こんにちは!
ちょっかんライフです。
日常のなかで、直観レーダーにピピピッと引っかかったアレコレを取り上げるページ。
今回本記事では、メジャーリーグ(MLB)のドラフト会議で、ここ15年の間に全体1位指名を受け各球団と契約を交わした選手をPickup。
それぞれの契約金と、その後の活躍状況も含めて調べてみました。
どうぞ最後までお付き合いください。
MLBドラフト会議1位指名選手
MLBの歴史において、アマチュア野球選手を対象とした”新人選手選択会議”が開かれたのが1965年。
そこで、「MLBドラフト全体1位」として一番最初に指名された選手は、これまで60名。
このうち、2010年から2024年にかけて全体1位となった対象者はというと、野手が15名、投手が5名の総計15名でした。
ということで、さっそく見ていきましょう!
ドラフト全体1位指名選手 2010~2024
【野手】
年度 | 名前 | 指名球団 |
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2010 | ブライス・ハーパー | ワシントン・ナショナルズ |
2012 | カルロス・コレア | ヒューストン・アストロズ |
2015 | ダンズビー・スワンソン | アリゾナ・ダイヤモンドバックス |
2016 | ミッキー・モニアック | フィラデルフィア・フィリーズ |
2017 | ロイス・ルイス | ミネソタ・ツインズ |
2019 | アドリー・ラッチマン | ボルチモア・オリオールズ |
2020 | スペンサー・トーケルソン | デトロイト・・タイガース |
2021 | ヘンリー・デイビス | ピッツバーグ・パイレーツ |
2022 | ジャクソン・ホリデイ | ボルチモア・オリオールズ |
2024 | トラビス・バザーナ | クリーブランド・ガーディアンズ |
【投手】
年度 | 名前 | 指名球団 |
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2011 | ゲリット・コール | ピッツバーグ・パイレーツ |
2013 | マーク・アペル | ヒューストン・アストロズ |
2014(※) | ブレイディ・エイケン(※) | ヒューストン・アストロズ |
2018 | ケイシー・マイズ | デトロイト・タイガース |
2023 | ポール・スキーンズ | ピッツバーグ・パイレーツ |
【野手】契約金とその後
ブライス・ハーパー(2010年)
ドラフト指名球団:ワシントン・ナショナルズ
生年月日:1992年10月16日(32歳)
学歴:サザン・ネバダ大学
契約金 | 日本円(当時レート年平均で換算) |
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契約金は625万ドル、契約総額990万ドル+出来高(最大100万ドル)払いの5年(365万ドル)契約 | 契約金約5億5000万円、総額約8億7120万円+出来高(最大8800万円)払いの5年(約3億2120万円)契約 |
<petit情報> 現在MLBで活躍する選手では、同年ドラフト全体3位のマニー・マチャドが525万ドル | 全体3位マニー・マチャド 約4億6200万円 |
指名後の野球人生 |
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2012年、史上2人目10代で20本塁打達成しナ・リーグ新人王に。2019年フィリーズ移籍時は、NBAのスーパースター、レブロン・ジェームズの記録を超え、発表から24時間で試合チケット10万枚、ユニフォームは2日間で米プロスポーツ史上最高売上げを達成。さらにチームグッズは前年同期比5000%増の収益を記録。これまでシルバースラッガー賞4回、リーグ優勝決定シリーズMVP、ハンク・アーロン賞2回ほか、表彰/記録とも数知れず。 |
カルロス・コレア(2012年)
ドラフト指名球団:ヒューストン・アストロズ
生年月日:1994年9月22日(30歳)
学歴:プエルトリコ野球アカデミー
契約金 | 日本円(当時レート年平均で換算) |
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480万ドル | 約3億8400万円 |
指名後の野球人生 |
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プエルトリコ出身で史上初のドラフト全体1位指名。3年後メジャーデビューを果たし、2年連続で20本塁打を記録。21年自身初となるゴールドグラブ賞とプラチナ・ゴールド・グラブ賞を受賞。25年現在、ツインズ所属。 |
ダンズビー・スワンソン(2015年)
ドラフト指名球団:アリゾナ・ダイヤモンドバックス
生年月日:1994年2月11日(31歳)
学歴:ヴァンダービルト大学
契約金 | 日本円(当時レート年平均で換算) |
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650万ドル | 約7億8000万円 |
<petit情報> 現在MLBで活躍する選手では、同年ドラフト全体2位のアレックス・ブレグマンが590万ドル、全体5位のカイル・タッカーで400万ドル | 全体2位アレックス・ブレグマン 約7億800万円 全体5位カイル・タッカー 約4億8000万円 |
指名後の野球人生 |
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プロ入りして間もなくブレーブスへトレード移籍。翌16年には飛び級でメジャーデビューを飾り、レギュラー起用。これまで遊撃手部門で2回ゴールドグラブ賞を受賞。23年シーズンから現在までカブス所属。上記のカイル・タッカーとは2025シーズンからチームメイトに。 |
ミッキー・モニアック(2016年)
ドラフト指名球団:フィラデルフィア・フィリーズ
生年月日:1998年5月13日(27歳)
学歴:ラコスタ・キャニオン高等学校
契約金 | 日本円(当時レート年平均で換算) |
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610万ドル | 約6億7100万円 |
指名後の野球人生 |
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高卒ドラフト指名から5シーズン目途中でメジャーデビュー。22年移籍先のエンゼルスでは、”大谷翔平大好きっコ” でも知られた存在。24年、成績が低迷し同球団を自由契約となった今シーズン(2025年)、新天地ロッキーズで開幕ロースター入りを果たしている。 |
ロイス・ルイス(2017年)
ドラフト指名球団:ミネソタ・ツインズ
生年月日:1999年6月5日(25歳)
学歴:Jセラ・カトリック高等学校
契約金 | 日本円(当時レート年平均で換算) |
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672万5000ドル | 約7億3975万円 |
指名後の野球人生 |
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ドラフト指名により大学進学予定を変更してプロ入り。翌18年MLB.com発表のプロスペクトランキング13位。球団生え抜きとしてプレーする中、21年春季トレーニングで右膝の前十字靭帯を断裂。次の年にメジャーデビューするも再び前十字靭帯断裂というアクシデントに見舞われた。2025年現在(6月初旬)で21試合出場、打率.127。 |
アドリー・ラッチマン(2019年)
ドラフト指名球団:ボルチモア・オリオールズ
生年月日:1998年2月6日(27歳)
学歴:オレゴン州立大学
契約金 | 日本円(当時レート年平均で換算) |
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810万ドル ※当時、MLB史上最高額を更新 | 約8億9100万円 |
<petit情報> 現在MLBで活躍する選手では、同年ドラフト全体2位のボビー・ウィットJr.が778万7400ドル | 全体2位ボビー・ウィットJr. 約8億5660万ドル |
指名後の野球人生 |
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プロ入りから4シーズン目の5月にメジャー昇格。22年オフに全米野球記者協会(BBWAA)による最優秀新人選手賞では2位にランクイン。これまでオールスターゲーム2回選出。23年シーズンはア・リーグ捕手の中でトップの成績をマークし、自身初となるシルバースラッガー賞を受賞。24年後半から2025年前半途中(6月初旬)にかけては、やや不調か。 |
スペンサー・トーケルソン(2020年)
ドラフト指名球団:デトロイト・タイガース
生年月日:1999年8月26日(25歳)
学歴:アリゾナ州立大学
契約金 | 日本円(当時レート年平均で換算) |
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841万6300ドル | 約9億2580万円 |
指名後の野球人生 |
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高校ではドラフト指名に掛からず大学へ進学。通算54本塁打を放ち大学最強スラッガーとしての地位を築く。21年にタイガース傘下のチームでプロデビューし、翌22年メジャー昇格。23年は31本塁打と実力を発揮したが、昨季2024年は打率.219、10本塁打にとどまりマイナー降格も経験。今季(6月初旬)は58試合で打率.235、ホームラン14本はチームトップ。 |
ヘンリー・デイビス(2021年)
ドラフト指名球団:ピッツバーグ・パイレーツ
生年月日:1999年9月21日(25歳)
学歴:ルイビル大学
契約金 | 日本円(当時レート年平均で換算) |
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650万ドル | 約7億1500万円 |
指名後の野球人生 |
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高校最終年に打率.441でニューヨーク州最優秀選手賞を受賞するも、同年ドラフトで指名がなく大学進学。プロ入りから3年後の23年にメジャーデビューを果たす。ただ好成績は残せず、24年は37試合で打率.144と低迷しシーズン途中にマイナー降格。25年は6月初旬までで控え捕手として22試合に出場、打率.197。 |
ジャクソン・ホリデイ(2022年)
ドラフト指名球団:ボルチモア・オリオールズ
生年月日:2003年12月4日(21歳)
学歴:スティルウォーター高等学校
契約金 | 日本円(当時レート年平均で換算) |
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819万ドル ※高校生ドラフト史上最高額 | 約10億6470万円 |
指名後の野球人生 |
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高校時代からU-18のUSA代表選出、1試合3本塁打、1イニング2本塁打など華々しい活躍で注目を集めたスター選手。昨季24年にメジャーデビューした際は結果を残せず一度マイナー降格した経験も。再昇格した7月末にメジャー初本塁打となる満塁ホームランを記録。2025年は6月初旬で打率.269、7本塁打、OPS.759と調子は上向き傾向。 |
トラビス・バザーナ(2024年)
ドラフト指名球団:クリーブランド・ガーディアンズ
生年月日:2002年8月28日(22歳)
学歴:オレゴン州立大学
契約金 | 日本円(当時レート年平均で換算) |
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895万ドル | 約13億4250万円 |
Embed from Getty Images 2024年
7月14日、MLBドラフト1巡目1位指名選手として発表。
プロフィール |
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オーストラリア、シドニー出身で、2022年よりアメリカへ渡り大学進学。オーストラリア出身者がメジャーリーグで全体1位指名されたのは史上初であり、また進学先のオレゴン州立大から全体1位指名されたのは、前出の2019年アドリー・ラッチマン以来。今後のメジャー昇格に期待がかかる。 |
【投手】契約金とその後
ゲリット・コール(2011年)
ドラフト指名球団:ピッツバーグ・パイレーツ
生年月日:1990年9月8日(34歳)
学歴:カリフォルニア大学ロサンゼルス校
契約金 | 日本円(当時レート年平均で換算) |
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800万ドル | 約6億4000万円 |
<petit情報> 現在MLBで活躍する選手では、同年ドラフト全体8位のフランシスコ・リンドーアが290万ドル、全体9位のハビアー・バエズは262万5000ドル、現NPB所属で全体3位だったトレバー・バウアーで340万ドル | 全体3位トレバー・バウアー 約2億7200万円 全体8位フランシスコ・リンドーア 約2億3200万円 全体9位ハビアー・バエズ 約2億1000万円 |
指名後の野球人生 |
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ドラフト後2013年までにメジャー昇格となれば総額900万ドル以上となる契約でプロ入りし、実際13年6月にMLBデビュー戦で勝利投手となり、そこから4連勝を飾る。最多勝利1回、最多奪三振と最優秀防御率ともに2回のタイトルを誇り、23年にはサイヤング賞を受賞。球界屈指の名ピッチャーとなったが、2025年シーズンはトミー・ジョン手術のため全休となる。 |
マーク・アペル(2013年)
ドラフト指名球団:ヒューストン・アストロズ
生年月日:1991年7月15日(33歳)
学歴:スタンフォード大学
契約金 | 日本円(当時レート年平均で換算) |
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635万ドル | 約6億2230万円 |
指名後の野球人生 |
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名門スタンフォード大学経営科学・工学部で経営科学と工学の学位を取得。鳴り物入りで入団するも結果が残せず26歳でいったん現役引退を表明。「MLB史上最大の失敗作」と揶揄され、当時うつになったことを告白。21年に3年ぶりの現役復帰を果たし9年目にして初のメジャー昇格。2シーズンプレー後、23年開幕前に自由契約へ。25年現在、米国発祥のスポーツ「ピックルボール」の施設、Bumpy Pickleでマネージングメンバーとして組織運営にかかわっている。 |
当時ひどい試合が続き精神的に参ってしまいロッカールームの壁を壊したこともSNSで告白。It’s Okay to Not Be Okay
— Mark Appel (@markappel26) September 17, 2021
In 2014, I experienced depression for the first time in my life.
After a stretch of terrible games, I broke down and destroyed a locker room wall.
When the dust settled (figuratively and literally), even though I wasn't okay, I knew my life would be. pic.twitter.com/2WNy6ImVqm
ブレイディ・エイケン(※2014年)
ドラフト指名球団:(1位)ヒューストン・アストロズ→(17位)クリーブランド・インディアンス
生年月日:1996年8月16日(28歳)
学歴:カテドラル・カトリック高等学校
契約金 | 日本円(当時レート年平均で換算) |
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※2015年全体17位での契約金 251万3280ドル | 約3億160万円 |
指名後の野球人生 |
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2014年契約不成立ケース。高卒で指名されるも身体検査で右肘炎症が見つかり、提示金額も低く抑えられたことから契約には至らず(全体1位指名での入団拒否は史上3人目)。トミー・ジョン手術後、翌年ドラフトで別球団から全体17位で指名を受けたものの、メジャー昇格はおろか公式戦での登板もなく、21年10月に自由契約に。 |
ケイシー・マイズ(2018年)
ドラフト指名球団:デトロイト・タイガース
生年月日:1997年5月1日(28歳)
学歴:オーバーン大学
契約金 | 日本円(当時レート年平均で換算) |
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750万ドル | 約8億2500万円 |
指名後の野球人生 |
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契約後は傘下のルーキー級でプロデビュー。3年目の2020年夏にメジャー昇格となり、同年MLB.com選定のプレシーズン有望株ランキングで7位に。22年、2試合に先発登板したあと右肘を痛めトミー・ジョン手術を経験。復帰の24シーズンは22試合登板の20先発で2勝6敗、勝率.250、防御率4.49。今季25年6月初旬現在、9試合先発で6勝1敗、防御率2.82と復調の兆し。 |
ポール・スキーンズ(2023年)
ドラフト指名球団:ピッツバーグ・パイレーツ
生年月日:2002年5月29日(23歳)
学歴:ルイジアナ州立大学
契約金 | 日本円(当時レート年平均で換算) |
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920万ドル ※MLBドラフト史上最高額 | 約12億8800万円 |
指名後の野球人生 |
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大学の時から160キロを超える速球を投げ、メンズ・カレッジ・ワールドシリーズで優勝し最優秀選手賞(MVP)を受賞。契約後は大学時代の疲労への配慮を受け、いったん傘下のルーキー級からプロデビュー。2024年はオールスター選出、新人王を獲得。今シーズンは6月初旬でナ・リーグ防御率2位に浮上。千賀滉大、山本由伸らとトップ争いを繰り広げている。 |
以上、MLBドラフト会議における、ここ15年間の全体1位指名選手を紹介してまいりました。
スタート時点からNPBとはけた外れの契約金、しかも年々その額は高騰しているということ、けれどもそれと同時にメジャー昇格までの道は果てしなく、また何よりメジャーリーグに上がっても第一線で活躍する選手はほんの一握りという現実に圧倒されますね。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。