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村上宗隆ホワイトソックス獲得劇!期限寸前48時間GMが明かす狂乱の内幕

MLB

こんにちは!

ちょっかんライフです。

日常のなかで、直観レーダーにピピピッと引っかかったアレコレを取り上げるページーー。

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3000万ドル台。そして、わずか2年。

日本が生んだ最強スラッガー、村上宗隆が新天地に選んだのは、市場の予想を裏切る「短期間」の、そしてシカゴ・ホワイトソックスというスモールマーケット球団でした。

事前の報道でも候補リストにさえ名前が挙がらなかったチームに、多くのファンが「なぜ?」と首をかしげほどの意外な結末。

しかしその内幕を紐解けば、

そこには極めて緻密なビジネス戦略と、日本人スカウトが長年温めてきた情熱、そしてポスティング期限ギリギリでの猶予なしのプロットが複雑に絡み合っていました。

MLB.comが報じた、ゲッツGMの独占インタビューをベースに、村上宗隆がシカゴの地を踏むまでの「空白の数時間」に何が起きていたのか、その真実を解き明かしていきましょう。

【解説】そもそもGM(ゼネラルマネージャー)って何をする人?

本文に入り前に、GMゼネラルマネージャー)の説明から。

メジャーリーグにおけるGMは、チームを編成しオーナー(経営陣)から予算を勝ち取る球団の『最高執行責任者』。

日本では監督が選手獲得に影響力を持つこともあるようですが、メジャーでは役割が完全に分かれています。

  • 監督: 預かった選手をどう使って「今日の試合に勝つか」を考える
  • GM: 誰を解雇し誰を数千億円で獲得して「数年後の黄金時代をどう作るか」を考える
  1. 「編成」という賭け
    GMの仕事の中心は、トレードやFAでの補強判断です。巨額投資が外れれば、責任を負うのは監督ではなくGMです。
  2. 「予算」というパズル
    GMは与えられた予算の中で、誰をどれだけ獲るかを決めなければなりません。その判断には、編成だけでなく予算をどう使うかという経営感覚も問われます。
  3. 「スカウト」という情報網
    GMは世界中のスカウトから届く膨大なレポートをもとに選手を評価します。その情報を頼りに一度も面識のない海外選手に巨額オファーを出す決断を下すこともあります。
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真夜中の報告 ー 村上獲得の瞬間

Embed from Getty Images 若き経営幹部クリス・ゲッツ氏(42歳)は元メジャーリーガー(二塁手)。

現地時間12月20日の深夜、日付が金曜から土曜に変わる頃。

ホワイトソックスの球団最高副執行役員 兼 GM(Executive Vice President / General Manager)クリス・ゲッツ氏は、就任以来最も重要で神経をすり減らすZoom会議を終えたところ。

相手は日本球界の大砲・村上宗隆選手と、敏腕エージェント集団のエクセル・スポーツ・マネジメント。

再建の真っ只中にあるチームにとって、村上はまさしく喉から手が出るほど欲しい ’パズルの最後のピース’ でした。

そして会議を終えたゲッツGMが真っ先に電話をかけた相手は、球団オーナーのジェリー・ラインズドルフ氏。

やりました、彼(村上)を獲れました

翌朝、チーム首脳陣が集まった際は、誰もが「本当に現実なのか? 昨夜、一体何が起きたんだ?」と、あまりの急展開と喜びに夢心地だったといいます。

Embed from Getty Images ゲッツGM(左)と村上宗隆選手のツーショット。

今回合意に至ったのは、2年総額3400万ドル(日本円で約51億円)。

実はこの金額、オフシーズン前の市場予想を大きく下回るものでした。

けれども契約内容自体は、ホワイトソックスと村上双方にとってお金以上の大きなメリットがあったのです。

ホワイトソックス側のメリット
  • 25歳という若さで、チーム再建の核となる存在を確保
  • 待望の「左の長距離砲」を即戦力として獲得
  • 村上選手をきっかけに、環太平洋圏日本市場など)の市場開拓にもつながる
村上選手側のメリット
  • 若返りを進める球団方針にマッチし、その中核にすぐ組み込まれる
  • あえて2年短期契約にすることで、メジャーの舞台で自分の価値即座に証明できる
  • 順調にいけば、27歳再びFA市場に出てさらなる巨額契約を狙える

ただ、村上選手の獲得は決して順風満帆なスタートではありませんでした。

ゲッツGMはMLB.comのロングインタビューで、むしろ「自分自身では無理だと確信していた」と語っています。

当初は諦めていたはずが、いかにして奇跡の逆転劇に転じたのか、その舞台裏には日本人スカウトの存在も影響していました。

ホワイトソックスの国際スカウト責任者デビッド・ケラー氏と、日本現地スカウトの高橋 賢史(たかはし さとし)氏は、かなり早い段階から日本で村上選手を徹底的にマーク。

MLB公式記事(和訳)では『Satoshi (智)』と表記ゆれ(誤字)がありますが、

実際に神宮球場で村上のスイング、守備、練習調整、さらには立ち居振る舞いまで、日々の積み重ねを丁寧に観察し、その視線の先にある野望に誰よりも早く気づいていたのが、この日本人スカウト。

高橋氏は何年にもわたり、データだけでは拾えない情報や軌跡を英語に翻訳し、村上という選手の「本質」を粘り強くホワイトソックス本部に伝え続けてきたのです。

膨大なレポートに目を通していたケラー氏とゲッツGMが、シーズン中に話し合った「今オフ、日本から市場に出る選手」という議題の中では、当然のように村上の名前が挙がっていました。

高橋 賢史(シカゴ・ホワイトソックス 国際スカウト)
高橋 賢史(たかはし さとし / Satoshi Takahashi)
早稲田大学大学院でスポーツデータ分析を学び、オリックスのアナリストを経て2025年現職へ就任。データ分析の知見と日本球界への深いネットワークを併せ持つ稀有な存在として、球団の日本戦略を最前線で支えるキーマン。

村上獲得に際しては、のちに米メディア『Sports Illustrated』などが、ゲッツGMが異例の形で “Satoshi Takahashi” の名を挙げ、その功績を称えたと報道。国際スカウト統括のケラー氏も「高橋氏の加入こそが、日本での交渉を現実のものにした」と最大級の謝意を示しており、フロント幹部から絶大な信頼を寄せられる“陰の立役者”として日米双方で注目を集める存在となっています。

しかしその実(じつ)、2025年シーズンを通し話し合いを重ねていたゲッツGMの本音はというと、驚くほどに弱気なものでした。

現実的なターゲットだとは思っていなかった。契約年数も金額も、噂レベルであまりに大きすぎたからね。我々にチャンスがあるなんてFA市場が開幕してからも思えなかったよ

12月にフロリダで開催されたウィンターミーティングの時点ですら、GMは「うちは獲れないだろう」と考え、他の一塁守備の選手を探していたといいます。

風向きが変わったのは、村上のポスティング期限(現地時間12月22日(月)午後4時)まで、残りわずか1週間となった時でした。

そこでゲッツは初めて「いけるかもしれない」と感じ、獲得の輪郭が徐々に現実味を帯び始め、

先ほどお伝えした、

深夜のZoom会議(12月19日(金)夜中 → 20日(土)未明 = この時点で、もう土曜に突入!)を経て、一気に契約へと突き進むことになったのです。

l 医療検査(MRI)をめぐる「コネ/人脈」の総力戦 

合意に達したものの、最大の壁は ’残り時間’ 。

デッドラインまでに契約を正式に完了させるには、詳細な身体検査(MRIなど)をパスしなければなりません。

が、村上がロサンゼルスからシカゴに到着したのは土曜日、期限直前の20日。

通常のプロセスでは、当日の病院予約(しかも米では休診が一般的な土日)→ 検査結果の精査というのは、ほぼ不可能な状況。

であるはずが、ここでゲッツGMは禁じ手とも言える ”個人的なネットワーク” を駆使します。

自らのコネを使って病院関係者の友人に連絡をとり、検査のねじ込み依頼をかけ、最速で受けられるように調整。

まさに時間との戦いだった。普段の契約プロセスではやらないようなことまでやって、ネットワークを総動員してなんとか間に合わせた

ホワイトソックスは、他球団があらゆる交渉条件を巡る算段に時間を費やしている隙に、超スピード対応で村上をかっさらったのです。土曜に飛行機から降りたばかりの彼をそのまま病院へと担ぎ込み即日で検査結果を出させたエピソードは、もはやタイムリミット・アクションの世界そのものでした。

組織が動く:村上が変えた球団の空気

FA選手の獲得は、一つの側面だけ見て決まるわけではありません。独占インタビューでは、選手補強を超えた球団経営としての戦略についても触れられています。

ゲッツGMは、この移籍が球団に与えるビジネス面でのインパクトをどう捉えていたのでしょう。

Embed from Getty Images 2025年
3月、レート・フィールド外壁に球団ロゴとワールドチャンピオンの日付が掲げられた。

同GMは、今回の交渉において「システム思考(systems thinking)」というアプローチをとりました。

これは、

野球部門(スカウト・育成・試合運営)のどの工程も互いに影響し合うように、ビジネス部門(経理、マーケティング、広報等)を含む球団全体も相互に連動し繋がっている

と考える手法です。

選手を獲得する時、その選手がビジネス面にどう影響するか。各部門がどう活用できるか。そうした視点が、ジェリー(オーナー)に我々の意向を説明し、実行に移す後押しになった

つまり、本塁打を量産するから獲るという単純な話ではなく、「彼が来ることで球団の収益構造やブランド力がどう変わるか」

というグランドデザインを提示したことが、オーナーの首を縦に振らせた決め手だったのです。

合意に至るまでのスケジュールも、綱渡りでした。

12月18日(木)、村上サイドと率直で誠実な話し合いを持ち、手応えを感じていたゲッツGM。

しかし、翌19日(金)の午後は、数ヵ月前から決まっていた講演の仕事があり、数時間ほど連絡が取れない状態になります。

その間に話が流れてしまう懸念もありましたが、金曜の夜に再び交渉が再開。例の深夜のZoom会議へと一気になだれ込んだのでした。

Embed from Getty Images ヴェナブル監督(43歳)も現役時代はパドレスなどで活躍した外野手。

その頃、ウィル・ヴェナブル監督は家族とニューヨークで休暇中。・・でしたが、合意に関する一報は睡眠時間を削られても十分な価値があったようです。

ゲッツから”動きがある”と電話が来て、気づいたらもう『契約成立』。私のところには電撃的にニュースが届いたけど、ムネ(村上選手)を獲れて最高にハッピーだ

ヴェナブル監督がすでにMune(ムネ)という愛称で呼んでいるのは、チームの歓迎ぶりが伝わってきて何とも微笑ましいですね。

最後にゲッツGMは、この契約を真の意味でのアップサイド(予想を超える上昇余地)と表現しています。

野球面でも、ビジネス面でも大きなインパクトがある。正直、想像以上の副産物(ポジティブな影響)がすでに起き始めているんだ

やはり、

村上選手獲得という決断は、単なる戦力補強にとどまらず、球団全体に影響を及ぼすビジネス投資でもあったのです。

再建期にあるホワイトソックスにとって、

  • 彼はブランド価値を押し上げる起爆剤となり得る存在
    であり、
  • 太平洋圏マーケットへの扉を開く可能性
    を秘めています。

そうした観点から見れば、まさに今回の判断は球団の経営ロジックを象徴するものだと言えるのかもしれません。

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