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MLBドジャースは最年長ラインナップ⁈どうなる?ベテラン主力打線の来季戦略

MLB

こんにちは!

ちょっかんライフです。

日常のなかで、直観レーダーにピピピッと引っかかったアレコレを取り上げるページーー。

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ここ1~2年のドジャースのラインナップを見てみると、まず目につくのは、トップ3選手がいずれもMVP受賞者であり将来の殿堂入り候補だということです。

しかし今回は、もう一つ着目したいポイントがあります。

2025年シーズン、チームのレギュラークラスの打線は ”30歳以上の選手” が中心となっていたため、スタメン平均年齢 = リーグで最も高齢という結果につながりました。

経験値の厚みはMLB随一、…けれどもそれに比例して、時の流れは止められない…。

特に主力のベッツ、フリーマン、テオ、マンシー、このベテラン4人にドジャースはどんな期待を寄せ、2026年をどのような戦略で臨もうとしているのでしょう?

詳しく見​​ていくことにします。

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ドジャース主力ラインナップの構図

2024-2025シーズンのドジャースは、異例の30代半ばに差し掛かる選手を打線の核に据えたラインナップ。

それでワールドシリーズ2連覇を果たした極めて稀有なチーム。

しかもその成功は単にベテランを起用するだけでなく、高い年齢層にもかかわらずその誰もがキャリアの最盛期に近いパフォーマンスを維持しチームの勝利に貢献した点にあり、

これは特筆に値します。

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では、中核打線の年長者たちは2026年シーズンを何歳で迎えることになるのでしょう。

ベテラン勢の2026シーズン
  • ムーキー・ベッツ1992年10月7日生まれ→来年34歳
  • フレディ・フリーマン1989年9月12日生まれ→来年37歳
  • テオスカー・へルナンデス1992年10月15日生まれ→来年34歳
  • マックス・マンシー1990年8月25日生まれ→来年36歳

来季はここに次世代レイヤーの、

大谷翔平(1994年7月5日生まれ→来年32歳)、ウィル・スミス(1995年3月28日生まれ→来年31歳)、トミー・エドマン(1995年5月9日生まれ→来年31歳)といった、

選手としてピークを迎える、またはピークにある年齢層を加えたハイブリッドな構成を予測。

実際のところ2025年オフ時点で、ドジャースのレギュラー陣のうち30歳未満の若手選手はアンディ・パへス(現在24歳)ただ一人。

そして熟年層4人の契約期間を見てみると、マンシーは来シーズン1年と発表されましたが、ヘルナンデスとフリーマンは2027年まで、ベッツにおいては32年までという長期取り決めです。

ベテラン野手 契約情報と推定年俸

選手名契約期間契約総額2025年推定年俸契約のポイント
ムーキー・ベッツ2020年〜2032年 (12年間)3億6500万ドル (約390億〜406億円)約3041万ドル (単年換算)2020年契約延長、当時MLB史上有数の高額契約
フレディ・フリーマン2022年〜2027年 (6年間)1億6200万ドル (約186億円)約2700万ドル (単年換算)入団時の契約で平均年俸2700万ドル
テオスカー・ヘルナンデス2025年〜2027年 (3年間)6600万ドル (約103億〜104億円)1000万ドル (うち750万ドルが後払い)2024年オフに再契約、年俸の一部が後払い条項含む
マックス・マンシー2024年〜2025年 (2年間)2400万ドル (2023年延長時)1000万ドル (球団選択権行使)球団側クラブオプション行使、2026年までの残留発表
※為替レートは変動しますが、表では契約時情報や直近報道に基づく数値を使用

そんな彼らですが、一年一年、時を重ねてもなおハイパフォーマンスを維持することは可能なのでしょうか。

MLB全体から見た年齢と打線パフォーマンス

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MLB全体で見ると、かつては野手が30代後半まで活躍し続けるのが一般的だったそうですが、その傾向は薄れつつあるようです。

薬物使用を取り締まるPED検査や、投手の球速とボール回転の急激な進化などが、野手のキャリア後半のパフォーマンスに影響を及ぼすようになったと考えられるから…。

それでも、

2020年以降、特に30代中盤でも高い打撃力を保持する選手は、数は限られるものの確実に存在します。

J.D.マルティネス(35-36歳)はドジャース時代にOPS+135、33本塁打、ネルソン・クルーズ(39-40歳)は40歳でOPS+170級を叩き出し、ともにDH中心で歴史的打力を維持。

ドジャースの ”長方形ボディ男 Rectangle Body Guy” ことマックス・マンシーの2025年は、35歳でwRC+137を記録、打率は低めでも選球眼+長打力で打線に厚みを与えました。

wRC+Weighted Runs Created Plus
ある打者がリーグの平均的打者と比較して、どれだけ多くの得点を創出しているかを測ります。
リーグ平均100を標準値として、それ以上であれば平均以上の打撃力ということ。
例:wRC+130ならリーグ平均よりも30%多く得点創出したことを意味
します。

OPSOn-base Plus Slugging)とOPS+On-base Plus Slugging Plus
OPS:「出塁率+長打率」で打者の得点力を示す指標。
.900以上 → 一流打者
.800前後 → 上位打者
.700前後 → 平均的打者
OPS+:OPSをリーグ平均や球場環境で補正したもの。
100 → リーグ平均
120 → 平均より20%優れている
80 → 平均より20%劣っている

またMLBにおいて、年齢的なピークを超え 3.0WAR以上を残すのは歴史的にもレアケース。

通常は加齢にともない数値が下降線をたどるものですが、打撃技術や選球眼に長けたプレーヤーはキャリア半ばを過ぎても高水準を維持できるようです。

Baseball-Reference で2020年以降に33歳以上の野手がシーズン5.0 bWAR(Baseball-ReferenceのWAR)以上を達成した事例を確認するとーー。

5.0 WAR達成者リスト

達成シーズン選手名年齢(当時)WAR (bWAR)特記
2025年アーロン・ジャッジ33歳5.4MVP級(実際に受賞)の活躍、長打力と守備も評価
2024年フレディ・フリーマン34歳5.5
2023年フレディ・フリーマン33歳6.0打率.331、OPS.976でリーグ屈指の安定感!
2022年ポール・ゴールドシュミット34歳7.8MVP受賞シーズン、打率.317、OPS.981
2021年ポール・ゴールドシュミット33歳5.1
2021年ブランドン・クロフォード34歳6.1打率.298、OPS.895、守備指標も高評価

2025年シーズン終了時の最新データでは5.4 WARを記録したアーロン・ジャッジも当リストの仲間入りを果たしました。

特筆すべきはフレディ・フリーマンとゴールドシュミットで、共に2年連続の達成。

フリーマンの2023年、33歳での「6WAR」は平均を大きく上回るどころかMVP級の極めて特別な偉業と言えます。

WARWins AboveReplacement)
もしその選手ではなく、代替可能レベル(控え選手等)の選手を起用していた場合、それと比較してチームにどれだけ多くの勝利をもたらしたかを推定する指標のこと。端的に言えば、その選手がいないとチームは何勝少なくなるかという意味。
年齢に関係なくシーズン5.0WARを達成する選手は通常、リーグ全体で上位10〜15人程度。
つまり、33歳以上での達成はMLBでもトップクラスであることの証明です。

黄金の中軸2026年シーズン展望

ではここから先は、ドジャース黄金の中軸4人の2026年シーズンを直近成績(2025年スタッツ)と照らし展望していきます。

*成績(スタッツ)情報はすべてBaseball-Referenceデータを採用。

ムーキー・ベッツ

2025年:150試合、打率.258、OPS+104、wRC+103、bWAR4.9

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ベッツといえば、打撃の総合力、走塁、そして高いユーティリティ性すべてが揃ったスター選手。

2025年シーズンは、彼のキャリア平均からすると打撃面(特にハードヒット率とスプリントスピード)で大きな下降が見られました。

それでも、MLB全体で最も生産性の高い野手上位25名にランクインしており、

bWARが依然として高水準にあるのは、遊撃手(SS)への完全コンバートを遂行したうえ、それを高いレベルでこなした守備評価によるもの。

加えて、レギュラーシーズン最後の47試合でOPS.892と打撃を復調させた点も見逃せません。

2026年シーズンの展望
  • 打撃アプローチ
    ・OPS+104は、打率の低下や長打率の減少を物語るもので、年齢によるバットスピードの低迷が長打を生み出す能力に影響を与え始めていることを示しています。
    ・とはいえ、優れた選球眼と打席アプローチを生かしそれらの能力を維持できれば、もし打率や長打率が回復しなくても出塁率は確保され、wRC+を平均100以上に保つことは十分可能。
  • 守備力維持
    ・守備の質を維持し、出場試合数を確保できるかがbWARを高水準で維持する鍵となりそうです。
  • 経験値による質向上
    ・全盛期のようなパワーがなくても、試合の重要局面や勝負どころで結果を出すクラッチヒッティングや相手投手の配球読みなどで貢献度を高めることはできます。

ベッツの2026年は、技術と経験でどこまで補えるかが焦点となってくるでしょうか。

フレディ・フリーマン

2025年:147試合、打率.294、OPS+141、wRC+141、bWAR3.5

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2025年の成績から、フリーマンのOPS+141はリーグ平均100よりも41%も優れていることを示し、打者としては従来通りのエリート級をキープ。

攻撃面では空振りやストライクゾーン外のスイング(チェイス率)が増えたのは懸念材料ですが、

打球の速さ(ハードヒット率)や、バットの芯でボールを捉える巧さ(バレル率)は健在。

唯一の後退は守備面で、Statcast分析の指標 OAA(どれだけアウト捕球できたか)によると「-6」というデータが…。

これは彼のキャリアの中で2019年以来初めてマイナスに転じたシーズンとなり、平均的な一塁手よりも6アウト分少ない成果に終わったことを意味します。

2026年シーズンの展望
  • 打撃水準の維持
    ・チェイス率や空振り率が上がったのは不安要素ですが、打球の質(バレル率、ハードヒット率)は落としていないことから、スイングの低下があっても熟練した打撃技術と選球眼でカバーできることがわかります。
    ・よって急激な打撃成績の悪化は起きにくいと考えられ、wRC+は130~140の範囲で推移すると予測。
  • 守備指標OAAマイナスの影響
    ・守備貢献度OAA -6は、チームにとって無視できない数字。
    ・37歳を迎えるにあたり守備による負担とケガリスクを減らすため、一塁手としての出場頻度やポジション補正がかかるかに要注目。

2026年シーズンは、仮に守備面での貢献度が減っても、フリーマンが打席では相変わらず怖い存在でいられるかにかかってきそうです。

テオスカー・へルナンデス

2025年:134試合、打率.236、OPS+103、wRC+104、bWAR1.5

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クラブハウスでも、ファンにも人気、…テオの愛称で知られるテオスカー・へルナンデス

長打力は、25本塁打、ISO(長打率から打率を引いた値) .191(ISO .180以上は非常に優秀)で、リーグ全体でもトップクラスのパワーヒッターであることを示しました。

ただ、彼は例年その長打力を武器に高いOPS+を記録していましたが、2025年はキャリア平均よりやや低いバットパフォーマンスだったと言えます。

また、打撃貢献面ではwRC+104と平均をわずかに上回ったものの、守備と走塁のマイナスが響いて bWAR1.5に留まりました。

2026年シーズンの展望
  • 選球眼の改善
    ・キャリア最低の四球率4.8%で、出塁率が.284と大きく低下。
    ・四球率をキャリア平均の約7%に戻せれば、出塁率の大幅改善が見込め、OPSとwRC+の底上げが期待できます。
  • 守備範囲の補強
    ・右翼での守備範囲が狭く失点につながる場面も目立ったことから、ポジショニングや反応速度の改善もしくはシフトや交代要員の活用も考えられます。
  • 走塁判断力の安定
    ・(年齢を考慮し)積極的な盗塁を増やすのではなく、アウトにならない範囲で1つでも多く進塁し、攻撃チャンスを広げる判断力の体得。
    ・疲労を抑えつつ打球への反応速度(反射神経)を磨く、などが挙げられます。

2026年のテオは、中軸打者として出塁率を上げ、守備・走塁でのマイナスをどこまで補えるかが鍵となりそうです。

マックス・マンシー

2025年:100試合、打率.240、OPS+136、wRC+136、bWAR3.6

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2025年のマンシーはシーズンを通じ故障による離脱はあったものの、100試合という少ない出場数で高いWARを稼いでいます。

bWARは3.6に達し、これはWAR基準でいうオールスター級(4.0~5.0)に迫る非常に優秀なレギュラー選手レベル。

懸念材料となるのは、フィールドに留まる能力、つまり耐久性と健康リスク、そしてキャリアを通して平均以下とされる守備の低さにあるようです。

2026年シーズンの展望
  • 打撃力の維持
    ・優れた選球眼と長打技術により、打席あたりの得点創出能力 wRC+130以上は維持可能。
    ・2025年終盤にOPS1.082を記録した期間があり、打撃力は依然高キープ。
  • 役割の明確化
    ・トップレベルの打撃効率を誇る打者としてその役割を全うできれば、守備でのマイナスは許容されバッティングでの貢献に重点が置かれるはずです。
  • 勝利貢献度
    ・たとえ出場試合数が120試合程度にとどまったとしても、bWARは3.0~4.0の範囲を維持する可能性が高いです。
    ・これは年間を通じてチームの勝利数に直結する安定感を持つと同時に、部分的な起用でもポストシーズン進出に直結する戦力となり得るスキル。

マンシーは、多少のリスクはあっても限られた打席での勝利貢献度はピカイチ、来季あともう1年勝負強い打撃力に期待大です。


ここまで見てくるとチームの実態として、

「指名打者枠」は事実上、大谷翔平選手専用に固定化されていることから、

2026年以降もドジャースのベテラン野手陣にとってDH起用のチャンスはかなり限られる

というチーム事情もまた浮き彫りとなってきました。

この状況は、おそらく年長選手の登用方法と成績に大きな影響を与え続け、

フィールダーとしての負担軽減については、守備位置のローテーションや試合中のポジション固め、シフト配置に重点が置かれることになるかもしれませんね。

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