こんにちは!
ちょっかんライフです。
日常のなかで、直観レーダーにピピピッと引っかかったアレコレを取り上げるページーー。
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初のリーグ制覇でファンがフィールドになだれ込みカオスとなった時代。
今回はMLBナショナル・リーグ中地区所属のプロ野球チーム、ミルウォーキー・ブルワーズに着目。
対戦相手としての見どころやチームカラー、シーズン前半戦を振り返りつつ注目したい選手について紹介します。
どうぞ最後までお付き合いください。
※ 記事内の成績データは、日本時間6月28日時点での数値を表示しています。
MLB ミルウォーキー・ブルワーズ
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当時の名称であったミラー・パーク全景。
本拠地はアメリカンファミリー・フィールド
MLBミルウォーキー・ブルワーズの本拠地アメリカンファミリー・フィールド(American Family Field)は、他のルーフ付き球場とは形状が異なる ”扇型” の開閉式屋根を持つ天然芝の野球場。
球場名は、アメリカンファミリー保険が2021年から15年間の命名権を得たことにちなみます。2001年の開場以降20年の間は、大手ビール会社ミラーがネーミングライツ(名称使用権)を保有していたことから、ミラー・パーク(Miller Park)という名称で親しまれてきました。
天然芝の美しさもさることながら、球場周辺も緑に囲まれ「パーク(公園)の中のパーク(球場)」と言われています。
2025 前半戦までのチーム成績
ブルワーズにとって、現地6月27日(日本時間6月28日)に行われたロッキーズとの一戦は、今シーズンの折り返し地点を飾るに相応しい結果となりました。
ランナーが出塁するも3回まで無得点だったのが、その1イニング後の4回には3人の打者が出塁。
続くブライス・トゥラング(25歳)が2点タイムリーヒットで連続安打記録を11試合に伸ばします。
さらに打順をトップバッターに上げて以来、好調を維持するサル・フレリック(25歳)が1点を返し過去7試合で6度目の打点を記録。一気に6点を挙げ、当シリーズ第1試合目を10対6で勝利するに十分なリードを奪ってみせたのです。
この勝利はチームにとって過去13ゲーム中10勝目にあたり、と同時にブルワーズはこの日、過去35試合で186得点をマーク。この期間でそれを上回る得点を挙げていたのはドジャース(ナ・リーグ西地区首位)とレイズ(ア・リーグ東地区2位)の2チームのみでした。
その結果、5月最終週まで6.5ゲーム差の開きがあったのが、ナ・リーグ中地区首位とわずか2ゲーム差にまで肉薄。後半戦に向けトップのカブスに迫る勢いです。
2025 ブルワーズの注目選手
衝撃デビューの右腕ルーキー/ジェイコブ・ミジオロウスキー
まずは身長201cmの右腕から紹介しないことには始まらない、ブルワーズの超注目選手ジェイコブ・ミジオロウスキー(ミシオロウスキー)。
2022年のドラフト2巡目(全体63位)指名、契約金235万ドル(約3億550万円/当時レート)でプロ入りを果たした現在23歳。
2025年のシーズン途中にメジャー昇格すると、いきなりデビュー戦で5イニング無安打に抑える好投を見せ、ファンの度肝を抜きます。
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現地6月12日(日本時間13日)に鮮烈デビュー。
そして6月20日(日本時間6月21日)の試合では6回までをパーフェクトに抑え、先発投手のデビューから11イニング無安打という、1900年以来MLB初となる快挙を達成。
更にさらに快進撃は止まりません。現地6月25日(日本時間6月26日)球団本拠地のアメリカン・ファミリー・フィールドには今年最大の観客42774人が詰めかけ、若き投手二人のセンセーショナルな対決を目の当たりにしたのです。
ここでの「二人」とは、ブルワーズのミジオロウスキーと、昨季の新人王パイレーツのポール・スキーンズのこと。
この試合でスキーンズに投げ勝ったのはルーキーのミジオロウスキー。5回を投げて2安打2四球を許しながらも無失点で切り抜け、自己最多の8奪三振をマーク。一方のスキーンズはこの日、4回を投げて4安打2四球4失点で降板しました。
メジャー昇格後のジェイコブ・ミジオロウスキーは、これまで3試合に先発登板して防御率1.13。16イニングで、3被安打、7与四球、19奪三振、2失点。1回あたり1人以上の打者を三振に打ち取る計算となり、現時点で対戦相手の打率はわずか.061・・・。
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パイレーツ戦での圧巻の投球。
ミシオロウスキーとの対決を終え、パイレーツのドン・ケリー監督はひと言…
パワーアームだ、 “Power arm,”
続けてさらなる驚きを露わにしたのでした。
本当にすごい。ビデオで見て、そして実際に見ると、少なくとも横から見ると–ボックスからはどうやって見えるか想像つかないけど、横から見てみると–電撃的な衝撃が伝わってくる。ポール(スキーンズ)の投球ともすごく似てる。打つのはとても、とてつもなく難しい。“I mean, it’s impressive. You watch it on video, and then when you see it in person, at least from the side — I can’t imagine from the box what that looks like, but from the side — you can just see the electricity. Paul is very similar; very, very tough stuff to hit.”
バットの軌道を自らコントロール/サル・フレリックとブライス・トゥラング
近年、バットコントロールがある打者の価値が再評価されはじめています。
パワーヒッターの代名詞とも言えるホームラン数で個人成績上位に名前が挙がる、なんてことはまずないし、長打率だって抜きんでて高いわけではない…。
それでも今、投手レベルが飛躍的にアップしたことによる長打の出づらさ、加えてMLBルールが変更されたことで、 ”空振りが少なくバットにしっかりと当てることのできる打者” に脚光が当たるようになってきたのだといいます。
ブルワーズにおいてそのようなバッターの代表格に位置付けられるのが、前出のサル・フレリックとブライス・トゥラング両選手。
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イタリアにルーツを持ち選球眼に長けたサル・フレリック。
ともに25歳、ともにバットの軌道を自分でコントロールできる彼らですが、フレリックの三振率は13.0%(2024年MLB全体平均が約22.5%)、しっかりミートして三振をしない。
そして堅実にボールにバットを当て試合を進行させることができる。前半戦の成績ですが、ここまで打率.299はチームトップ、15盗塁はナ・リーグ10位タイ。
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出塁と機動力が自慢のブライス・トゥラング。
トゥラングもバットコントロールに優れた打者とされ、打率.283はチーム2位、16盗塁はパドレスのタティスJr.と並んでナショナルリーグ8位タイにつけています。
2025 ブルワーズ後半戦に向けて
さて、長打や本塁打、ハードヒットやパワーヒッターのみが重宝がられる時代ではなくなったとはいえ、過去5年のワールドシリーズ優勝チームはすべて ”シーズン本塁打数でリーグ4位以上” というのも紛れもない事実。
昨季の世界覇者ドジャースのチーム本塁打数は現段階で130本(全リーグ1位)、ミルウォーキーと同地区首位のカブスで120本(全リーグ3位)。
対するブルワーズは76本。これは全リーグ30球団のうちの25位(ナ・リーグ15球団中12位)。
その反面、チーム盗塁数97は全リーグ中レイズに次ぐ2位、ナ・リーグではカブスより1つ多いトップに立っているミルウォーキー・ブルワーズ。
今現在の戦い方でどこまで上を目指せるのか、地区首位奪取なるか…注目選手たちの活躍とともに後半戦も目が離せません。