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ちょっかんライフです。
日常のなかで、直観レーダーにピピピッと引っかかったアレコレを取り上げるページーー。
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ヤンキースに指名されドラフトボード前で笑顔を見せるアーロン・ジャッジ。
メジャーリーグの有望株(プロスペクト)情報専門サイト『 MLBパイプライン』が2025年版ドラフト上位250プロスペクトリストを更新。
2021年からオールスター・ウィークのイベントの一環として開催されることになったMLBドラフトですが、いよいよ日本時間7月14~15日の2日間(今年は従来の3日間を短縮)で開かれます。
以下では、『MLB.com』が発表した今年のドラフトクラスで注目度の高い候補者たちを紹介。
それぞれの個人ツール(スキル構成要素)、スカウティング評価などとも併せてお届けします。
MLBドラフト2025 指名の流れ
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カウタウン・コロシアムで開催された2024年MLBドラフト。
MLBドラフト1日目
105人の選手が指名され、その模様は「ESPN」と「MLBネットワーク」で全体43位まで生中継の予定。
MLBドラフトの2日目
4巡目から20巡目までの指名が一気に行われる。
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MLBコミッショナーがドラフト1巡目指名選手を発表。
MLBドラフトの指名順
<ロッタリーによる決定>
1~6位まではロッタリー(ポストシーズン進出を逃した18球団が対象でドラフト1巡目全体1位~6位までの指名順位を抽選で決める制度)によって決定しており、今年の全体1位指名権はナショナルズ。
<昨年の勝率順>
全体7位以降は昨季のレギュラーシーズンの勝率が低い順に指名権が与えられる。
<ポストシーズンの成績順>
ポストシーズン進出チームは19位以降にポストシーズンでの成績順で指名。
<ぜいたく税対象球団>
ぜいたく税(規定給与基準超過球団に対し高い税金を支払わせる制度)を支払うチームはペナルティーとして指名順が10個繰り下がりさらに指名順位が後ろになる。今年は対象のメッツが38番目、ヤンキースが39番目、ドジャースが40番目の指名順に。
MLBドラフト2025 プロスペクト上位ランキング
冒頭で触れた『MLBパイプライン』によるドラフト上位250プロスペクトリストのうち、トップ10がこちら。
ランク(pos.) | 名前 | 学校(年齢) | 身長 |
---|---|---|---|
1(遊/三) | イーサン・ホリデイ | 高校(18) | 193cm |
2(投) | ケイド・アンダーソン | 大学(20) | 188cm |
3(投) | セス・ヘルナンデス | 高校(19) | 193cm |
4(投) | ジェイミー・アーノルド | 大学(21) | 185.4cm |
5(遊) | イーライ・ウィリッツ | 高校(17) | 185.4cm |
6(遊) | アイヴァ・アークエット | 大学(21) | 195.6cm |
7(遊) | ビリー・カールソン | 高校(18) | 185.4cm |
8(投) | リアム・ドイル | 大学(21) | 188cm |
9(遊) | ジョジョ・パーカー | 高校(18) | 188cm |
10(投) | カイソン・ウィザースプーン | 大学(20) | 188cm |
ドラフト上位250 スカウティング評価
『MLB.com 』が更新したプロスペクトたちに付けられたスカウティング評価は、同サイトにおけるスタンダードスケール。評価基準は以下のとおり。
スカウトグレード
まず選手は20~80点満点で評価されます(20-80スケール)。
- 20~30点は平均を大きく下回っている
- 40点は平均以下
- 50点は平均
- 60点は平均以上
- 70~80点は平均を大きく上回っている
では、ドラフト上位250のなかでも選手個々の能力「個人ツール」をハイレベルで備え、高評価を得ている選手たちを見ていきましょう。
注目の個人ツールを持つ候補者たち
将来のMLBスター候補/イーサン・ホリデイ
~ドラフト上位250プロスペクトリスト:ランク1~
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昨季、兄のジャクソンが所属するオリオールズ戦に姿を現わしたイーサン・ホリデイ。
スカウティング評価:
打撃 | パワー | 走力 | 送球力 | 守備 | 総合 |
---|---|---|---|---|---|
50 | 65 | 50 | 55 | 50 | 60 |
父のマット・ホリデイはMLBで15年間プレーした元メジャーリーガー。兄は2022年ドラフト全体1位指名を受けた、オリオールズのジャクソン・ホリデイ。
兄に比べフィジカルとパワーに恵まれたイーサンは、将来メジャーで35~40本塁打の可能性が謳われる超逸材。
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オールスター・フューチャーズ・デーの高校ホームラン・ダービーに参加。
ドラフトで全体1位指名が最も有力視されているばかりか、スカウト陣はこぞって過去10年間で最も有望な高校生候補とみなしています。
プロ入り前からすでに知名度も、そしてスター性も抜群! 2025年1月にはアディダスとNIL契約(学生アスリートが自身の名前、画像、肖像を商業的に利用し収入を得る制度)を結んでいます。
最年少有望選手/イーライ・ウィリッツ
~ドラフト上位250プロスペクトリスト:ランク5~
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2024年
16歳当時、高校生プレーヤーのイーライ・ウィリッツ。
スカウティング評価:
打撃 | パワー | 走力 | 送球力 | 守備 | 総合 |
---|---|---|---|---|---|
60 | 45 | 60 | 55 | 55 | 60 |
イーライ・ウィリッツは12月が誕生日であるため、最年少の17歳で今年のドラフトを迎えることになりそうです。彼も前出のイーサン・ホリデイと同様に野球一家の出身。メジャーリーガーだった父親はヤンキースのコーチを経て、現在は母校オクラホマ大で副ヘッドコーチを務めています。
ウィリッツは若いながらも洗練されたプレーが際立ち、また打球への反応は秀逸で、ストライクゾーンからめったに外れることなく安定してヒットを打つことができるスイッチヒッター。
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2024年
18Uナショナルチームに選ばれ全8試合に先発出場。
遊撃手としては腕力(アームレーティング ARM Ratings)と守備で高い評価を得ており、スカウト陣は彼が完全に成長し成熟すれば、これらの能力がさらなる強みに加わると踏んでいます。
パワー面ではそれほど期待されていませんが、何はともあれまだ若いので、伸びしろは無限大です。
高校史上最高の遊撃手/ビリー・カールソン
~ドラフト上位250プロスペクトリスト:ランク7~
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2024年
MLBドラフト2025ではコロナ高校から数名の指名候補者が出ている。
スカウティング評価:
打撃 | パワー | 走力 | 送球力 | 守備 | 総合 |
---|---|---|---|---|---|
50 | 50 | 55 | 65 | 70 | 55 |
ビリー・カールソンは7月の終わりに19歳の誕生日を迎え、若干年長者となることから、他高校生候補よりは経験値が高いとされる野手。
かつては二刀流で鳴らし、マウンドに立てば時速92~95マイル(約147~148キロ)の速球を投げ込めるダイナミックなアスリート。その腕は遊撃手としても非常に優れ、未来の*5ツールプレーヤーと評価する向きもあります。
*5ツールプレーヤー:打撃のミート力、長打力、走力、守備力、そして送球力の5つの能力全てが非常に高いレベルにある選手のことを指す。
何人ものスカウトがカールソンを高校史上最高の遊撃手と評し、一部には彼の腕力(アームレーティング ARM Ratings)と遊撃手としての守備に70という高い評価を付けたスカウトも。将来はゴールドグラブ賞も狙える上、シーズン20本を超える本塁打を打つ可能性も秘めています。
手強い速球左腕/リアム・ドイル
~ドラフト上位250プロスペクトリスト:ランク8~
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NCAA野球でテネシー大ボランティアーズ投手として登板したリアム・ドイル。
スカウティング評価:
速球 | スライダー | カッター | スプリッター | コントロール | 総合 |
---|---|---|---|---|---|
75 | 55 | 55 | 55 | 50 | 55 |
2025年、SEC(サウスイースタン・カンファレンス)最優秀投手賞、NCAAノックスビル地区最優秀選手、全米大学野球記者協会( NCBWA)による第3地区最優秀選手賞、パーフェクト・ゲーム誌が選ぶ最優秀選手賞…などなど数多の栄誉に輝いたリアム・ドイル。
これまで2大学を転学したのち、テネシー大のエースとしてNCAA(全米大学スポーツ協会)の奪三振数でトップを走るだけでなく、SECでも勝利数10、WHIP0.99、9イニングあたりの奪三振数15.43でトップもしくは同率を誇り、いずれも全米トップ20にランクイン。
一気に今年のドラフト上位候補へと躍り出た左腕です。
ドイルの飛躍的成長は主に速球によるもので、2年目シーズンには時速91~94マイル(約146~151キロ)だったのが、現在では時速90マイル台半ば、最高時速は100マイル(約161キロ)に達するまでに。
はたしてどの球団が、何巡目に指名することになるでしょうか。
守備転向の最強バッター/アイク・アイリッシュ
~ドラフト上位250プロスペクトリスト:ランク11~
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大学野球大会でHRを放ったオーバーン大のアイク・アイリッシュ。
スカウティング評価:
打撃 | パワー | 走力 | 送球力 | 守備 | 総合 |
---|---|---|---|---|---|
60 | 55 | 40 | 55 | 45 | 55 |
ドラフト上位250でトップ10には及ばなかったものの、この21歳、身長188cmのアイク・アイリッシュはドラフト順位を上げ続けており、最強バッターとしての呼び声も高いことから、ここにきて上位5位以内に入る可能性も浮上。
今春は、大学野球サウスイースタン・カンファレンスでもオールラウンドな攻撃力で打率.364、出塁率.469、長打率.710、13本塁打、三振率14%をマーク。またスイングの判断力を向上させたことでバッティング能力がUP、あらゆる球種に対応し全方向に打球を繰り出すことができるようになりました。
アイリッシュのポジションですが、大学野球界屈指の捕手として有望視されていたところへ、この3月、死球を受け右肩甲骨を骨折。以降は外野でプレーするように。ただドラフトへの影響は少なく、彼は右翼手をこなせるだけのポテンシャルは十分持っているというのが大方の見方です。
柔軟な対応力/ブレイディ・エベル
~ドラフト上位250プロスペクトリスト:ランク64~
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コロナ高校の野球チーム、パンサーズの一員ブレイディ・エベル。
スカウティング評価:
打撃 | パワー | 走力 | 送球力 | 守備 | 総合 |
---|---|---|---|---|---|
50 | 45 | 45 | 60 | 50 | 50 |
7月25日の誕生日を目前に控え17歳でドラフトに臨む三塁手、ブレイディ・エベル。
父ディノ・エベルはドジャースの三塁コーチであり、来年に迫ったWBC2026のUSA代表コーチ陣の一人としても名を連ねています。
身長190.5cmのブレイディは昨春、カリフォルニア州コロナ高校で2024年全国高校招待選手権優勝に貢献。スムーズな左打ちと高度なアプローチから、多くのことをこなせる能力とスキルを十分に活かす身体能力の高さを示しました。
彼の野球IQはあらゆる状況に対応できる柔軟性にあり、この夏はドラフトの早い段階で名前が呼ばれるかどうかに大きな期待が寄せられています。
以上、今回は『MLB.com』が発表した今年のドラフトクラスで注目度の高い候補者たちをpick。
それぞれの個人ツール(スキル構成要素)、スカウティング評価などとも併せて紹介しました。