こんにちは!
ちょっかんライフです。
今回も一人暮らしの直観レーダーにピピピッと引っかかったアレコレを取り上げてまいります。
引用元:Stephen Nelson Instagram
アメリカ・ロサンゼルスに本拠を置くメジャーリーグ、ドジャースのテレビ実況放送チームに日系4世のアナウンサーがいます。
名前はスティーブン・エツオ・ネルソンさん。
ネルソン氏は、MLB放送界において史上初の日系アメリカ人で実況アナウンサーをつとめる唯一の人物。
本記事では30代の若さでその功績も広く知られるスティーブン・ネルソン氏にスポットを当て、これまでの素晴らしいキャリアを掘り下げています。
どうぞ最後までお付き合いください。
プロフィールは?
引用元:Stephen Nelson Instagram
生年月日:1989年3月8日
出生地:アメリカ合衆国 カリフォルニア州
学歴:カリフォルニア州ハンティントンビーチ マリーナ高校卒業、チャップマン大学(専攻/放送ジャーナリズム)卒業
大学在学中、学内ラジオのスポーツディレクターを務めスポーツ試合の実況を担当。また、KTLA-TV(ロサンゼルスを拠点とするテレビ局)とFOXスポーツ・ウエストではインターンを経験、さらにメジャーリーグやアイスホッケーチームのカメラマンや試合制作アシスタントとしても携わった。
どんなキャリアなの?
2011~2012年 大学卒業後、キャリアのスタートはプロアイスホッケーリーグから。
シーズン中、ロックフォード・アイスホッグスのマルチメディア ブロードキャスター、試合レポートの司会、実況解説者として活躍。
2012年~2014年 KEZI 9(オレゴン州ユージーンのテレビ放送局)でスポーツ記者兼アンカー(アンカーマン=ニュース キャスターの略)を務める。
2014年 スポーツニュースや試合のハイライト、選手のインタビューなどのコンテンツを提供するメディア媒体、『ブリーチャー・レポート』(Bleacher Report)にオンエアタレントとして加入。
2018年 MLB(プロベースボールリーグ)ネットワークとNHL(プロアイスホッケーリーグ)ネットワークに参加。
2021年 MLBネットワークの『インテンショナル・トーク』(MLB選手が出演する番組。カブスの今永昇太選手も2024年9月にMLB恒例の新人仮装で、映画「トイ・ストーリー」のキャラクター”スリンキー”に扮した姿が同番組で取り上げられていましたね)で、新司会者の一人に任命される。
2021年 10月にMLBにおける歴史的偉業をたたえる《コミッショナー特別表彰式》にホスト役で登場。二刀流で活躍した大谷翔平選手を全世界のメディアに向け ”日本語” で紹介。
「幼い頃にロングビーチの日本語学校に通ったことは憶えている」程度の語学力ながら、壇上では自らの名前を日本のミドルネーム ”エツオ” を付けて名乗り、最後は「拙い日本語で失礼いたしました」と語ったスティーブン・ネルソンさん。
その姿はなんとも謙虚で、それでも誇らしげで、とてもチャーミングでした。
引用元:stephennelson
Stephen Nelson Instagram
左端の演台で一生懸命に日本語を披露するネルソン氏を、時折頷きつつ見守る大谷選手。二人を交互に見ているとホッコリあたたかい気持ちに…..
2021年 11月、NBCスポーツシカゴでシカゴ・ブラックホークス(NHL)3試合の実況解説を務める。
2022年 MLBネットワーク制作のApple TV+(アップル ティービープラス)で『フライデーナイトベースボール』のメイン実況アナウンサーに抜擢。
2023年 1月20日、ロサンゼルス・ドジャースは地元TV局『SportsNet LA』(スポーツネットLA)の実況アナウンサーチームにスティーブン・ネルソン氏を指名。
引用元:Los Angeles Dodgers & Stephen Nelson Instagram
この採用によりネルソンさんはメジャーリーグチームで働く唯一のアジア系アメリカ人実況アナウンサーとなったのです。
2023年 11月、ESPNのスポーツ情報番組『スポーツセンター』(SportsCenter)アンカーに就任。
引用元:Stephen Nelson Instagram
プライベートが知りたい!
引用元:Stephen Nelson Instagram
2016年6月28日付のInstagram投稿写真から。日本にルーツを持つお母様の誕生日に寄せて…。
スティーブン・ネルソン氏はアメリカ・シカゴ郊外出身の父親スコットと、全米日系人博物館(JANM)に勤める働き者の日系アメリカ人の母親フロー・クラオカのもとに生まれました。兄妹には妹さんがひとりいます。
2018年 6月、MSNBCとNBC ニュースのフリーランス アンカーでありニュースキャスターのコリ・コフィン(cori coffin)さんと結婚。妻のコリさんはこれまで、2016年、2017年の2回にわたりアメリカのローン・スター・エミー賞を受賞したハイキャリアのジャーナリスト。
引用元:coricoffin
Cori Coffin NBC Instagram
引用元:Stephen Nelson Instagram
2023年6月24日投稿のコリ・コフィンさんInstagramより。Dodgers Foundation(MLB球団のチャリテイーイベント等の催し)でスティーブン・ネルソン氏とカップルで参加。
引用元:coricoffin Instagram
2023年3月9日投稿のコリ・コフィンさんInstagramより。スティーブン・ネルソン氏の誕生日に寄せたハートウォーミングで素敵なフォト集…。
2024年 現在、お子さんは男の子が2人います。
引用元:Stephen Nelson Instagram
熱狂のドジャーフェス
ここまで見てきたように、スティーブン・ネルソンさんは2023年にドジャースのテレビ実況放送チームに加入。
求められた役割は、メインキャスターのジョー・デイビス氏が他放送局出演で不在となる試合の実況。昨シーズンはドジャース地元TV局『SportsNet LA』で放送された50以上の試合中継を担当しました。
ファン35000人に仰天
そして迎えた2024年ーー。
引用元:Stephen Nelson Instagram
2月6日付でInstagramに投稿された「Dodger Fest」でのトークショーの様子。
2月3日(日本時間4日)、ドジャースタジアムで開催されたファン感謝祭『ドジャー・フェスト』。
当日のイベントMCを任されたネルソンさんは、初参加した時の様子を自身のインスタ(Instagram)にアップし、ファンの熱狂ぶりを伝えています。
「初めてのドジャーフェス。 なんて日だ。 35,000人のファンがドジャースタジアムに集まりました!
(会場は)よりエキサイティングなシーズンになるよう、みんな気合い十分に士気を高め合いました。 ジョー(共同キャスターのジョー・デイビス氏)と私とともに突き進んでくれた全てのプレイヤーたちに感謝を」とつづり、その熱い思いをファンと共有しました。
印象に残る実況中継4選
それでは今シーズン、スティーブン・ネルソンさんの選りすぐりの名実況を、大谷翔平選手の活躍シーンと織り交ぜ一挙ご紹介!
sel.1 移籍後初サヨナラ打
5月19日(日本時間20日) ドジャース VS レッズ
2-2で迎えた延長10回。
大谷翔平選手はドジャース移籍後初となるサヨナラ打を放ちました。
あまりにドラマチックな展開に、『ドジャース・ネーション』放送ブースのスティーブン・ネルソン氏は立ち上がったまま生配信。
「”ショウ・ストッパー”でゲーム・エンダー(試合終了となる最後のアウト)!」と興奮気味に報じるとそのあとは何も発せず無言状態に・・・。
音割れするほどに熱狂する群衆のセレブレーションをそのまま映像で流すという“名実況” を披露!
ドジャース加入後、初めての「ウォーク・オフ(walk-off)」(メジャーリーグでサヨナラゲームを指す)を、あえて感動の余白をもって称えました。
引用元:Stephen Nelson Instagram
日本とはまったく異なる実況スタイル、雰囲気、言葉選びが新鮮!!
この試合での大谷選手のサヨナラヒットについての感想を、5月22日、LA在住のスポーツジャーナリストのインスタ動画に登場し、強いチームの実況の楽しさや喜びとも絡め率直に語っています。
また、自身のキャリアで最も貴重な体験というWBCで日本を初めて訪れたときの感動、そして東京ドーム実況で湧き上がったエモーショナルな思いなどについてもオープンにこたえていました。
引用元:mr.kbbaseball
Koji Bonkobara Instagram
インタビューは2部構成で、こちらはInterview part 2。
sel.2 「51-51」後のアンコール
9月20日(日本時間21日) ドジャース VS ロッキーズ
前日のマイアミで「51-51」と凄まじい記録を打ち立てた翌日、本拠地に戻った大谷翔平選手は5回の第3打席で52号2ランを放ち、2試合連続アーチで「52-51(52HR&51SB)」とします。
その模様を『SportsNet LA』で実況をつとめたスティーブン・ネルソン氏。
打った瞬間「ショウヘイは誰にも止められない!」と絶叫。
聴衆に向けて「あなたは51-51のあとのアンコールを求めていましたね。それならば勝ち越し逆転ホームランはいかがでしょう!」とユーモアたっぷりに続けました。
この日の解説はOBでMLB通算229ホーマーを打ったノマー・ガルシアパーラ氏。
ガルシアパーラ氏は「私は頭を抱えています、信じられない…」と驚いたあと、ネクストバッターズサークルで唖然とした表情を浮かべるムーキー・ベッツ選手を指し「ムーキーの顔!パーフェクトですね!」と笑うしかない様子でした。
sel.3 オオタニは回避不能だ!
9月22日(日本時間23日) ドジャース VS ロッキーズ
大谷翔平選手は最終9回に同点打53号ソロと2盗塁を決め、記録を「53-55(53HR&55SB)」まで伸ばします。
試合はこのあとムーキー・ベッツ選手の2者連続ホームランでドジャース勝利、地区1位を死守。
この日のスティーブン・ネルソンさんは「Ohtani is inevitable(オオタニは避けられない=回避不能だ)!」との表現で実況しました。
sel.4 “幻”の60盗塁
9月29日(日本時間30日) ドジャース VS ロッキーズ
大谷翔平投手は8回の第4打席でライト前ヒット、直後にダブルスティールでセカンドへ。
今季59盗塁として、ドジャース移籍1年目を「54-59(54HR&59SB)」でフィニッシュしました。
この結果にスティーブン・ネルソン氏は、前日の “幻(まぼろし)” が頭をよぎったのか、おもむろに解説を始めます。
前日28日(日本時間29日)、大谷選手は5回に58個目の盗塁マークかと思われたのですが、投手のボークがとられ不運な記録訂正に・・・。
ネルソンさんは「ショウヘイ・オオタニは難なくスティールを決めたのにボーク宣告によってノーマークに…ですから60とはならず59なのです」と視聴者に対し説明。
この盗塁数に、ド軍OBで解説者のエリック・キャロス氏とともに誇張気味に失望してみせつつも、最後は「私たちの心の中では60スティール(SB)としておきましょう」とまとめ、レギュラーシーズン最終戦の実況を締めくくったのでした。
引用元:Stephen Nelson Instagram
最後に・・・
今回はメジャーリーグ・チームで活躍の場を拡大し続けるアジア系アメリカ人のなかでも、コミュニティの先陣を切る日系4世の実況アナウンサー、スティーブン・ネルソンさんをご紹介しました。
今季のドジャース戦をきっかけに、日本の野球中継とは趣の異なるMLBならではのコメンタリー(実況アナと解説者のコンビ)に魅力を感じた人も少なからずいるかもしれません。
来シーズンはどんな実況でベースボールファンを楽しませてくれるのでしょうか。
すでに今から2月に控えるスプリングトレーニング(春季キャンプ)レポートが待ち遠しい思いですね。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。