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ちょっかんライフです。
日常のなかで、直観レーダーにピピピッと引っかかったアレコレを取り上げるページーー。
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昨季のワールドシリーズ覇者ロサンゼルス・ドジャース。
レギュラーシーズン終了後の10月に開催され、最終的に各リーグの優勝チームがワールドシリーズで対戦。
チャンピオンを決定するメジャーリーグベースボール(MLB)のポストシーズン。
超一流の選手が世界中からMLBに集まる流れが確立されているため、当競技においてはリーグでの優勝――野球ではこのワールドシリーズの制覇――が実質的な世界一ということができます。
これまで多くの選手が「Fall Classic(秋の祭典)」で忘れがたい活躍を見せ、球界の伝説にその名を刻みました。
スター選手に限らず、中にはポストシーズンでいきなり頭角を現しワールドシリーズで一気にブレイクした選手もいますが、そこで彼らに共通するのは、勝敗に関係なく発揮された輝くようなプレー。
ということで今回は、ここ10年間のポストシーズンでも特に印象深いパフォーマンスを時系列順にピックアップ。そこから厳選した6つのケースを紹介していきます。
どうぞ最後までお付き合いください。
【ア・リーグ】ポストシーズン歴代ベストパフォーマンス
コーリー・シーガー&アドリス・ガルシア/レンジャーズ(2023)
2023ワールドシリーズ結果
優勝回数 | 優勝チーム | 成績(勝-負) | 敗戦チーム |
---|---|---|---|
初優勝 | レンジャーズ AL | 4-1 | Dバックス NL |
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優勝祝賀会でコミッショナーズ・トロフィーを掲げるシーガー。
コーリー・シーガーにとってプレーオフでの活躍というのはこの年が初めてではなく、すでに2020年ドジャース時代にはリーグ優勝決定シリーズとワールドシリーズ両方でMVPを受賞。
テキサス・レンジャーズで2シーズン目となる23年は、故障者リスト入りを2度経験しながらも119試合に出場し打率.327、本塁打33、OPS1.013をマーク。
ポストシーズンではワールドシリーズ5試合のうち3試合でホームランを放ち、打率.286、3本塁打、6打点でチームの初優勝に貢献。、自身2回目のワールドシリーズMVPを手にし、MLB史上4人目となる複数回受賞者の仲間入りを果たしています。
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ディビジョンシリーズでは3ランを放ったガルシア。
23年レギュラーシーズンから、キューバ出身のアドリス・ガルシアはキャリアハイとなる活躍を見せ、大谷翔平に次ぐリーグ2位の39本塁打、107打点の成績。このレンジャーズの強打者はポストシーズンに入っても、負傷する直前までは歴史的なシーズンをおくりました。
リーグ優勝決定戦であるリーグチャンピオンシップシリーズは、打率.357、5本塁打、15打点、1盗塁でア・リーグ同シリーズのMVP(ナ・リーグの受賞者は現Dバックスのケテル・マルテ)に。
ワールドシリーズではポストシーズン記録となる22打点目をマーク。15試合に出場し、打率.323、8本塁打とチームの世界一に大きく貢献。
そして何より両選手の連係プレーが光ったポストシーズン最高の瞬間はと言えば、ワールドシリーズの第1戦。
シーガーが9回に同点の2ランホームランを放つと試合は延長戦に突入。その延長戦11回でガルシアが豪快に放ったサヨナラホームラン!こちらで間違いないでしょう。
ワールドシリーズ
MLBの年間王座を決定する戦いのこと。ナショナルリーグとアメリカンリーグの優勝チームが7回戦制シリーズで対戦、先に4勝したチームがワールドチャンピオンとなる。
リーグチャンピオンシップシリーズ(リーグ優勝決定シリーズ)
MLBのリーグチャンピオンシップシリーズ(CS)は各リーグの優勝チームを決めるためのシリーズで、それぞれ別々に行われ、ALCS(ア・リーグチャンピオンシップシリーズ)、NLCS(ナ・リーグチャンピオンシップシリーズ)と呼ばれる。
ランディ・アロザレーナ/レイズ(2020)
2020ワールドシリーズ結果
優勝回数 | 優勝チーム | 成績(勝-負) | 敗戦チーム |
---|---|---|---|
32年ぶり7回目 | ドジャース NL | 4-2 | レイズ AL |
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ア・リーグ・ディビジョンシリーズ第2戦でソロホームラン。
日本人にとっては、WBC2023でメキシコ代表として外野守備で見せた「腕ぐみドヤ顔ニキ」のイメージが強いランディ・アロザレーナ(現マリナーズ)。
2020年のポストシーズンに入る前、メジャーリーグでわずか42試合しか出場していなかったアロザレーナは、まだほとんど世に知られていない存在でした。
その後、25歳の外野手はポストシーズンでスタメン起用され、ワイルドカードシリーズ第2戦で3安打、ディビジョンシリーズでは打率.421、第1戦から3試合連続本塁打を放つ活躍でシリーズ突破に貢献。
続くリーグチャンピオンシップシリーズでも最終戦での先制本塁打を含む4本塁打を放ち、ポストシーズンの本塁打数の新人新記録を更新、新人野手では史上初となるシリーズMVPに選ばれました。
ワールドシリーズでも3本塁打を放ち、それまでのポストシーズンでの最多本塁打8本を超える10本塁打記録を打ち立てたものの、チームは敗退。前出のシーズンMVP、コーリー・シーガー擁するドジャースに惜しくも敗れたのでした。
ワイルドカードシリーズ
ポストシーズン最初のステージで、各リーグで地区優勝を逃した勝率上位3チームと、地区優勝中で最も勝率の低いチーム4チームが対戦するシリーズ。3試合制で先に2勝したチームがディビジョンシリーズに進出。
ディビジョンシリーズ(地区シリーズ)
ポストシーズンの第2ラウンドで、各リーグ(ア・リーグ、ナ・リーグ)の、地区優勝チームのうち勝率上位2チームと、ワイルドカードシリーズを勝ち上がった2チーム4チームが対戦するシリーズ。5試合制で先に3勝したチームがリーグチャンピオンシップシリーズに進出。
アンドリュー・ミラー/インディアンス(2016)
2016ワールドシリーズ結果
優勝回数 | 優勝チーム | 成績(勝-負) | 敗戦チーム |
---|---|---|---|
108年ぶり3回目 | カブス NL | 4-3 | インディアンス AL |
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アメリカンリーグ・チャンピオンシップ・シリーズ(ALCS)第3戦で勝利。
2016年、クローザー (抑え投手)のアンドリュー・ミラーは、ヤンキースからトレードで移籍し、クリーブランド・インディアンスでのレギュラーシーズンをリリーフ(先発投手の後に登板する投手)に起用変更されリスタートを切ることに。
するとそこからリーグチャンピオンシップシリーズにかけて、チームのセットアッパー(抑えに繋ぐ中継ぎ投手)として躍動。
シーズン通算70試合に登板し、防御率1.45、123の三振を奪い、三振率45%を記録した後、プレーオフでも勢いそのままに10試合に登板、73打者中30打者(41%)を三振に打ち取り、防御率1.40をマーク。
中でもリーグチャンピオンシップシリーズ(ALCS)での最高のシーンが第2戦。7回から8回までの2イニングを完璧にこなし、対戦した6人の打者のうち5人を三振に仕留める圧巻の投球を披露。
ALCSでは4試合に登板、7回と2/3イニングを投げ14奪三振、無失点に抑えて、見事MVPに輝きました(ナ・リーグの受賞者は現タイガースのハビアー・バエズ)。
インディアンスで3シーズンを過ごしたミラーは、2018年シーズン終了後にカージナルスへ移籍。その後21年オフにFAとなり、2022年の開幕を迎えることなく36歳で現役を引退しています。
【ナ・リーグ】ポストシーズン歴代ベストパフォーマンス
コーリー・シーガー/ドジャース(2020)
2020ワールドシリーズ結果
優勝回数 | 優勝チーム | 成績(勝-負) | 敗戦チーム |
---|---|---|---|
32年ぶり7回目 | ドジャース NL | 4-2 | レイズ AL |
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ドジャース時代にもワールドシリーズMVPに。
ロサンゼルス・ドジャースが32年ぶり7度目の優勝を成し遂げたシーズン。
コーリー・シーガーはナショナルリーグのリーグチャンピオンシップシリーズ(NLCS)7試合で5本のホームラン、26塁打、11打点と大躍進を遂げ同シリーズMVPを受賞(ナ・リーグ受賞者が前出のアロザレーナ)。
続くワールドシリーズでは6試合に出場して打率.400、2本塁打、5打点、OPS(出塁率+長打率)1.256をマーク。
最終的にプレーオフにて、リーグ優勝決定シリーズとワールドシリーズのMVPをW受賞することに。
さて、そんな輝かしいポストシーズン最高の瞬間といえば・・・
ブレーブスが3勝2敗でリードして臨んだナショナル・リーグ優勝決定シリーズ(NLCS)第5戦。相手に2点リードされていたところをシーガーが2本のホームランを放ち、ドジャースの勝利に大きく貢献したシーン。
この活躍でワールドシリーズ進出につながる逆転劇の主役へと一気に躍り出たのでした。
スティーブン・ストラスバーグ/ナショナルズ(2019)
2019ワールドシリーズ結果
優勝回数 | 優勝チーム | 成績(勝-負) | 敗戦チーム |
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初優勝 | ナショナルズ NL | 4-3 | アストロズ AL |
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リーグ・チャンピオンシップ・シリーズ第3戦に登板。
2019年のレギュラーシーズン、スティーブン・ストラスバーグは4月終わりの試合で通算投球回が1252 1/3回に達し、ナショナルズの球団記録を更新。翌月には史上最速イニングで通算1500奪三振を達成。
シーズン通じて一度も離脱することなく登板を重ね、投球回209.0回、および18勝はリーグ1位、防御率3.32、251奪三振(同2位)で、最多勝タイトルを獲得しました。
チーム初のワールドシリーズ第2戦で勝利投手になると、勝つか負けるか後がなくなった第6戦にも登場。2失点に抑えて大事な一戦を制し、先発2戦2勝、防御率2.51、14回1/3イニングで14奪三振を記録。
こうして常にマウンドでベストを尽くしチームの世界一に貢献したストラスバーグは、見事ワールドシリーズMVPを受賞したのです。
ただ2020年シーズン以降は度重なる故障に悩まされ、リハビリを続ける日々を送ることに。そして23年4月末には「重度の神経障害」によって全身活動が停止してしまう深刻な状態に陥り、復帰を断念。
35歳となった8月下旬、現役を退く意向を表明し、翌2024年4月6日付で正式に現役引退を発表。
振り返ると、まさに2019年のワールドシリーズはストラスバーグが世界最高峰の舞台で最も輝きを放った、かけがえのない瞬間と言えるのではないでしょうか。
ダニエル・マーフィー/メッツ(2015)
2015ワールドシリーズ結果
優勝回数 | 優勝チーム | 成績(勝-負) | 敗戦チーム |
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30年ぶり22回目 | ロイヤルズ AL | 4-1 | メッツ NL |
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ナ・リーグ・ディビジョン・シリーズ第1戦でホームラン。
メッツにとって9年ぶりのポストシーズン、ダニエル・マーフィーはドジャースとのディビジョンシリーズに初出場。
第1戦でドジャースのエース、クレイトン・カーショウ(当時27歳)から先制アーチを飾ると、そのあとの第4戦、第5戦でも本塁打を放つ活躍ぶり。
カブスとのナショナルリーグ優勝決定シリーズでは全4試合ホームラン、打率.529、4本塁打、6打点をマークして同シリーズMVPを受賞。また、ディビジョンシリーズからチャンピオンシップシリーズにかけてポストシーズン6試合連続での本塁打により、過去これまでの記録を更新。
マーフィーがポストシーズンで放った計7本のホームランは、歴代1位とはわずか1本差の2位タイでした。
ただ、ロイヤルズとのワールドシリーズでは一転して打撃不振に陥り、5試合で20打数3安打、打率.150と振るわず。同年オフにFAとなったあとは、翌2016年にナショナルズと新たな契約を結んでいます。
ちなみに、この年のワールドシリーズMVPは、打率.364・2二塁打・2打点の記録を残したサルバドール・ぺレス。2025年現在もメジャーの第一線で活躍するロイヤルズの正捕手です。
以上、MLBでのこの10年、ポストシーズンで最も印象深いパフォーマンスを見せた選手たちを時系列に紹介しました。