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ちょっかんライフです。
日常のなかで、直観レーダーにピピピッと引っかかったアレコレを取り上げるページ――。

菊池雄星が語っていたブレグマンの凄さ
元プロ野球選手・五十嵐亮太氏のYouTubeチャンネルに出演した菊池雄星投手が、メジャー生活で最もインパクトを受けた選手として真っ先に名を挙げたのが、アレックス・ブレグマンでした。
菊池投手が明かしたのは、単なるスター選手という枠に収まらない、彼の ”図抜けた知性、かつ異次元のリーダーシップ” です。
「ブレグマンはとにかく頭が良くて、ずっとデータ室にこもっているんです。そこで若手にデータの見方を教える。誰もが彼を信頼し、手本にしているんですよ」
そのリーダーシップは、移籍してきたばかりのベテランにさえ発揮されました。アストロズへ移籍した初日、菊池投手はブレグマンに「雄星、ちょっと来い」と呼び止められたといいます。
彼は全投手のデータを頭に叩き込んでいて、『このコースに投げればOPSはこうなるから、カーブを減らしてチェンジアップを増やせ』『インハイの直球は今年被本塁打ゼロなんだから、ボール球になってもいいから高めに投げろ』と、全てのアドバイスをくれたんです。これを僕だけでなく、昇格したての若手にも同じようにやる。アストロズでの2ヶ月間は、本当に濃い時間でした。
この証言から約1ヶ月。2026年2月14日、MLB.comのシニアレポーター、ジョーダン・バスティアン氏が、新天地シカゴ・カブスでのブレグマンを特集した記事をリリースしました。
タイトルは「Bregman’s leadership already shining through with Cubs(カブスでも早くも輝きを放つブレグマンのリーダーシップ)」。
知性派として知られる菊池投手をも唸らせたあの「衝撃」は、やはり本物だった――。
今回は、MLBでも極めて稀有な資質を持つブレグマンの真の姿を、同記事の内容を交えてご紹介します。
アレックス・ブレグマンがカブスにもたらす「衝撃」
2026年、カブスが投じた5年総額1億7500万ドル(約262億5000万円)という巨額の投資。
リグレー・フィールドに降り立ったアレックス・ブレグマンへの期待は、単なる主軸打者としての数字にとどまるものではありません。
彼がこの歴史ある球団に持ち込んだのは、勝利への渇望が生み出す「変革」そのもの。
さらになぜ、彼がチームの命運を握る特別な存在として目されているのか。その真意は、合流直後から周囲を驚かせた、彼ならではの異例の行動に隠されていました。
驚きの行動:契約直後に要求した「あるレポート」
ブレグマンのリーダーシップは、契約書にサインを交わした瞬間から強烈に発動。
1月に正式契約を結ぶやいなや、彼が球団フロントに真っ先に求めたのは、これから共に戦う「チームメイト全員の克明な分析レポート」でした。
さらに彼は、育成部門スタッフとのミーティングを即座にセッティング。球団が掲げる育成哲学や、個々の選手が取り組んでいる技術的な課題に至るまで、そのすべてを深く把握しようと動き出したのです。
一般的なスター選手であれば、まずは自らのパフォーマンス向上に専念するものでしょう。しかし、ブレグマンがフォーカスしているのは、周囲への多角的な働きかけです。彼は今、チームの将来にまで及ぶ長期的な変化を見据え、その「種」を各所にまき始めています。
カブスの編成部門トップ、ジェド・ホイヤー球団編成本部長は、この稀に見る姿勢に最大級の賛辞を送っています。
彼のアプローチは非の打ちどころがない。我々のスタッフに対し、『君たちがいま取り組んでいることは何? 私が手伝えることはある?』と自ら問いかけてくる。これほどまでに若手の育成に深くコミットし、情熱を注ぐ選手は極めて稀だ。それは、彼がアストロズ時代から築き上げ、そして昨季のレッドソックスでもずっと周囲から認められてきた彼という人間の素晴らしい資質そのものだ。
次世代への継承:若手を導くメンターとしての顔
ブレグマンの存在は、ピート・クロウ=アームストロング(PCA)やマット・ショウといった、カブスの未来を担う若き才能たちにとって、かけがえのない「生きたバイブル」となっています。
昨季、わずか1年のみ在籍したレッドソックスでも、彼は瞬く間にリーダーとしての地位を築き、若手たちの心強いメンターとなりました。
その姿勢は、シカゴの地でも全く揺らぎません。
このオフシーズン、ブレグマンはアリゾナにある自身のトレーニング施設に期待の若手マット・ショウを招き、共に汗を流しながら対話を重ねてきました。
そして今、スプリングトレーニングの現場で最もその恩恵を受けている一人が、カブスの誇る若き才能、PCA。
彼は、打席内での意思決定(ディシジョン・メイキング)についてブレグマンと交わした初期の対話に、早くも深い感銘を受けています。
ブレギー(ブレグマンの愛称)は最高だよ。彼と本格的に同じ時間を過ごせることに、本当にワクワクしているんだ。彼は野球の細かなディテールや戦術に対して、ものすごく情熱的なんだよ。彼がこれまでの経験を惜しみなく共有してくれるのを聞くのが、楽しくて仕方ない。彼がいれば、僕も、そしてチーム全体も、間違いなくもっともっと良くなるはずだ。
野球中毒(Baseball Junkie)が生むチームへの熱量
捕手のカーソン・ケリーは、アマチュア時代から知る旧友の姿をインテンシティ(強烈な熱意)という言葉で表現します。
ブレグマンは自らのルーティンをこなす傍ら、投手陣の輪に飛び込んで議論を交わし、打撃ケージ内では捕手たちと技術論を戦わせる。
ケリーが彼を「野球中毒(Baseball Junkie)」と呼ぶのは、その野球に対する底なしの探求心ゆえです。
現在のカブスには、物腰柔らかながらも有能な旗手イアン・ハップ、自律的なプロ意識で背中を見せる名門スタンフォード大出身のニコ・ホーナー、そして精神的支柱のダンスビー・スワンソンといった、洗練されたリーダーたちが既に存在しています。
そこにブレグマンが持ち込むのは、周囲の能力を最大限に引き出すために情報を隈なく集める、研ぎ澄まされた姿勢――エッジ(鋭さ)です。
穏やかなリーダーシップが主流だったチームに、彼の強烈な情熱が加わることで、カブスの勝利への意欲は劇的に加速することでしょう。
数字の裏側:ケガからの完全復活と2025年の真実
2025年シーズンの最終成績(打率.273、18本塁打)だけを見て、ブレグマンの全盛期が過ぎたと判断するのはあまりに性急です。
詳細なデータが物語るのは、シーズン中に右大腿四頭筋を負傷したことによる「前後」の劇的なコントラスト。
- 負傷前(5月23日まで): 打率.299、OPS .998
- 復帰後(7月以降): 打率.250、OPS .724(最終63試合)
負傷前の彼は、まさにキャリアハイ更新かというほどに圧倒的な輝きを放っていました。その後の失速は明らかに足の状態に起因するものであり、現在のコンディションは万全そのものです。
ブレグマン自身、オフに受けた精密検査の結果を振り返り、自らの足を ”新品同様(Brand new)” と形容しています。
2026年、健康体を取り戻した彼が、あの「OPS .998」を記録した当時の破壊力をリグレー・フィールドで再現する可能性は、極めて高いと言わざるを得ません。
名将カウンセルが認める「稀有な資質」
カブスのクレイグ・カウンセル監督は、ブレグマンという個性を次のように定義します。
これほどのレベルに到達した選手でありながら、自らの思考プロセスを言語化し、それを他者の助けへと転換できる能力――。これは、スポーツ界において極めて稀な特性だ。
自らのプレーでチームを牽引し、同時に若手の才能を鮮やかに開花させる。
アレックス・ブレグマンという勝利の術を知り尽くしたリーダーを得たカブスは、昨年の地区シリーズ進出を単なる踏み台に変え、さらなる高みへと駆け上がれるでしょうか。
これからシカゴのファンが目にしようとしているのは、単なるスター選手の加入ではなく、チームの文化そのものが進化を遂げる歴史的な転換点なのかもしれません。
