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現地時間7月2日(日本時間7月3日)、ロサンゼルス・ドジャースのクレイトン・カーショー(カーショウ)が本拠地ドジャースタジアムでシカゴ・ホワイトソックスのヴィニー・カプラから6回表に三振を奪い、 ”3000奪三振(3K)クラブ” の新たなメンバーに加わりました。
MLBで「3000本安打」を達成した打者はこれまでに33人いますが、「3000奪三振」を達成した投手となるとグッと減り、今回のカーショーで20人目。
より特別で稀少な偉業を成し遂げたわけですが、米スポーツ専門チャンネル『ESPN.com』のMLBライター兼アナリストのブラッドフォード・ドゥーリトル氏らが、この3K達成メンバーの投手リストを細かく分析。
成績データからそれぞれに順位を付け公開しています。はたしてクレイトン・カーショーは何位にランクインしたでしょうか。
さっそく紹介していきたいと思います。
MLB 3000奪三振(3K)クラブ
ランキングを通じて、3000奪三振を達成したメンバーとカーショーを比較すると、いくつか目を引くポイントが見つかったようで、そちらについても詳細を明らかにしています。
注目点
- 1957年シーズン終了時、3000奪三振(3K)クラブのメンバーはウォルター・ジョンソン(当ランク3)ただ一人。あとの19人は全員1959年以降にメジャーデビュー、さらに半数は1984年以降のデビュー。そのうち3人(カーショー、シャーザー、バーランダー)は2025年時点で現役。
- 当ランキングにおいてカーショーは3Kメンバー中、最少イニングしか投げていないが最終的にはペドロ・マルティネスよりも多くのイニングを投げることが予想される。
- カーショーは平均ゲームスコア61.9でトップに立っており、先発投手の成績評価指標の一つ・クオリティスタート率(QS)では68%で2位タイ。
- カーショーは20人の中で最高のERA+(投手の防御率をリーグ平均と比較し相対的に評価する指標)155を誇る。
- カーショーは投手部門のbWAR(勝利貢献度を表す指標)では77.1、これは将来の殿堂入り候補グループの中では16位とやや遅れをとっている。
3K達成 投手リスト
本記事では主に、引退から月日が経過した往年の投手らは一部除外。カーショーを含む現役投手、もしくは今なお球団フロントやスポーツメディア等で米野球界とかかわりを持ち、かつ一般にも名が知られる元選手をpickし紹介していきます。
3000奪三振投手 歴代ランキング
<投手ランキングについて>
今回『ESPN.com』では、データ分析プラットフォームTruMediaを用い、1901年以降のすべての先発投球記録を抽出し、ビル・ジェームズの試合スコア修正版を生成。フィボナッチ勝利ポイント(FWP)と呼ばれるジェームズ公式(投手の勝利数と勝率の組み合わせ)を使用して、通算試合スコア記録を単一の数字に変換したものを新たに表示しています。
ランク1.
ロジャー・クレメンス (61 y/o)
FWP | 奪三振数(歴代順位) | 試合スコアW-L | 勝率 |
---|---|---|---|
568.8 | 4672(3位) | 477-230 | .675 |
2007年9月引退、8月4日で62歳となるクレメンスが3K投手としてだけでなく、現代の全投手トップ3とも肩を並べられるとの評価を受けランク1位。2004年より、全米一の大学野球選手に贈られる「ロジャー・クレメンス賞」は彼の功績を称えて付けられたもの。また自身、三振には特に強いこだわりがあり4人の子供の名前の頭文字はいずれもスコアブックで三振を意味する「K」。
ランク2.
ランディ・ジョンソン(61 y/o)
FWP | 奪三振数(歴代順位) | 試合スコアW-L | 勝率 |
---|---|---|---|
532.9 | 4875(2位) | 421-182 | .698 |
Embed from Getty Images ランディ・ジョンソンは2000年に史上12人目の3000奪三振を達成。
ランディ・ジョンソンの通算奪三振率10.6は奪三振数と同じく歴代2位。また通算400勝以上を従来の方法ではなく新スコア方式に当てはめるとファンの多くが実際に試合を観戦した選手も含まれてきます。彼はそのうちの一人で、該当者9人の中でゲームスコア勝率はナンバー1。このリストでランク1位を逃した理由はただ一つ、クレメンスより通算先発数が104回少なかったからだそう。
ランク4.
グレッグ・マダックス(59 y/o)
FWP | 奪三振数(歴代順位) | 試合スコアW-L | 勝率 |
---|---|---|---|
443.3 | 3371(12位) | 453-287 | .612 |
なぜリーグで奪三振200超えは一度だけのマダックスが、歴代1位のノーラン・ライアンより上位なのかというと、誰も彼を奪三振投手とはみなしていないから。現役時代は打者の心理の虚をつく頭脳派タイプで、バットの芯を外すピッチングを信条としたグラウンドボールピッチャー。そんなスタイルを異にしながらも3Kを達成した点が彼の驚くべき優秀さであり、そこが評価されてのランクと言えそうです。
ランク5.
ノーラン・ライアン(78 y/o)
FWP | 奪三振数(歴代順位) | 試合スコアW-L | 勝率 |
---|---|---|---|
443.1 | 5714(1位) | 467-306 | .604 |
今年78歳のライアンは間違いなく史上最高の奪三振投手であり、33歳での達成は歴代最年少。1966年に最初の6人の打者を三振に打ち取ってから、1973年にはMLB最多数となるシーズン383をマーク。全盛期には勝敗記録で批判されることが多かったそうですが、ゲームスコア方式によってその批判をみごとに払拭。修正勝率.604は、実際の勝率.526よりもはるかに高い数値。
ランク6.
マックス・シャーザー(40 y/o)
FWP | 奪三振数(歴代順位) | 試合スコアW-L | 勝率 |
---|---|---|---|
385.7 | 3419(11位) | 315-145 | .685 |
Embed from Getty Images 2021年、ドジャース時代に史上19人目の通算3000奪三振を達成したシャーザー。
当ランキングの現役組トップにランクインしたのは現在ブルージェイズ所属のシャーザーでした。1試合20奪三振、及び三者連続3球三振はMLB1位タイ、史上最年少かつ完投での全30球団勝利の記録保持者でもあります。通算3000奪三振は2021年9月に達成。通算奪三振率10.69は2000投球回以上では歴代1位、1000投球回以上で歴代4位という輝かしいキャリアを誇ります。
ランク7.
ジャスティン・バーランダー (42 y/o)
FWP | 奪三振数(歴代順位) | 試合スコアW-L | 勝率 |
---|---|---|---|
385.0 | 3471(10位) | 349-190 | .647 |
Embed from Getty Images 2019年、エンゼルス戦の4回に通算3000奪三振を記録したバーランダー。
プロ入り前から抜きん出た肩の強さを見せていたとされるバーランダー。米放送局『FOXスポーツ』でアナリストを務め「大谷マニア」で知られるベンは実弟です。最多奪三振では5回タイトルを獲得し、アストロズ時代の2019年に36歳で歴代18人目となる通算3000奪三振を達成。今季はシャーザーと共に史上10人目と11人目の3500奪三振という新たな目標を掲げ、故障者リストから復帰しています。
ランク8.
ペドロ・マルティネス (53 y/o)
FWP | 奪三振数(歴代順位) | 試合スコアW-L | 勝率 |
---|---|---|---|
383.5 | 3154(15位) | 292-117 | .714 |
Embed from Getty Images マルティネスは2007年に史上15人目ラテンアメリカ出身選手として初3000奪三振を達成。
ドミニカ共和国出身でアメリカ野球殿堂入りのマルティネスは、リストに名を連ねる他選手たちほどのキャリア出場数ではないものの、多くの基準と照らしMLB最高峰選手の一人に数えられます。通算409回の先発出場は3Kクラブの中では明らかに最少。しかしながら、この小柄で細身だった彼のゲームスコア勝率はトップであり、同様に先発1回あたりのFWP.938でも首位の成績を誇っています。
ランク11.
クレイトン・カーショー(37 y/o)
FWP | 奪三振数(歴代順位) | 試合スコアW-L | 勝率 |
---|---|---|---|
370.9 | 3000(20位) | 301-137 | .687 |
Embed from Getty Images 2025年
現代野球の変化に伴い、カーショーが最後の”3K”達成選手となるのでは?との声も..。
今回のランキング企画の主役・カーショーはここでランクイン。2015年以降ケガに悩まされ、16年と17年には長期離脱。昨季はデビュー後424回目の先発登板で初めて三振を奪えず、これまで続いた奪三振記録が途切れてしまいました。そして迎えた今シーズン開幕をIL入りからスタートし、ついに復帰から1ヵ月半が経った7月、MLB史上20人目、左投手では4人目となる通算3000奪三振を達成したのです。
ランク16.
CC・サバシア(44 y/o)
FWP | 奪三振数(歴代順位) | 試合スコアW-L | 勝率 |
---|---|---|---|
323.2 | 3093(18位) | 339-221 | .605 |
Embed from Getty Images 2019年の引退年、サバシアは史上17人目の通算3000奪三振を達成。
イチローと共に資格取得1年目にして米野球殿堂入りを果たしたサバシア。2001年にAAA級を飛び越えメジャー昇格。17年に左腕の奪三振数でア・リーグ歴代トップとなり、19年の引退時点では、キャリア勝利数、キャリア投球回、キャリア奪三振数、いずれも現役トップの数字を記録。大谷翔平の才能を真っ先に認め、おそらく米野球界で一番最初に公言した人物としてもよく知られた存在ですよね。
ランク20.
ジョン・スモルツ (58 y/o)
FWP | 奪三振数(歴代順位) | 試合スコアW-L | 勝率 |
---|---|---|---|
273.8 | 3084(19位) | 290-191 | .603 |
Embed from Getty Images スモルツは2008年に史上16人目となる3000奪三振を達成。
スモルツは改定スコア手法では300勝にわずかに届きません。しかしそれは先発投手として見た場合であり、彼のキャリアには当てはまりません。トミー・ジョン手術を受けた2000年を全休した後、スモルツはクローザーとして復活し、4シーズンで通算セーブ154を記録。それから再び先発に復帰すると最多勝、奪三振の球団記録を更新。そして200勝100セーブを達成した唯一の選手でもあるのです。
以上、今季のクレイトン・カーショーの快挙を受け『ESPN.com』が公開した「3000奪三振」達成メンバー・ランキングを紹介しました。
MLB現役組スター3人の後半戦の活躍も楽しみですね!