こんにちは!
ちょっかんライフです。
今回も一人暮らしの直観レーダーにピピピッと引っかかったアレコレを取り上げてまいります。
ーーメジャーリーグの2025年レギュラーシーズンが幕を開けました。
MLBが新シーズンを迎える時期になると例年のように米メディア各社は、その年のトップ選手100人のランキングを発表するのが慣例となっています。
そこで本記事では、現役大リーガーたちはリリースされたランキングをどう捉えたのか、挙がった声の中からさまざまなオブジェクションを集めてみました。
どうぞ最後までお付き合いください。
各メディア発表/トップ選手ランキング
各メディアとも基本的には、総合評価、前年の成績、そして今季予想も踏まえてランキング。
まずはメジャーリーグベースボール(MLB)の専門チャンネル『MLBネットワーク』が数日間かけて100位から大掛かりなカウントダウンを開始。
続いてアメリカの野球専門誌『ベースボール・アメリカ(BA)』や配信サービス『CBSスポーツ(CBS Sports)』、さらにスポーツメディア『ブリーチャー・リポート(BLEACHER REPORT)』などが、それぞれ独自のランキングをリリース。
全ランキングNO.1は大谷翔平
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大谷 翔平
結論として、2025年シーズン開幕前に出揃ったそれらすべてのランキングにおいて、ドジャースの大谷翔平がナンバーワン・プレーヤーに選出。
そして今シーズンが始まった現地4月2日、北米最大のスポーツ専門ケーブルネットワーク局『ESPN』がトップ100ランキングを発表。
投票順位「トップ5」は、5位からポール・スキーンズ(パイレーツ)、4位アーロン・ジャッジ(ヤンキース)、3位にムーキー・ベッツ(ドジャース)、2位がボビー・ウィットJr.(ロイヤルズ)、そしてこちらも1位は大谷翔平(ドジャース)という結果に。
6位以下はホセ・ラミレス(ガーディアンズ)、ヨルダン・アルバレス(アストロズ)、フアン・ソト(メッツ)…と続き、それぞれのスタッツや長所、持ち味などが細かく分析された上、今季パフォーマンス予想も加わった充足感満載の記事となっています。
ただ、ESPNのベースボール専門家60名以上からなる選択眼、スポーツアナリストやベテランライターなどの検証力をもってしても、現場のプレーヤーとは評価の視点で大きな乖離があるようで・・・。
選手別/異論反論・オブジェクション
ESPNのテレビ番組「Baseball Tonight」のレギュラー解説者であり、ポッドキャスト「Baseball Tonight」の司会者も務め、今回のランキングにかかわったバスター・オルニー氏もそこに着目。
「我々はもちろん完ぺきではない」として選手らに直接はたらきかけを行い、当ランキングについて匿名も含めた15人からアンサーを得たと、その一部を公開しました。
匿名選手①の意見
最初に紹介するのは、匿名を希望したある選手の意見。
「ロウキ ササキがリアルミュート(J.T.Realmuto)より上にランクされているけど、どうやったらこんなもんが理解できるんだ?」
とルーキーでメジャー未経験ながら60位にランクされたドジャース・佐々木朗希に比べ、キャリア11年のベテランキャッチャー、フィリーズのリアルミュートが89位だったことで呆気にとられたようす。
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J.T.リアルミュート
トミー・ファムの意見
Embed from Getty Images 2025年トミー・ファム
お次はパイレーツのトミー・ファム。
「俺は誰かを下げるつもりなんてないけど、このリストでは素晴らしい2ヵ月程度を過ごしたヤツが、何年もgoodな活躍を続けている選手より上になってる。2ヵ月の成果だけでランク付けしたわけ?そんなんじゃ俺としてはマジには取り扱えんわ。」
と、こちらもシビアな意見。
さらにアーロン・ジャッジの順位にも触れ、声を荒げます。
「ジャッジが4位になってんの?俺トリップしちゃった?残した数字を見たってこんなに低くはできないっしょ。悪いけどさ、むろん彼より上にいる選手たちはgreatだよ、ムーキー、ボビー、オオタニなんてユニコーンだ。けどジャッジは昨年、バリー・ボンズ級のシーズンを送ったんだ。
別記事でも伝えたとおり、相変わらずの ”狂犬ファム” ぶりを発揮し、吠える吠える(笑)。
これについて、確かに2024年シーズンのジャッジが出した*OPS+223は右バッターとして史上最高値であったことがデータ上から示されると、きっぱりと言い切って見せたのでした。
*OPS+:平均に対する得点力の大きさを(%)で表した値で、+100の平均より高いほど得点力が高い。例)+150なら平均より50%高い得点力を持っているということ
「でしょSee?だから俺はこれ(ランキング)じゃあ、やってらんないのよ。I can’t work with this.」
アンドリュー・マカッチェンの意見
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アンドリュー・マカッチェン
メジャー17年のキャリアを誇る同じくパイレーツのアンドリュー・マカッチェンも、投手(ピッチャー)と野手(ポジションプレーヤー)を同リストに入れ論じるのには無理があると力説。
「ショーヘイは打って投げる、ってことであなた達は彼をNO.1にしたわけだ。なのに打たないポール・スキーンズが5位にランクインしてる。となると自分としてはこのリストの価値を疑っちゃうね。
言わせてもらえば、これはNFLのオフェンシブ(offensive)とディフェンシブ(defensive)、両プレーヤーを同じリストに入れているようなもんだぜ、それは上手くいかないよ。doesn’t work.」
と、容赦のないスルドイ突っこみが…そして最後にこう締めくくっています。
「このリストを作った人たちはベースボールをイージーなものだって思ってるんだ。ボビー・ウィットJr.のスキルセットは好きだし、彼の昨シーズン素晴らしかった。ただ過去数年間ジャッジがやってきたことと結びつけると、俺としては彼(ボビー・ウィットJr.)をその上に置くってのは難しい。」
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ボビー・ウィットJr.
アダム・オッタビーノの意見
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アダム・オッタビーノ
5球団を渡り歩いたベテラン投手アダム・オッタビーノ(ヤンキース)は、フランシス・リンドーア(メッツ)が16位、エリー・デ・ラ・クルーズ(レッズ)が17位であることに、ひと言あるようです。
「現時点で、リンドーアとデ・ラ・クルーズの実際の生産性actual productionには大きな差があると思う。デ・ラ・クルーズの可能性は、どこまで上昇するか予想もつかない天井知らずceiling is insaneだし彼を見るのは本当に楽しい。ただ自分の中で彼がリンドーアに近いとは、まだどうしたって言えない。」
また自身が投手ということもあり、今シーズンマウンド復帰を見据える大谷翔平を除いて、ランキング上位20にピッチャーが3人しか入っていないことを指摘し真意を述べました。
「野手は来る日も来る日もプレーする、それは確かなこと。ただ、(投手の)クリス・セールが32位、DHのブレント・ルッカーよりも下位だ。ルッカーは凄いプレーヤーだよ、しかし自分は真のエースのインパクトというのは、とてつもなく大きなものだと思う。」
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クリス・セール
匿名選手②の意見
そして別の匿名希望の選手は、野手と投手の比較について5位にランクされたポール・スキーンズを引き合いに出し持論を展開。
「スキーンズは素晴らしいamazing才能を持っている、ただ彼がリンドーアより上?ショートストップ(遊撃手)として毎日プレーし、ナ・リーグMVPレースで2位のリンドーアより?」
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フランシスコ・リンドーア
マニー・マチャドの意見
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マニー・マチャド
投手についてはパドレスのマニー・マチャドからも意見が。
スキーンズのほかにトップ20にはザック・ウィラー(フィリーズ)、タリク・スクーバル(タイガース)がランクインしているのですが、マチャドは断然ウィラー推し!
「ザックこそが今MLBで圧倒的NO.1ピッチャーだ」とウィラーはもっと高い順位にランクされるべきと主張します。
また、元ドジャースの生え抜きレンジャーズのコーリー・シーガーが21位となっている点については
「なんでシーガーがこんなに低いのかわからない。俺はシーガー大好きだから。”I don’t know why Seager is so low.I love Seager.”」
と、単に独断と私情を盾に異議を唱えました(笑)。
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コーリー・シーガー
そして、以下のように総括。
「ランキングは1,4,2,3となるべきだな、つまり1位オオタニ、2位ジャッジ、3位ウィットJr.、それで4位がベッツだろ。”It should be 1,4,2,3.” Translated: Ohtani,Jdege,Witt and then Betts.」
オースティン・ライリーの意見
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オースティン・ライリー
MLBを代表するビッグネームが意外の低くランクされていることに驚きを隠せないのが、ブレーブスのオースティン・ライリー。
昨シーズン途中からケガによる戦線離脱が続くものの、23年にはリーグ最高の217安打に73盗塁、41本塁打を記録しシーズンMVPに輝いたチームメイト、ロナルド・アクーニャJr.が20位であることについては、ただただ呆然と反応。
「これはちょっとキツイな。”That ‘s a little tough” 」
さらに、ドジャースのワールドシリーズ制覇に大きく貢献したテオスカー・ヘルナンデスの53位も低すぎるとし、同僚マット・オルソンの41位については
「アンタも低すぎるよ。”You’re too low,” 」「もうさ、これって30位より下になったら皆テキトーって感じだな。」
と辛らつに言い放っています。
マット・オルソンの意見
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マット・オルソン
同じくブレーブスのマット・オルソンも黙っちゃいません。
エンゼルスのマイク・トラウトは昨年19位から今年は33位と大きく順位を落としたのですが、これには
「去年も言ったけどトラウトは低すぎるって。そしてセールも低すぎる(32位)。」
さらに加えて昨シーズン故障者が後を絶たない中、リーグ最高の162試合に出場しブレーブスの攻撃を牽引したチームメイトのマーセル・オズナが78位とされたことにも疑問を呈しました。
「彼がこんなに軽視されているのはDHであること、そしてフィールドで守備についていないからってことなんだろうけど、でもそのケースで言うならヨルダン・アルバレスが7位ってのもダメでしょ。」
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マーセル・オズナ
最後に・・・
なお、ビッグネームの低評価という点については、フアン・ソト(メッツ)が8位にランク付けされていることにも複数の選手が注目。
匿名希望の選手のひとりは「冗談でしょ?”Are you f—ing kidding?”asked one.」とコメントしました。
現場で実際にプレーする選手たちの仲間に対する評価は、ジャーナリストらが作成したランキングとは一部で差の出る結果となったようです。
ただそのような異論反論が飛び交う渦中にあって、大谷翔平のトップの座、ランク1位はあらゆる関係者の共通認識として1ミリも揺るがず、もはや蚊帳の外、話題にすらのぼらないところがあまりに圧倒的過ぎました。
つくづく凄い存在だと認識させられますね。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。