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MLB最速打球のホームランはナゼ凄い?究極の打撃力を誇る選手記録リスト

MLB

こんにちは!

ちょっかんライフです。

日常のなかで、直観レーダーにピピピッと引っかかったアレコレを取り上げるページーー。

Embed from Getty Images 大リーグ球場でも屈指の美しさを誇るPNCパーク。

MLBの大谷翔平選手が現地9月2日(日本時間3日)、パイレーツ戦で今季46本目となるホームランを放ちました。

これは大谷にとってドジャースでの通算100本塁打であり、「チームに入団して2シーズンで100本塁打」に到達した4人目のメジャーリーガーだといいます。

古いところでは1920年代のベーブ・ルース、それから1960年代のロジャー・マリス、この二人は共にヤンキースで達成。

あとは2000年代に一人だけ、レンジャーズ時代のアレックス・ロドリゲスが2001年~02年に同記録を果たして以来の快挙なのだそう。

ところが、こちらのニュースが駆け巡った際、それ以上にメディアや野球ファンたちを賑わせたのが、大谷の本塁打が時速120マイル(約193キロ)だったということ。

今回は、この報道を耳にしてもイマイチその凄さがわからずモヤモヤする、最速打球のホームランに自分も心底驚嘆してキャッキャッしたい人のための記事です(笑)。

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MLBの最速打球ホームランが凄いとされる理由

MLBで最速打球のホームランがスゴイとされるのは、単に遠くに飛ばすだけでなく、極めて高いレベルの「力」と「テクニック」を駆使することによって達成されるものだから。

打球速度が非常に速いということは、打者がそのボールに人間離れした強烈なパワーと高い技術を加えてスイングした証(あかし)であり、同時に数値化して記録されることで、そのパフォーマンスのすさまじさを客観的に裏付けることができます。

特に現代のメジャーリーグでは、2015年から始まったスタットキャスト(Statcast)などのデータシステムによって詳細に計測されるため、実証に基づき評価される傾向が増してきたようです。

時速116.2マイル(約187キロ)を超えるボール初速を出せるというのはメジャーリーガーの中でも異次元レベルであり、これほどのスピードで打球を飛ばすことは、投手が投げるボールを時に超えるスピードとパワーを要する、まさに記録的な偉業。

それゆえにそれを目の当たりにすると、試合中ダグアウトで見守る選手こそが何より驚きのリアクションをとるという光景が生まれるわけですね。

ボール初速(打球速度、Exit Velocity)
バットで打たれたボールがバットから離れた瞬間の速度を指す。これは投手の初速とは異なり、打者がボールにどれだけ強い力を伝えられたかを示す指標で、Statcast(スタットキャスト)において打球の強さや飛距離を評価する重要な要素となっている。

2025年現在、本塁打速度ランキングで最も回数が多いのは、ジャンカルロ・スタントンとアーロン・ジャッジ。

ヤンキースのチームメイトであるこの2人は、スタットキャスト史上最速ホームラン23本のうち合わせて13本を打っていますーー。

リリ
リリ

凄さを知る前に、さまざまな速さの単位を「時速」に揃えて比べてみよう!

ウサイン・ボルトの100m最高時速・・・約45.39キロ
山手線の電車線区間での最高速度・・・90キロ
高速道路を走る車の法定最高速度・・・100キロ
動物界最速チーターの最高時速・・・約100~120キロ
カラスの最高時速・・・約50キロ
猛烈な台風の最大風速・・・約194キロ(新幹線の速度に匹敵)
ジェット旅客機の巡航速度・・・約900キロ
女子野球選手で日本最速球速・・・129キロ
MLB投手の2025年平均球速・・・約140キロ
MLB投手アロルディス・チャップマンの最速球速・・・約170.27キロ

メジャーにおけるホームランの平均飛距離は打者技術の他、球場特性によっても変動するため一概に断定できませんが、一般に130メートル(426フィート)前後が目安とされ、2019年-24年データで約131.4メートル、25年ホームランダービーで約126メートルという数値が記録されています。

mic
mic

飛距離をイメージしやすいよう「150メートル」を身近なものと比較!

150メートル(約492フィート)の距離を例えると
・東京タワーのメインデッキの高さ
・サッカーグラウンドの長さのおよそ1.5個分
・50階建てのマンションの高さ
・陸上競技の100m走のコースの1.5倍
・自転車をこいで0.625分(約1分)の距離
・徒歩であれば1.875分(約2分)の距離
・25メートルプールを6つ並べた分
・東急百貨店本店から渋谷スクランブル交差点まで

最速打球ホームラン記録を持つプレーヤー

ではここから、ほんの一瞬目を逸らしていたら見逃しかねない、最も強烈なホームラン記録を持つプレーヤーたちを一挙公開。

※ 以下記事では、アメリカで用いられる単位を他の単位系に変換しそれぞれメインで表示しています。
速度単位:マイル/Mphキロメートル/km/h
距離単位:フィート/feetメートル/m

出身:ドミニカ共和国
生年月日:1998年10月4日(26歳)
身長:約200.7cm
現所属:パイレーツ

Embed from Getty Images 2025年
現地5月25日のブルワーズ戦で、3回に驚愕のソロホームラン。
最速打球ホームラン記録
時速日付対戦チーム
約197.79キロ(122.9マイル)2025年5月26日ブルワーズ
※日付:日本時間表示

本塁打速度の回数ではなく史上最速のホームランはというと、今季パイレーツの本拠地PNCパークにて時速約197.79キロという驚愕の一発を放ったオニール・クルーズがナンバーワン。

メジャーでのキャリアを通じて、彼の平均バットスピードは時速約126.66キロ(78.7マイル)で、これも今シーズンのリーグ全体でトップの成績。ちなみにMLB平均は約115.87キロ(72マイル)。

5月の終わりに放った、この今季11号ホームランは2015年スタットキャスト導入以降で最速打球と記録され、一気にMLBトップへと躍り出ました。

200センチ超えの長身痩躯から繰り出される常軌を逸するような打球は、まさに度肝を抜く強烈なインパクトを人々に与えるものです。

出身:アメリカ合衆国カリフォルニア州ロサンゼルス
生年月日:1989年11月8日(35歳)
身長:約198cm
現所属:ヤンキース

Embed from Getty Images 2018年
レンジャーズ戦での偉大な記録は自身28歳の時に打ち立てた。
最速打球ホームラン記録
時速日付対戦チーム
約195.86キロ(121.7マイル)2018年8月10日レンジャーズ
約195.21キロ(121.3マイル)2020年7月26日ナショナルズ
約192.96キロ(119.9マイル)2024年5月9日アストロズ
約192.80キロ(119.8マイル)2022年6月12日カブス
約191.99キロ(119.3マイル)2018年6月7日ブルージェイズ
約191.83キロ(119.2マイル)2015年6月24日カージナルス
約191.19キロ(118.8マイル)2024年5月8日アストロズ
約191.03キロ(118.7マイル)2017年9月29日ブレーブス
※日付:日本時間表示

前述したように、本塁打速度で何度も最速打球を放っているのが、ベテラン選手ジャンカルロ・スタントン

これまでに約195キロ(121.2マイル)を超える打球を2本、ほかに約191~192キロ超えだけでも上記表に示す通り ”ガン打ち” しまくってます。

2020年の短縮シーズンに放った約195.21キロ(121.3マイル)の壮大なショットを見た当時の実況は、思わず「これ以上強く打つことなんてできない」と唸ったほど。

なお、その時のホームラン推定飛距離 約147.22メートル(483フィート)は、マーリンズからヤンキースに移籍して以来、スタントンにとって最長にして自身2番目に長い本塁打記録となったもの。

それから2年後の2022年、約192.80キロ(119.8 マイル)の伝説を築いた一打はホームプレートから約132.89メートル(436 フィート)離れたヤンキースタジアムの2階席の看板に跳ね返り、フィールドに戻ってくるほど強烈な当たりでした。

また遡ること2015年、スタントンがマーリンズ時代に放ったのが、時速約191.83キロ(119.2マイル)のホームラン。マーリンズ・パークの後方ガラス窓に向かって鋭く伸びたアーチは約146.00メートル(479フィート)の飛距離をマーク。じつに壮観な眺めとなったようです。

近年においても同選手が放つ本塁打の速さは健在で、2024年には2日連続で191キロを上回る最速打を記録。

2025年シーズンは両肘のケガのため出遅れたものの、7月初旬から8月末までの35試合で長打率.835、本塁打16本という驚異的な成績を残しており、まだまだ衰えの気配は感じられません。

出身:ベネズエラ
生年月日:1997年12月18日(27歳)
身長:約183cm
現所属:ブレーブス

Embed from Getty Images 2023年
ドジャース戦の3回に放ったホームランが自己最速打球に。
最速打球ホームラン記録
時速日付対戦チーム
約195.05キロ(121.2マイル)2023年9月3日ドジャース
※日付:日本時間表示

アクーニャJr.は2023年ドジャースタジアムでレーザーのようなホームランを放つわずか2日前、日本時間9月1日(現地8月31日)にシーズン30本目のグランドスラムを放ち、キャリア2度目となる30-30クラブに参入。

この本塁打によって彼はMLB史上初めて同一シーズンに30本塁打と60盗塁を記録し30-60クラブを創設、歴史に名を残すことに(最終的に40-70達成)。

迎えた9月3日、当時弱冠25歳のスター選手はドジャースの右腕エメット・シーハンの投球をセンターの約138.38メートル(454フィート)まで打ち返し、スタットキャストの計測によるとブレーブスの最速打球記録を打ち立ててみせたのでした。

出身:アメリカ合衆国カリフォルニア州
生年月日:1992年4月26日(33歳)
身長:約201cm
現所属:ヤンキース

Embed from Getty Images 2017年
6月、オリオールズ相手にホームランを打ちまくり大ブレイク。
最速打球ホームラン記録
時速日付対戦チーム
約194.89キロ(121.1マイル)2017年6月11日オリオールズ
約192.16キロ(119.4マイル)2017年4月29日オリオールズ
約190.87キロ(118.6マイル)2017年6月12日オリオールズ
※日付:日本時間表示

アーロン・ジャッジにとって最も最速となるホームランは、メジャーデビューから2年目の2017年に集中して生まれています。

そしてなぜかどれも対オリオールズ戦で放っているのですが、圧倒的なパフォーマンスのうちの3つ目、スタジアムにいた誰もが忘れられないであろう一発が特にインパクト大。

2017年6月12日、並外れた打球速度と理想的な28度の打ち出し角を両立させたルーキーの衝撃弾は、ヤンキースタジアム左中間コンコースを越え、スタットキャストの予測飛距離は約150.88メートル(495フィート)と表示。

これは速度だけでなく、当時スタットキャストが記録したホームランの飛距離で2番目に長く、2016年にクアーズ・フィールドでスタントンが放った約153.62メートル(504フィート)の本塁打に次ぐものでした。

その巨漢が生み出す規格外のパワーは今シーズンも全開で、序盤にはサイヤング賞候補にも挙げられるギャレット・クロシェ(Rソックス)の約160.29キロ(99.6マイル)の投球から、約185.88キロ(115.5マイル)のホームランを放っています。

出身:日本 岩手県
生年月日:1994年7月5日(31歳)
身長:約193cm
現所属:ドジャース

Embed from Getty Images 2025年
今シーズン、自身最速打球となったホームランを放つ。
最速打球ホームラン記録
時速日付対戦チーム
約193.12キロ(120マイル)2025年9月3日パイレーツ
約191.03キロ(118.7マイル)2024年4月24日ナショナルズ
約191.03キロ(118.7マイル)2024年7月28日アストロズ
約190.06キロ(118.1マイル)2024年9月12日カブス
約189.90キロ(118.0マイル)2022年6月26日マリナーズ
※日付:日本時間表示

本記事冒頭でも触れたように大谷翔平は9月のはじめ、パイレーツの新人バッバ・チャンドラーの速球を猛烈な時速約193.12キロ(120マイル)で打ち返しました。

MLBでは打球速度約153キロ(95マイル)以上がハードヒットとされており、それを約40キロ(25マイル)も凌ぐ驚異の打球。

まさにロケットのような一打ですが、現地放送席のオーレル・ハーシュハイザー氏も、「低い弾道でフェンスを越すには約193キロ(120マイル)以上で打ち返すしかない」と解説。

さらにスタットキャストのデータ解析システムを担当するデビッド・アドラー氏も自身のXで、「同システム導入以降、約159キロ(99マイル)以上の投球から放たれたホームランとしては最速記録となった」と即応。

続けて、前述した今シーズン序盤に記録したジャッジのホームランをおよそ7.24キロ(4.5マイル)も上回ったとして、ライバル超えの一打だったことを明かしています。

それにしてもダグアウトの反応、とりわけ若手選手たちーーラッシングの子どものような驚き方やフリーランドの呆然とした表情ーーが印象的で、SNSでも大きな話題となりました。

出身:アメリカ合衆国オハイオ州
生年月日:1993年3月5日(32歳)
身長:約183cm
現所属:フィリーズ

Embed from Getty Images 2022年
自身最速打はポストシーズン第1戦目で飛び出した。
最速打球ホームラン記録
時速日付対戦チーム
約192.64キロ(119.7マイル)2022年10月19日パドレス
※日付:日本時間表示

今シーズン、大谷との熾烈な最多本塁打争いを繰り広げているシュワーバーの最速打球記録は、2022年のナショナルリーグチャンピオンシップシリーズ。

スタットキャストの計測上、レギュラーシーズン以外のポストシーズンで最も強烈な本塁打となったペトコ・パークでの一撃です。

このリーグ優勝決定戦の第1試合では、先発のダルビッシュ有と対戦。そこで放った1号ソロが驚きの時速192.64キロ(119.7マイル)をマーク。フィリーズに勝ち越し点をもたらし、結果2-0でパドレスを制しました。

なおシュワーバーは、この年最終的に当時自己最多となる46本塁打を記録して、ナ・リーグ本塁打王を獲得しています。

出身:アメリカ合衆国フロリダ州マイアミ(※ドミニカ共和国との二重国籍)
生年月日:1992年7月6日(33歳)
身長:約190.5cm
現所属:パドレス

Embed from Getty Images 2021年
3回にホームランを放った当時29歳のマチャド。
最速打球ホームラン記録
時速日付対戦チーム
約192.48キロ(119.6マイル)2021年8月21日フィリーズ
※日付:日本時間表示

2021年8月21日、ソリッドな長打力が持ち味のマニー・マチャドは、フィリーズの左腕マット・ムーア(当時)からレーザービームのようなボールを叩き出し、スタットキャストはその打球の角度をわずか15度と計測。

時速約192.48キロ(119.6マイル)の打球は、投手有利の球場として知られるパドレスの本拠地ペトコ・パークのレフトフェンスの上から跳ね返り、本塁打となるには十分な高さもあるパワフルな一撃でした。

出身:ドミニカ共和国
生年月日:2002年1月11日(23歳)
身長:約195.6cm
現所属:レッズ

Embed from Getty Images 2023年
ガーディアンズ戦の9回裏に2ランホームラン。
最速打球ホームラン記録
時速日付対戦チーム
約191.83キロ(119.2マイル)2023年9月27日ガーディアンズ
※日付:日本時間表示

2023年メジャー初昇格から3か月後の9月の終わり、注目の新人エリー・デラクルーズはスタットキャスト導入以降、そしてレッズ選手史上最速のホームランを放ちました。

その少し前には、デビューからわずか15試合目でサイクル安打を達成してみせた当時21歳。

リーグ屈指の俊足と優れた投球フォームで旋風を巻き起こす時代の寵児は、192キロに迫る打球を鮮やかに打ち上げ、スタットキャストが記録した飛距離は約142.34メートル(467フィート)。

最近でいうと2025年5月24日のブルワーズ戦で、デラクルーズは約189.74キロ(117.9マイル)の本塁打を打っています。

出身:アメリカ合衆国ジョージア州アトランタ
生年月日:1994年3月29日(31歳)
身長:約195.6cm
現所属:ブレーブス

Embed from Getty Images 2022年
本拠地トゥルーイスト・パークでの1回表にソロホームラン。
最速打球ホームラン記録
時速日付対戦チーム
約190.87キロ(118.6マイル)2023年4月12日レッズ
※日付:日本時間表示

マット・オルソンは自身キャリアハイとなる54本塁打を記録した2023年シーズン、ルイス・セッサのシンカーをトゥルーイスト・パークの右中間へ推定448フィート(約136.55メートル)飛ばしました。

これはスタットキャストが記録したブレーブスの打者による史上最速のホームランで、2021年に同ホーム球場でホルヘ・ソレア(現エンゼルス)が放った、時速117.9マイル(約189.74キロ)の本塁打を上回る速さ。

そしてそれから2カ月後の6月に、オルソンはこれまたレッズ戦にて通算200本塁打を達成しています。

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