こんにちは!
ちょっかんライフです。
今回も一人暮らしの直観レーダーにピピピッと引っかかったアレコレを取り上げてまいります。
近年、メジャーリーグに進出する日本人選手は増えているようですが、球団組織内にはいったいどれほどの邦人職員が在籍しているのでしょうか。
実際に各球団の公式サイトをチェックしてみると、ドジャースのフロントオフィスにはマネジメントクラスの肩書を持ち、尚且つ高学歴、ハイキャリアな日本人が群を抜いて多いことがわかりました。
というわけで本記事では、同球団のハイスペックな日本人スタッフたちをDIRECTORY(名鑑)として一挙ご紹介。
どうぞ最後までお付き合いください。
ドジャース日本人スタッフ名鑑
ロサンゼルス・ドジャースのフロントオフィス名簿には、球団オーナー・会長、執行役員などのエグゼクティブメンバー、そして各部門別にそれぞれの役職と氏名が紹介されています。
フロントオフィス・スタッフ その1.
まず、野球運営部門に名を連ねているのが82名。うち、日本人が以下の2名でした。
野球運営部門 Baseball Operations
◆ 野球用品開発部長(Director, Baseball Product Development)秋元雄二
github.com
カナダの名門ショーニガン・レイク・スクール Shawnigan Lake School(2012-2015)卒業。
オックスフォード大学で数学と統計学を学び、コーネル大学(2016-2019)でコンピュータサイエンスとオペレーションズ・リサーチ&情報工学の理学士号(BS)を取得。
コーネル大データサイエンス学部のチームリーダー兼コースインストラクターを務め、ニューラルネットワーク(人間の脳の神経回路を模倣した機械学習モデル)に関するセミナーを企画・指導。
同大ではさらに、機械理解における注目メカニズムに焦点を当てたNLPエンジニア(コンピューター・サイエンスと AIのサブフィールドで、機械学習を用いてコンピューターが人間の言語を理解しコミュニケーションできる技術を開発する)としての経歴を持つ。
他インターンシップでは、SlackTechnology社でのソフトウェアエンジニアリング・インターン、Wove社での機械学習&システムエンジニア、Avinton社でのマシンラーニングインターンなどを経験。
2019年1月より、ドジャースの定量調査エンジニア(試合データ収集システム開発やデータ分析を通じ選手のパフォーマンス向上、戦術の最適化に貢献する役割)に就任。
2020年から2023年まで、定量アナリスト(膨大なデータを収集・分析し、それを戦略構築や選手評価に活用する専門家)の役職に就く。
2023年から現在まで、同球団の野球プロダクト開発部長を務めている。
なお、秋元氏の生年月日について触れた記事は見当たりませんが、上記どおり2015年に18歳で高校を卒業したとすると、2025年現在の年齢は30歳にも満たない28歳前後でしょうか。ものすごい経歴ですね。
◆ アジア太平洋地域事業部長(Director, Asia-Pacific Operations)佐藤弥生
keio.ac.jp
1996年慶應義塾大学文学部卒業。
最初のキャリアはアートパブリッシャーで国内外新進アーティストのPR・プロモーション企画を担当。
その後、半年間のアメリカ単独旅行を経て、2000年4月から2001年8月まで東京ディズニーシー建設プロジェクトで、クリエイティブ部門のバイスプレジデントの通訳として勤務。
2002年よりロサンゼルスに移り日系の商社で働いていた折、ネット上でドジャースの人材募集広告を見つけ即応募。2003年1月にアジア部アシスタントとして同球団に入社。
働き始めて1年ほどが過ぎアシスタント職に違和感を感じ始めたころ、仕事の誘いを受けたのを機に退職。香港ディズニーランド建設プロジェクトにコーディネーターとして参加する。
2005年にアメリカに戻り、オンラインゲーム『Lord of the Rings(ロード・オブ・ザ・リング)』の日本語版制作会社の立ち上げに関わる。
その後、当時の上司から連絡が入り「部を強化するが戻らないか」と声が掛かり、2008年1月にドジャースへ復帰。チーム強化のためのベースボールオペレーションとビジネス開発の2つの大きく異なる業務を同時にこなす。
2019年11月に退職後は、パ・リーグ6球団の合弁会社パシフィックリーグマーケティングの海外事業開発ディレクターに就任し、スポーツビジネスコンサルタントとして活躍。
2024年1月、ドジャースに3度目の入社。アジア太平洋地域事業部長として現在に至る。
また、25年春には母校の慶大で行った対談イベントが大盛況、QAセッションでは参加者と活発な質疑応答が繰り広げられました。
フロントオフィス・スタッフ その2.
お次はビジネス戦略を司る部門から。17名中、日本人は以下1名。
ビジネス戦略部門 Business Strategy
◆ 国際プログラムスペシャリスト(Specialist, International Programs)福田裕介
アメリカはメリーランド州モンゴメリーにあるベセスダ・チェビー・チェイス・ハイ・スクール Bethesda-Chevy Chase High School(2014-2018)を卒業。
ハイレベルなリベラルアーツカレッジで知られるコルビー大学へと進み(2018-2022)経済学と歴史学を専攻、文学士(BA)の学位を取得。
2017年ニューヨーク・タイムズ・スクールでスポーツマネジメントを、2020年ウォール街のトップトレーニング会社Wall Street Prepで財務評価と財務モデリングを学び、さらにCoursera(コーセラ)でデータサイエンス向けのSQL(SQL for Data Science)を修得している。
他にもコルビー大学でのインターンシップでは、2018年からスポーツ情報アシスタント、WEBサイトThe Ad Answerでのデジタルマーケティング、続けて同大入学・奨学金事務局で約1年、最後の9ヶ月は学生プログラミング委員会でコンサート&ライブ企画に携わるなど様々なインターン活動を経験。
2022年からは学生時代の豊富な体験を生かし、企業の人事・労務分野に関するコンサル会社BCE Consulting (BCE)でアナリストとして勤務。
2年5ヶ月働いたあと、2024年の12月にドジャースへ転職。6ヶ月を経た2025年も、同球団の国際プログラムスペシャリスト現職。
大学を出てまだ3年にも満たない若く優秀な才能は、米球界でもトップクラスの大組織でビジネス戦略の一翼を担います。
フロントオフィス・スタッフ その3.
そして情報技術部門に籍を置くのが20名のスタッフ。その中で日本人1名が所属。
情報技術部門 Information Technology
◆ ITオペレーション担当シニアディレクター(Senior Director, IT Operations)吉池久代
北海道ドレスメーカー学院でファッションについて学んだあと渡米。
カリフォルニアトーランスにあるEl Camino Collegeエル・カミーノ・カレッジでは、服飾とは縁遠そうな会計学とCIS(コンピューター情報システム)を専攻し、ソフトウェア開発、データベース管理、ネットワーク技術などを学んで準学士号を取得。
1998年から、テクノロジー ソリューションの研究開発企業 Neutron Technologyでテクニカルサポート、システム管理者、ウェブマスター、インストラクターとして働く。
2001年から2009年まで7年11ヶ月間にわたり、パイオニア株式会社の連結子会社であるPioneer Electronics (USA) でシステム管理者 System Administratorとして従事。
その後、ロサンゼルス・ドジャースに入社しシステム管理を1年半つとめ、2011年にテクノロジーオペレーションマネージャーへと昇格。
6年間同職に就いたあと、2017年にITオペレーション担当シニアマネージャーとなり、2019年から3年、ITオペレーションディレクターをつとめる。
そして2022年から現在まで幅広いスキルセットをフルに活かし、ITオペレーション担当シニアディレクターとして活躍をつづける。
フロントオフィス・スタッフ その4.
ドジャースのチームドクターで、大谷選手らのトミー・ジョン手術を執刀したドジャースのチームドクターも含めた医療チーム12名中、名簿に名前がある日本人は1名(※現場のフィールドスタッフの中にはアシスタントコーチがもう1名在籍)。
医療スタッフ Medical Staff
◆ メジャーリーグアシスタントアスレチックトレーナー(Major League Assistant Athletic Trainer)中島洋介
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1970年生まれ、神奈川県横浜市出身。
中央大学では物理学を専攻し物理学者を目指す一方、クラブチームでプレー。卒業後は、世界最高レベルの野球を学ぼうと渡米を決断。
カリフォルニア州立大ロングビーチ校(CSULB)の野球チームに飛び込み、本場のベースボールを学ぶ中でアスレティックトレーナーに興味を抱くようになる。
NATA(ナショナルアスレティックトレーナーズ協会)認定の国家資格であり高度な専門知識と技術が求められる、公認アスレティックトレーナー(ATC)の資格取得のため、同大の大学院に進み勉強をスタート。
その院時代、メジャーリーグがインターンシップ制度を導入し一般に募集がかけられたことを知ると、すべての球団に手紙を送り、そこで唯一返事のあったのがロサンゼルス・ドジャースだった。
難関資格であるATC取得後の2003年、マイナーリーグのスプリングトレーニングからインターン開始。
2005年からの10年間は、マイナーリーグでも最下位に位置するルーキーリーグでアスレティックトレーナーとして従事。
キャリアの途中には、2013年のWBCでイタリア代表のアスレティックトレーナーとしてチームに帯同したことも。
そして20015年、アシスタント・アスレティックトレーナー兼マニュアルセラピストに昇格。
ドジャース在籍22年目を迎えた2025年現在は、メジャーリーグのアシスタントアスレチックトレーナーの肩書を持ち、主に医療面から選手のパフォーマンス向上をサポートしています。
以上、今回はロサンゼルス・ドジャース球団のフロントオフィスに在籍するハイスペックな日本人スタッフたちを紹介してまいりました。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。