こんにちは!
ちょっかんライフです。
日常のなかで、直観レーダーにピピピッと引っかかったアレコレを取り上げるページーー。
MLBワールドシリーズ優勝者への特別な記念品
例年、メジャーリーグベースボール(MLB)では、10月のポストシーズンを戦い抜き、頂点のFall Classicを制した者には特別な記念品、チャンピオンリングが贈呈されます。
そして2025年、ナ・リーグの覇者ロサンゼルス・ドジャースとア・リーグ王者トロント・ブルージェイズがまさに世界一を懸けて熱戦を繰り広げているところ。
ここ100年以上にわたってワールドシリーズ・リングは、チームを独創的な形で称えるのに大きく寄与してきました。
はたして、MLBにとってのこの ”シンボリックなジュエリー” は、どのように発展してきたのでしょうか?
さらには、
- ワールドシリーズ・チャンピオンリングを贈り始めたのはいつからか
- ワールドシリーズのリングを手にするのは誰か
- 全員が同じワールドシリーズ・チャンピオンリングを獲得できるのか
- ワールドシリーズのリングはどこ(誰)がデザインするのか
- ワールドシリーズのリング製作費はどこ(誰)が出すのか
- ワールドシリーズ・チャンピオンリング最多獲得メジャーリーガー
なんてことも気になります。
そこで今回は、
ワールドシリーズ・チャンピオン・リングに関する好奇心をそそるストーリー
をいくつかご紹介します。
それではさっそく、見ていきましょう。
MLBにおけるワールドシリーズ・チャンピオンリング
1922年以前は、ワールドシリーズ優勝チームにはオーナーからメダルやピンバッジ、時計などの記念品が贈られていました。
ワールドシリーズ・リングを贈り始めたのはいつから?
Embed from Getty Images 1922年
野球ワールドチャンピオンシップシリーズ(現ワールドシリーズ)のプログラム表紙。
そして1922年のワールドシリーズ、
ニューヨーク・ジャイアンツ(現サンフランシスコ・ジャイアンツ)がニューヨーク・ヤンキースを下し、最初のチャンピオンリングが授与されることに。
近年の派手なデザインとは一線を画す、勝者への最初のワールドシリーズ・リングは、
があしらわれていました。
これを契機に1920年代を通して、リングを記念品とする伝統が徐々にリーグ全体へと広まっていきます。
やがて1931年のワールドシリーズ、
セントルイス・カージナルスがフィラデルフィア・アスレチックス(現アスレチックス)を破り優勝。
それ以降、ワールドシリーズ・リングはすべてのMLBチームで製作されるようになりました。
ワールドシリーズのリングを手にするのは誰?
ワールドシリーズ・リングの授与基準についてはチームによって異なるようです。
ただ、いずれも球団オーナーが最終決定権を持ち、誰がリングを受け取るかを決定。
当然ながら優勝を掴み取った当事者である選手たち、コーチングスタッフらはリング拝受が保証されますが、
他にも、
など、各オーナーの裁量によってリングを持ち帰ることができるケースもあります。

リングにまつわる様々なストーリーがあるんだね
カージナルスのユーティリティプレーヤー、スコット・スピージオは2006年優勝、
父親のエド・スピージオは1964年と1967年にカージナルスでチャンピオンリングを獲得、
同じ球団に所属しワールドシリーズでチャンピオンリングを獲得した初の父子コンビです。
Embed from Getty Images 2007年
試合前の式典でチャンピオンリングを披露するカージナルスのスピージオ親子。
松井秀喜は2009年ワールドシリーズでヤンキースの一員としてチャンピオンリングを獲得、
シリーズMVPにも輝いたものの、オフにヤンキースを退団、
エンゼルス移籍後、贈呈式でヤンキース時代の仲間からリングを受け取りました。
Embed from Getty Images 2010年
エンゼルス移籍後、赤いユニホームを纏った松井のもとに駆け寄るヤンキースメンバーたち。
Embed from Getty Images 2009年のヤンキース優勝メンバーとしてリングを手にする松井秀喜。
またMLBワールドシリーズでは、敗れた球団であっても、リーグのチャンピオンリングが製作される場合があるそうです。
全員が同じリングを獲得できる?
チームは、さまざまなバージョンのリングを作製し、必要に応じて組織全体の職員、スタッフ、メンバーらに分配することを決めます。
| Aリング | 14金ゴールドを主流に、より大きく重量があり、よりいっそう高価。記録などを個人別に刻むため、全員がまったく同じデザインでは無い。選手、コーチ、フロントエグゼクティブ用の非売品では、ダイヤモンドなどの宝石が使用される。 | 
| Bリング/Cリング | 小さくて控えめ。優勝チームに所属する他従業員等に贈られるケースがある。 | 
さらに近年の傾向として、Cリングにはファン向け販売 or 配布用のレプリカも登場。
模造品とはいえ、人工石のキュービックジルコニアが使われたり、1個のリングに50-100個近い小粒のラインストーンがふんだんに付けられているものも存在します。
Embed from Getty Images 2023年
米女子ソフトボールチームのメンバーが、色とりどりのMLB優勝リングをお披露目。
ワールドシリーズのリングはどこ(誰)がデザインするの?
ワールドシリーズ・リングを高い品質で創り出す実力と規模を持つ宝飾品ブランド/メーカーは数多くあります。
Embed from Getty Images レッドソックスの2004年、2007年、2013年、2018年ワールドシリーズ優勝リング。
ジュエリー会社は優勝チーム特有のモチーフを巧みに使って表現し、細部に至るまでディテールにこだわり、”その球団ならでは!” を象徴する特別なデザインに仕上げます。

どんなリングが製作されるんだろう!
厳選されたリングの逸品には、次のようなものがあります。
Embed from Getty Images アレックス・ロドリゲス着用の2009年優勝リングは松井にも手渡されたもの。
Embed from Getty Images セントルイス・カージナルス2011年チャンピオンリング。
Embed from Getty Images ヘンズリー・ミューレンズ着用の、左から2010年、2012年、右が2014年のジャイアンツ優勝リング。
Embed from Getty Images 当時のカブスGM、ジェド・ホイヤー氏(現 野球運営部門社長)が優勝リングを公開。
Embed from Getty Images 2025年8月
ドジャースの2024年ワールドシリーズ記念リング(背番号17)レプリカがファンにも配布された。
ワールドシリーズのリング製作費はどこ(誰)が出すの?
アメリカプロ野球(MLB)では組織として毎シーズン、
ワールドシリーズを制した優勝チームの選手、コーチ、監督、GM(ゼネラルマネージャー)それぞれに、
リング1個につき 1500ドル(約22万円)
を寄付しています。
球団が他のスタッフにもリングを授与するとなれば、その費用は前述どおりオーナーの意向に沿い自己負担で用意することになるわけです。
ワールドシリーズ・リングの獲得者リスト
チャンピオンリング最多獲得メジャーリーガー
独特のユーモアと面白名言(迷言?)で知られ、3度のリーグMVPに輝いたニューヨーク・ヤンキースのレジェンド、ヨギ・ベラ。
彼はワールドシリーズでじつに10個のチャンピオンリングを手にしており、これはMLB史上どの選手よりも抜きんでたビッグタイトルと言えます。
Embed from Getty Images 2000年11月
ヤンキースの偉大な選手ヨギ・ベラが10個のワールドシリーズ優勝リングを手に記念撮影。
その他ワールドシリーズ優勝のトップ回数を誇る選手たちですが、
以下、レジー・ジャクソンを除き上位5回までは、すべて「ヤンキース」の一員としてチャンピオンリングを獲得したメンバーです。

皆さん凄いレジェンドばかりだけど、ほとんどがかつての記録なんだね…
ワールドシリーズ最多優勝プレーヤー
10回 
ヨギ・ベラ(1947, 1949-53, 1956, 1958, 1961-62)
9回 
ジョー・ディマジオ(1936-39, 1941, 1947, 1949-51)
8回 
ビル・ディッキー(1932, 1936-39, 1941, 1943)
7回 
フランキー・クロセッティ、ルー・ゲーリッグ、ハンク・バウアー、ミッキー・マントル、フィル・リズート、ベーブ・ルース
5回 
デレク・ジーター、マリアノ・リベラ
レジー・ジャクソン(ヤンキース1977,1978 アスレチックス1972-74)
4回 
ハビアー・ロペス(Rソックス2007 ジャイアンツ2010,2012,2014)
3回 
デビッド・オルティス(Rソックス2004,2007,2013)
ムーキー・ベッツ(Rソックス2018 ドジャース2020,2024)
Embed from Getty Images 2004年、07年、13年優勝リングと13年MVP記念リングをネックレスに通したデビッド・オルティス。
もしも2025年のワールドシリーズをドジャースが制することになると、
このリストで唯一の現役メジャーリーガーとして、ムーキー・ベッツのチャンピオンリング獲得は計4個に。
果たしてどのような結果が待ち受けているのでしょうかーー。
それもまた大いに気になるところです。
 
  
  
  
  