こんにちは!
ちょっかんライフです。
日常のなかで、直観レーダーにピピピッと引っかかったアレコレを取り上げるページーー。
2025年8月、ミルウォーキー・ブルワーズは球団史上、シーズン30試合連続で最高成績を収めました。さらに13連勝を実現し球団タイ記録のシーズン連勝記録を更新。
このように2025年終盤にかけては、ナ・リーグのブルワーズが目覚ましい好調ぶりを発揮していますが、近代MLBの歴史を紐解いてみると、ほかにも史上最高の記録を有するチームが存在します。
以下の輝かしいレガシーをご覧ください。
MLBポストシーズンの流れ
メジャーリーグでは、レギュラーシーズン終了後にワールドチャンピオンをかけたトーナメントが行われます。

記録の前に、プレーオフの段階を踏んだ進め方を知っておこう!
ワイルドカードシリーズ(WCS)
・各リーグごとに勝率によってシード順番が決定
・地区優勝チームで勝率がもっとも低かったチーム(第3シード)と、地区優勝を逃したチームのうち勝率が高かった3チーム(第4シード、第5シード、第6シード)の4チームが出場
・第3シードと第6シードのチーム、第4シードと第5シードのチームが対戦
・最大3試合を戦い、2戦先勝で地区シリーズ進出へと駒を進める(3戦2勝制)
ディビジョンシリーズ(DS)
・ディビジョンシリーズは地区シリーズのこと
・各リーグ(ア・リーグAL、ナ・リーグNL)の勝率1位チーム(第1シード)、勝率2位のチーム(第2シード)と、ワイルドカードシリーズを勝ち抜いた2チームの計4チームが出場
・最大5試合のうち、3戦先勝でリーグ優勝決定シリーズへの進出が決まる(5戦3勝制)
リーグチャンピオンシップシリーズ(LCS)
・リーグチャンピオンシップシリーズはリーグ優勝決定戦のこと
・各リーグのチャンピオンを決めるシリーズ
・ア・リーグはALCS、ナ・リーグはNLCSと称する
・各リーグのDS(地区シリーズ)を勝ち抜いた2チームがそれぞれ対戦
・最大7試合を戦い、4戦先勝で勝者がワールドシリーズへと進出(7戦4勝制)
ワールドシリーズ(WS)
・アメリカンリーグとナショナルリーグの優勝チームが対戦する頂上決戦
・4戦先勝で勝利したチームがワールドチャンピオンの座につく(7戦4勝制)

MLBシーズン最高・最多記録ランキング
近代(1900年以降)メジャーリーグにおける、最高・最多記録を誇るチームランキングです。
史上最高の勝率
1位 シカゴ・カブス/1906年
勝率 .763 (116勝36敗)
成績 | ナショナルリーグ1位 |
ポストシーズン | ワールドシリーズでシカゴ・ホワイトソックスに敗れる |
Embed from Getty Images 1906年
WS試合前、カブスのチャンス監督(左から2番目)とWソックスのジョーンズ監督(右から2番目)と審判団。
2位 ピッツバーグ・パイレーツ/1902年
勝率 .741 (103勝36敗)
成績 | ナショナルリーグ1位 |
ポストシーズン | ※優勝チーム同士によるワールドシリーズが創設されたのが翌1903年のため、この年は各リーグ優勝のみ |
3位 ピッツバーグ・パイレーツ/1909年
勝率 .724 (110勝42敗)
成績 | ナショナルリーグ1位 |
ポストシーズン | タイガースを破りワールドシリーズ優勝 |
Embed from Getty Images 1909年
タイガースのタイ・カッブとパイレーツのホーナス・ワグナーがWS第1試合開始前に交流。
4位 クリーブランド・インディアンス/1954年
勝率 .721 (111勝43敗)
成績 | アメリカンリーグ1位 |
ポストシーズン | ワールドシリーズでニューヨーク・ジャイアンツに敗れる |
5位 ロサンゼルス・ドジャース/2020年
勝率 .717(43勝17敗)*短縮シーズン
成績 | ナショナルリーグ 西地区1位 |
ポストシーズン | ・ワイルドカードシリーズでブルワーズ に勝利 ・ディビジョンシリーズでパドレスに勝利 ・チャンピオンシップシリーズでブレーブスに勝利 ・ワールドシリーズでレイズを下し優勝 |
6位 シアトル・マリナーズ/2001年
勝率 .716 (116勝46敗)
この年、アメリカンリーグMVPとアメリカンリーグ新人王をイチロー・スズキがW受賞
成績 | アメリカンリーグ 西地区1位 |
ポストシーズン | ・地区シリーズでクリーブランド・インディアンスに勝利 ・ア・リーグチャンピオンシップシリーズでヤンキースに敗れる |
Embed from Getty Images 2001年
イチローの鮮烈デビューは勝率に影響を与え、ア・リーグ西地区優勝にも貢献。
7位 ニューヨーク・ヤンキース/1927年
勝率 .714 (110勝44敗)
成績 | アメリカンリーグ 1位 |
ポストシーズン | パイレーツ に 勝利しワールドシリーズ優勝 |
8位タイ シカゴ・カブス/1907年
勝率 .704 (107勝45敗)
成績 | ナショナルリーグ 1位 |
ポストシーズン | タイガースを破りワールドシリーズ優勝 |
8位タイ フィラデルフィア・アスレチックス/1931年
勝率 .704 (107勝45敗)
成績 | アメリカンリーグ 1位 |
ポストシーズン | ワールドシリーズでカージナルスに敗れる |
8位タイ ニューヨーク・ヤンキース/1998年
勝率 .704 (114勝48敗)
成績 | アメリカンリーグ 東地区1位 |
ポストシーズン | ・地区(ALディビジョン)シリーズでレンジャーズに勝利 ・リーグ優勝決定(ALチャンピオンシップ)シリーズでクリーブランド・インディアンスに勝利 ・ワールドシリーズでパドレスに勝利し優勝 |
Embed from Getty Images 1998年
高い勝率を誇ったヤンキースは、この年から3年連続WS制覇を達成。
<野球の勝率>
チームが勝利した試合の割合を示す指標のこと。計算方法は、勝利数を勝利数と敗北数の合計で割った値。
勝率の計算方法:
勝率 = 勝利数 ÷ (勝数 + 敗数)
勝率の見方:
・勝率は1に近いほど強く、0に近いほど弱いことを意味する
・勝率が高いチームほど順位が高くなる
例1)
20勝10敗のチームの勝率
20 ÷ (20 + 10) = 0.666…、通常は小数点第3位を四捨五入し.667と表示
例2)
Aチーム/100試合で60勝40敗→勝率60 ÷ (60 + 40) = 0.600
Bチーム/100試合で50勝50敗→勝率50 ÷ (50 + 50) = 0.500
この場合、Aチームの方が勝率が高く順位も上位となる
1シーズン最多勝利
1位タイ
チーム名 | 勝利数(シーズン年) | 最終成績 |
---|---|---|
カブス | 116勝36敗(1906年) | ワールドシリーズ敗退 |
マリナーズ | 116勝46敗(2001年) | ア・リーグチャンピオンシップシリーズ敗退 |
3位
チーム名 | 勝利数(シーズン年) | 最終成績 |
---|---|---|
ヤンキース | 114勝48敗(1998年) | 2年ぶり24回目のワールドシリーズ優勝 |
4位タイ
チーム名 | 勝利数(シーズン年) | 最終成績 |
---|---|---|
インディアンス | 111勝43敗(1954年) | ワールドシリーズ敗退 |
ドジャース | 111勝51敗(2022年) | NL地区(ディビジョン)シリーズ敗退 |
6位タイ
チーム名 | 勝利数(シーズン年) | 最終成績 |
---|---|---|
パイレーツ | 110勝42敗(1909年) | ワールドシリーズ初優勝 |
ヤンキース | 110勝44敗(1927年) | 4年ぶり2回目のワールドシリーズ優勝 |
8位タイ
チーム名 | 勝利数(シーズン年) | 最終成績 |
---|---|---|
ヤンキース | 109勝53敗(年) | 3年ぶり19回目のワールドシリーズ優勝 |
オリオールズ | 109勝53敗(年) | ワールドシリーズ敗退 |
1シーズン最多本塁打
レギュラーシーズンで最も多くホームランを打ったチームがこちら。
1位タイ
チーム名 | 本塁打数(シーズン年) | 最終成績 |
---|---|---|
ブレーブス | 307本(2023年) | ナ・リーグ地区シリーズ敗退 |
ツインズ | 307本(2019年) | ア・リーグ地区シリーズ敗退 |
3位
チーム名 | 本塁打数(シーズン年) | 最終成績 |
---|---|---|
ヤンキース | 306本(2019年) | ア・リーグ優勝決定(ALチャンピオンシップ)シリーズ敗退 |
4位
チーム名 | 本塁打数(シーズン年) | 最終成績 |
---|---|---|
アストロズ | 288本(2019年) | ワールドシリーズ敗退 |
5位
チーム名 | 本塁打数(シーズン年) | 最終成績 |
---|---|---|
ドジャース | 279本(2019年) | ナ・リーグ地区(NLディビジョン)シリーズ敗退 |
6位
チーム名 | 本塁打数(シーズン年) | 最終成績 |
---|---|---|
ヤンキース | 267本(2018年) | ア・リーグ地区(ALディビジョン)シリーズ敗退 |
7位
チーム名 | 本塁打数(シーズン年) | 最終成績 |
---|---|---|
マリナーズ | 264本(1997年) | ア・リーグ地区シリーズ敗退 |
8位
チーム名 | 本塁打数(シーズン年) | 最終成績 |
---|---|---|
ブルージェイズ | 262本(2021年) | ア・リーグ東地区4位 |
9位
チーム名 | 本塁打数(シーズン年) | 最終成績 |
---|---|---|
レンジャーズ | 260本(2005年) | ア・リーグ西地区3位 |
10位タイ
チーム名 | 本塁打数(シーズン年) | 最終成績 |
---|---|---|
アスレチックス | 257本(2019年) | ア・リーグのワイルドカード敗退 |
ブルージェイズ | 257本(2010年) | ア・リーグ東地区4位 |
オリオールズ | 257本(1996年) | ア・リーグ優勝決定シリーズ敗退 |

シーズン本塁打数とワールドシリーズ制覇に関連性はあるのかな~
ここまで見てきて分かるように、2019年シーズンはチーム本塁打数でトップ10入りした球団のいずれもがワールドシリーズを制していません。
ではどのチームがこの年のタイトルを獲得したかというと、ナ・リーグ東地区2位でワールドシリーズ(WS)に進出したワシントン・ナショナルズ。初優勝に輝いた同チームのレギュラーシーズン本塁打数は231本でした。
ワールドシリーズ タイトル獲得
2024年は、ドジャースがヤンキースを破りワールドシリーズ・タイトルを手にしましたが、最多優勝を果たしたチームはいったいどこでしょうか?
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1位 ニューヨーク・ヤンキース/優勝 27回
名門ヤンキースのワールドシリーズ出場はじつに41回を誇り、うち27回のタイトル獲得。さらにアメリカンリーグの優勝決定戦、チャンピオンシップシリーズ制覇はこちらも最多の40回、ア・リーグ東地区優勝は20回経験しています。
なお、ワールドシリーズで27回も王座についたのは、アメリカの主要プロスポーツチームから見ても最も多い回数なのだそう。
2位 セントルイス・カージナルス/優勝 11回
カージナルスは19回の出場数に対しワールドシリーズ・タイトルを11回獲得しました。ナショナルリーグのチャンピオンシップシリーズ優勝は19回で、これはMLBチーム中3番目に多い数字です。
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5年ぶり11回目のWS制覇以来、優勝から遠ざかっているカージナルス。
3位タイ オークランド・アスレチックス/優勝 9回
現アスレチックスは、近年こそ苦戦続きですが、かつては持続的な成功を収めた時代が何度かありました。ワールドシリーズは1910年、11年と2年連続、1年置いて1913年、1929年、30年と続き、1972年からは3年続けて、そして1989年にも制覇。リーグ優勝も15回の古豪球団なのです。
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1910年にWS初優勝の旧フィラデルフィア・アスレチックスはア・リーグの強豪だった。
3位タイ ボストン・レッドソックス/優勝 9回
レッドソックスはワールドシリーズが創設された1903年の優勝チーム。複数回の優勝を経験している球団の中で、最も早く2度目の優勝を達成しており、1907年と1908年のシリーズを連覇しています。
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近年ではこの年に5年ぶりのワールドシリーズ王者に輝いたRソックス。
5位タイ サンフランシスコ・ジャイアンツ/優勝 8回
本拠地をニューヨークに置いていたジャイアンツは、1905年のワールドシリーズ初制覇から1954年までに5回優勝。球団移転後はしばらく遠ざかるも、2010年に56年ぶりに優勝し、そこから3度の制覇を達成。サンフランシスコ・ジャイアンツとしては2014年が直近の優勝年となります。
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バスター・ポージーがワールドシリーズトロフィーを頭上高く掲げる。
5位タイ ロサンゼルス・ドジャース/優勝 8回
ブルックリンの名を冠していたドジャースは1955年に初優勝。それから4年後の1959年にロサンゼルス・ドジャースとして2度目のワールドシリーズを制しました。そして2024年、その前の短縮シーズン優勝から4年ぶり8回目の同シリーズ制覇を成し遂げ、当リストにランクイン。
番外編 シーズン記録ランキング
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ワールドシリーズ 優勝経験なし
最後は番外編として、ワールドシリーズ未制覇の球団を紹介ーー。
MLB 30チームのうち25チームが少なくとも1度はワールドシリーズで優勝していますが、5チームが未だコミッショナーズ・トロフィーを掲げた経験がありません。
●コロラド・ロッキーズ
1993年に創設されたロッキーズは、2007年にナ・リーグ優勝決定(チャンピオンシップ)シリーズ4連勝でDバックスに勝利。球団創設以来、初めてワールドシリーズに進出しましたがレッドソックスに0-4で1勝も挙げられずスイープにて敗退しています。
●ミルウォーキー・ブルワーズ
ブルワーズはワールドシリーズ制覇を達成しておらず、1998年の地区再編によるナ・リーグへの移籍以降は出場もありませんが、ア・リーグ時代の1982年に一度だけ進出。この時はカージナルスと7戦し3勝4敗で惜敗しました。
●サンディエゴ・パドレス
パドレスは1984年と1998年にナショナルリーグを制覇してワールドシリーズに進出。1984年はタイガースに1勝4敗で敗れ、2度目の1998年には当時無敵のヤンキースに4連敗を喫しスイープされました。WS優勝経験のないチームの中では最古参となる1969年創設の球団です。
●タンパベイ・レイズ
レイズはワールドシリーズに2度進出。球団創設11年目にして初の出場となった2008年はフィリーズに1勝4敗で敗退。2020年にはナ・リーグの覇者ドジャースと対戦し、第4戦に逆転サヨナラ勝ちでタイに持ち込むも第5戦と6戦を続けて落とし、初めてのWS優勝はなりませんでした。
●シアトル・マリナーズ
マリナーズは、優勝どころかワールドシリーズに一度も進出したことがないMLB唯一のチーム。前述の通り2001年のレギュラーシーズンにはイチローの衝撃デビューで最多勝利を挙げ、メジャー記録を更新。それでもリーグ優勝決定シリーズで敗れワールドシリーズ進出を逃しています。