまでで366打席に立ち、打率.332をマーク。

打率だけでなく、どんな球にも適応できる対応力と、マイナー時代にほとんど三振をしなかった点も大きな特性で、メジャーデビュー後には55打席連続三振なしという記録を打ち立てています。

現在、彼はリーグ全体で2番目となる113安打を放ち、三振数はわずか28。

三振率(SO%)でいうと、7.7%!(注;MLB打者の三振率の平均は、2024年で約22.5%)

第二次世界大戦以降、これほどの低い三振率で打率.330超えのルーキーはたった3人。1948年のアシュバーン、1982年のボッグスに続いてそのリストにもやはりイチローの名が刻まれています。

選手名打席安打打率三振三振率
2001イチロー・スズキ738242.350537.2%
2025ジェイコブ・ウィルソン366113.332287.7%

今季このままいけば、200安打、47三振のペースであり、イチローの偉業に極めて近い数字も見えてきました。

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パワーヒッター全盛の現代野球にあって、ウィルソンの卓越したバットコントロールとその驚異的なコンタクト能力は異彩を放っています。

受賞者を選ぶ際にスターク記者がまず注目するのは、そのシーズンにどれだけの「歴史的意義」を成し得たかどうかという一点。

ジェイコブ・ウィルソンの場合、同記者の想像を上回る価値が見い出されたからこそ、迷いのない一番に選ばれたということです。

ナ・リーグ/中間期ルーキー・オブ・ザ・イヤー

Embed from Getty Images 2025年5月

1990年からこの30年余りでナショナルリーグにおいてルーキー・オブ・ザ・イヤーに輝いた有名選手をあげてみました。

選手名pos.所属(当時)成績
1993マイク・ピアッツァ捕手ドジャース.318 35本 112点 3盗
2001アルバート・プホルス一塁手カージナルス.329 37本 130点 1盗
2010バスター・ポージー捕手ジャイアンツ.305 18本 67点
2012ブライス・ハーパー外野手ナショナルズ.270 22本 59点 18盗
2014ジェイコブ・デグロム投手メッツ9勝6敗 防2.69
2016コーリー・シーガー遊撃手ドジャース.308 26本 72点 3盗
2018ロナルド・アクーニャJr.外野手ブレーブス.293 26本 64点 16盗
2019ピート・アロンソ一塁手メッツ.260 53本 120点 1盗
2023コービン・キャロル外野手Dバックス.285 25本 76点 54盗
2024ポール・スキーンズ投手パイレーツ11勝3敗 防1.96

ドレイク・ボールドウィン(24歳)が前半と同等の活躍を見せ、ジェイコブ・ミジオロウスキー(ブルワーズ)らモンスター級精鋭を抑えてこの栄誉にあずかるためには、期待に応えなければならないことは山ほどある、というのがスターク記者の見立て。

これまで全リーグで最優秀新人選手賞を獲得した「捕手」はア・リーグが3人、ナ・リーグでは6人の計9人しかいません。

そのうち、ジョニー・ベンチ(1968年)、カールトン・フィスク(1972年)、マイク・ピアッツァ(1993年)はのちにアメリカ野球殿堂入りを果たしました。また、ルーキー・オブ・ザ・イヤーを手にしたほとんどの選手がその後オールスターゲームに選出されています。

ではここから、ボールドウィンが推された理由を数値データから見ていきましょう。

ベースボールリファレンス(baseball-reference)から、今シーズンの成績を表示したのがこちら。

ドレイク・ボールドウィン:64試合、打率.285、出塁率.357、長打率.489、OPS+136、WAR2.0

OPS+:OPS+とは、OPS(出塁率+長打率)をリーグ平均と比較して評価する指標。100を平均として数値が高いほどリーグ平均より得点貢献度が高いことを意味する。例)OPS+120なら、リーグ平均より20%高い得点貢献度を持つと評価。

ちなみに同じナ・リーグのトップクラス捕手ウィル・スミス(ドジャース)を例にとると、現在73試合に出場し、打率.328、出塁率.429、長打率.549、OPS+176、WAR3.9といった成績。

まぁ、この比較は新人王争いとは無関係すぎるので、ボールドウィンが所属するチームの正捕手ショーン・マーフィーを引き合いに改めて比べてみます。

ショーン・マーフィー:59試合、打率.236、出塁率.314、長打率.523、OPS+130、WAR2.4

WAR(Wins Above Replacement):代替可能な選手と比較してどれだけ勝利に貢献したかを評価する指標。値が大きいほどチームへの貢献度が高いと判断できる。

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投手有利な傾向が増し、かつてないほど打撃が難しくなっているこの時代に、バッティングで上述のような成績を上げる新人捕手は極めて珍しいのだそう。

実際に、歴代新人王捕手の中でボールドウィンに匹敵する成績を残したのは、前出の殿堂入りレジェンドのフィスク、ピアッツァ、そして2010年受賞者のバスター・ポージー(現ジャイアンツ野球運営部社長)のたった3人だけ。

また守備面に目を向け、同選手とチーム正捕手マーフィーとの投手捕球時防御率を見ても、ブレーブス新人捕手の台頭と健闘を目の当たりにする結果がーー。

ブレーブス捕手別防御率

投手ボールドウィンマーフィー
クリス・セール2.232.80
スペンサー・シュウェレンバック2.803.44
グラント・ホームズ3.073.72

それでもコラムの中で同記者は、この選択には葛藤があったと認めています。新人賞候補のオーガスティン・ラミレス(捕手)はマーリンズにとってチームを変革する存在であり、少数サンプルから得た「ワオ・ファクターWow Factor. 」だけで、ついミジオロウスキーを選ぶところだったと。

いずれにせよ後半戦はまだまだこれから…彼らみんなの幸運を祈りたいと記事は結ばれていました。

本当にその通りですね!

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