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MLBドジャース打撃コーチは2人体制!それぞれの個性と違いを徹底検証

MLB

こんにちは!

ちょっかんライフです。

今回も一人暮らしの直観レーダーにピピピッと引っかかったアレコレを取り上げてまいります。

2018年12月、ロサンゼルス・ドジャースは2019年シーズンからデイブ・ロバーツ監督を支える新コーチらを発表。

就任したのは現三塁/外野コーチのディノ・エベル氏ほか、打撃コーチのロバート・ヴァン・スコヨック氏、そしてアシスタント打撃コーチのアーロン・ベイツ氏を含む4人の面々でした。

そして2025年現在、ドジャースの打撃コーチは2人体制に。ヴァン・スコヨック氏に加え、以前アシスタント打撃コーチだったベイツ氏です。

今回本記事ではこちらの二人に注目し、それぞれが歩んできた現職までの道をたどっていきます。

どうぞ最後までお付き合いください。

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ロサンゼルス・ドジャース/コーチングスタッフ

ドジャースのコーチングスタッフを見渡すと、アシスタントピッチングコーチでメカニクスの第一人者とされるコナー・マクギネス氏から、分析のオーソリティとしてずば抜けた才能を誇る無表情(笑)ベンチコーチ、ダニー・レーマン氏まで、みんな肩書ごとに1人の人員配置です。

通常とは異なる配置人事ということは各打撃コーチの個性も、強みも、求められるスキルも、まったく別モノなのでしょうか・・。

◆ 基本情報と略歴

生年月日:1986年11月16日(38歳)
出身地:アメリカ合衆国カリフォルニア州バレンシア
背番号:72

ヴァン・スコヨック打撃コーチは2010年代後半からメジャーリーグに旋風を巻き起こした「フライボール革命」の先駆者とも言うべき存在。

これは、一直線に飛ぶライナーよりもボールを高く打ち上げた方がヒットや本塁打の確率が高く、長打率も上がりやすいというデータ分析に基づき、フライボールを積極的に狙っていく戦略。

当時30歳のヴァン・スコヨック氏が、40ほど年齢の離れた打撃コンサルタントのクレイグ・ウォーレンブロック氏とともに広めた野球理論で、それまで球界で長く信じられてきた常識を覆す打撃手法でした。

2018年暮れにロバート・ヴァン・スコヨック氏の名前がドジャースコーチ陣の一人として挙がった際には米メディア各社はこぞって、そのユニークな採用を記事で取り上げています。

中でも特異なケースとしてあがったのが、彼にはメジャー経験はおろかマイナーでのプレー経験もないという異色の経歴でした。

クエスタ大学まで野球を続けたロバート・ヴァン・スコヨック青年でしたが、卒業後に選んだ進路はプロへは進まず指導者の道を志すというものーー。

◆ メジャーリーグ・コーチへ

Embed from Getty Images 2019年
試合前の打撃練習を見守る。

少年野球の打撃指導や高校や大学でのコーチ、プロの打者へのスウィング改善支援などを経て2016年、当時から新理論に積極的だったドジャースに招かれ、師匠のウォーレンブロック氏と共に打撃コンサルタントとして2シーズンを過ごします。

それから彼は2018年、ダイヤモンドバックスの新しい役職「打撃ストラテジスト(戦略家)」に就き、試合中のフィールドや打撃練習ケージ、さらにはビデオルームで常時バッターのスウィング分析と解析を行い、選手の個別データに基づく打撃アプローチの指導につとめました。

それらの実績が買われて再びドジャースからお声が掛かり、現在に至るというわけです。

◆ 選手への打撃サポートによる功績

J・D・マルティネス 1987年8月21日(37歳)
打撃改造サポートの結果、タイガース2014年に打率.315、23本塁打、76打点とブレイク。2015年にはア・リーグ8位となる38本のホームランを放ちメジャー屈指のスラッガーへと急成長。18年レッドソックス打線の主軸として打率.330、出塁率.402、長打率.629をマーク、オールスターに選ばれシルバースラッガー賞受賞、リーグMVP投票4位に入る強打者へと変貌。
2024シーズンをメッツでプレーしたのち、2025年現在は米国発祥の新スポーツ「ピックルボール」への挑戦を表明。
ジャスティン・ターナー 1984年11月23日(40歳)
2014年マイナー契約でドジャースに移籍後フライボール理論を実践しみるみる成績を伸ばす。30歳にしてメジャーに定着しレギュラーを不動にすると、17年には史上最多票を集めオールスターゲームに初選出。リーグチャンピオンシップシリーズのMVPにも選ばれた。
2015年現在はカブスに在籍。
クリス・テイラー 1990年8月29日(34歳)
マリナーズから移籍してきた2016年まではロースターに残れるかどうかの瀬戸際に立っていたが、2017年に長打力が向上。140試合の出場で、打率.288、21本塁打、72打点、17盗塁と覚醒。ナ・リーグ優勝決定シリーズではMVPを獲得する飛躍ぶりでドジャースのワールドシリーズ進出に貢献。
2025年5月ドジャースDFA、現エンゼルス所属。
コディ・ベリンジャー 1995年7月13日(29歳)
2017年途中にマイナーからメジャーへコールアップ。132試合に出場して打率.267、39本塁打は当時のナ・リーグのシーズン新人本塁打記録を更新、同年オフにはヤンキースのアーロン・ジャッジと共に満票で新人王を受賞。
2025年現在、ヤンキース所属。
Embed from Getty Images 2024年
ネクストバッターズサークルに入る前のオオタニとデータ検証。

◆ コーチング理論の進化とともに

最新の現代野球に目を向けると、MLBにおけるフライボールレボリューションはその存在を未だ維持しているようです。

特に、STATCAST(スタットキャスト)などのデータ分析技術の進歩により、打球角度と結果との相関関係が明確になり、フライボールを狙う戦略は広く普及しました。

ただ一方で、この革命は常に進化し続けていて、近年ではそれだけではなく*バレルゾーンへのスウィングを重視する傾向も強まりコーチとスマートデバイス片手に、相手の研究はもちろん自身のデータ収集に励む選手がよりいっそう目立ってきた印象も…。

バレルゾーンとは?:
バットとボールの接触部分で最もパワーが伝わる箇所を指し、ここを狙ってスイングすることで打球速度をUPさせ本塁打を狙うことができます。これはフライボール革命の進化バージョンとしてより長打力重視型の傾向と言えるかもしれません。

さて、2025年現在のヴァン・スコヨック打撃コーチですが、昨シーズン以来、室内練習する選手を担当することが増え、屋外フリー打撃はもう1人のアーロン・ベイツコーチがタブレット端末で撮影しながら見守ることが多く、両者間での役割分担がなされているようです。

◆ 基本情報と学生時代

生年月日:1984年3月10日(41歳)
出身地:アメリカ合衆国ニューヨーク州マンハッタン
背番号:98

アーロン・ベイツ氏の学生時代はというと、高校でアメフトと野球の両競技に関わり、最終学年にはフットボールチームのクォーターバックを務め25年ぶりのタイトルを獲得。のちに母校のハイスクールで殿堂入りを果たしています。

さらにノースカロライナ州立大に進むと2度のオールアメリカン選出、サンノゼ州立大ではフレッシュマン・オールアメリカンに選ばれ、05年には夏季リーグのオールスター・ホームラン・ダービーで優勝するなど大学野球でも活躍。

将来有望な身体能力バツグンの選手だったようです。

Embed from Getty Images 2010年
レッドソックス時代。

◆ プロ野球選手としてのキャリア

2003年、ドラフト3位で指名されたベイツ氏はボストン・レッドソックスに入団。傘下のチームで経験を積み、4年目の夏にメジャーデビュー

しかし次のシーズン途中で*ロースター40人枠から外れると、翌2011年3月にはレッドソックスを解雇となり、その後はツインズ、カージナルスと移籍しますが、いずれもマイナー契約で単年を過ごすにとどまりました。

ロースターとは:
試合に出場できる選手登録枠のこと。26人枠と40人枠があり、40人枠はチーム支配下の選手数、26人枠は実際に試合出場できる選手数を指
します

そして選手時代のベイツ氏ですが、じつはドジャースとも縁があり、2014年1月にマイナー契約を結んだことも。ただシーズンの大半を故障者リスト入りで過ごし、わずか11試合の出場、打率.176に終わっています。

Embed from Getty Images 2020年
ドジャースメジャーリーグのアシスタント打撃コーチ時代。

◆ コーチングスタッフとして輝く

アーロン・ベイツ氏は2015年に現役を引退しましたが、そのすぐあとにアリゾナリーグ・ドジャースアシスタントコーチに抜擢されます。

2017年には*シングルAの傘下チームで打撃コーチに任命され、翌2018年はマイナーリーグのコーディネーターも兼任するように。

MLBのマイナーリーグにおけるシングルA、AA、AAAとは?
選手のレベルを示す格付けで、トリプルA(AAA)が最上位、ダブルA(AA)がその下、シングルA(A)が最下位。スキルや経験に応じたチームに所属しメジャーへのステップアップを目指します。
AAA (トリプルA):
マイナーリーグの最上位で、メジャーとほぼ同レベルの選手が所属。メジャーリーグの調整や控え選手として活躍することも多い。
AA (ダブルA):
AAAの下に位置し、将来性のある有望な選手が所属。AAAへのステップアップを目指す。
A (シングルA):
AAの下に位置し、ルーキーや若手選手が所属。メジャーへの道のりをスタートさせるための基礎を築く場所。

そして記事冒頭でも触れたとおり、2019年シーズンのドジャース・メジャーリーグのアシスタント打撃コーチに就任。

2023年シーズンからは、先のヴァン・スコヨック氏との共同打撃コーチへと昇格しました。

また昨季オフ、2024年に大谷翔平選手が成し遂げた前人未到の「50‐50」達成に至るプロセスについてMLBのインタビューに応じたベイツ打撃コーチ。

初めて接する大谷を前に、同選手にはゲームの準備段階でいくつかの確認事項や要点チェック、対戦データや録画ヴィデオなど、入念に目を通す ”独自ルーティン” があることを知ったのだそう。

そこでベイツ氏はワンシーズン中ずっと、その確立された試合前の段取りに対し一切口を出すことは控え、静かに見守ることを徹底してきたと明かしていました。

そのようなスタンスと環境づくりが、あのエポックメーキングな不朽の業績をサポートしたとも言えそうです。

 最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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