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リトルリーグのヒーロー!豪腕 ”ザ・ミズ”が見せた素顔の輝き
2メートル超の長身痩躯から放たれる豪速球で、MLBを席巻する怪物右腕。ミルウォーキー・ブルワーズの ”ザ・ミズ” ことジェイコブ・ミジオロウスキーが、ペンシルベニア州ウィリアムズポートの「リトルリーグ・クラシック」に登場しました。
ミズに憧れ「将来彼のようになりたい」と夢見るリトルリーガーたちから大歓声で迎えられた当人はというと、マウンド上での圧倒的な姿とは裏腹に、子供たちと同じ目線でカードゲームに興じる無邪気な素顔をのぞかせます。
「小さなヒーローになれる機会」を無邪気に楽しんだミジオロウスキーと、どんな時も決して自分を見失わない彼の人柄を絶賛するチームメイトたち。現地時間8月23日(日本時間24日)、MLB公式サイトのアダム・マッカルビー記者が届けてくれた、心温まる現地レポートを紹介します。
「リトルリーグの聖地」ウィリアムズポートに現れたヒーロー

ペンシルベニア州ウィリアムズポート。毎年恒例の「リトルリーグ・クラシック」が開催されたこの日、滑走路にチャーター機が降り立った瞬間、大きな歓声が上がりました。機体から姿を現したのは、ミルウォーキー・ブルワーズの怪物右腕、ジェイコブ・ミジオロウスキーです。
身長6フィート7インチ(約201cm)の体躯は、リトルリーガーたちに囲まれると一層際立って見えます。空港の滑走路から移動バス、そして試合会場のボウマン・フィールドに至るまで、彼は行く先々で小さなファンたちの熱烈な歓迎を受け、サインを求める群衆に取り囲まれました。そのフィーバーぶりは、数々のイベントを経験してきたMLB関係者すら驚かせるほどでした。
「時々彼に聞くんだ。『自分が何者で、人々にとってどんな意味をもたらしているか、本当に分かってる?』ってね」
センターを守るチームメイトのギャレット・ミッチェルは明かします。
ミジオロウスキーは肩をすくめ軽く受け流すだけですが、急速にスターダムを駆け上がる22歳は、いまや本人が自覚している以上に球界の視線を集める存在となっています。
異次元の数字:球界を絶句させる「支配的」ピッチング

今シーズン、ミジオロウスキーが叩き出している成績はまさに「異次元」の一言に尽きます。
- 奪三振数:216(メジャー全体を牽引する圧巻の数字)
- 防御率:1.68(超一流の指標とされる2点台を遥かに凌駕)
- WHIP:0.76(1イニングあたりに出す走者が1人未満という驚異の安定感)
- 被安打率:.152(相手打者にヒットを許す確率がわずか1割5分強)
この圧巻の支配力に対し、対戦相手であるアトランタ・ブレーブスのエースであり将来の殿堂入り候補、クリス・セールでさえ「今年の彼は、もはや独走状態にある。別格過ぎて、まるで他の異なるリーグで投げているかのようだ」と最大級の賛辞を贈りました。
しかし、どれほど凄まじい実績を重ねようとも、彼の内面は驚くほど親しみやすい「野球少年」のままなのです。
子供たちと同じ目線でつなぐピュアな絆

かつての夢を叶えた者たちが、今まさに夢を追う少年たちと同じ目線に立つ――。ウィリアムズポートでの滞在中、ブルワーズの選手たちは自らもリトルリーガーであった頃の原点に立ち返るかのように、子供たちとの触れ合いを大いに楽しみました。
チームメイトから「ウチで一番のデカい子供(the biggest kid)」と評されるミジオロウスキーは、少年たちに混ざって本気で卓球に興じ、床に座り込んでポケモンカードのパックを一緒に開封。レアカードを引き当てては無邪気に歓声を上げる姿には、巨額のマネーが動くスポーツビジネス界の影など微塵も付きまとっていません。
他の選手たちも同様でした。ジャクソン・チョーリオは選手村の部屋で子どもたちとビデオゲームに没頭し、抑え投手のトレバー・メギルは「まるでジャスティン・ビーバーになった気分だ」と笑いながら売店でクレジットカードを切って、数十人分のゲータレードを振る舞います。
さらにブライス・トゥラングは大会公式キャップを買いにショップへ走り、ホームランバッターのジェイク・バウアーズは昔の自分を懐かしむように、スタンドで観戦していたサンディエゴ代表チームのもとへ一直線に駆け寄っていきました。
周囲が語る「人間・ミジオロウスキー」
急激に名声が高まるミジオロウスキーですが、チームメイトや監督の評価はどれも一貫して「彼は何も変わっていない」というものです。
チームの顔であるクリスチャン・イエリッチは、「街を歩けば顔を知られている生活に慣れるには時間がかかる。でもミズなら大丈夫。中身は大きな子供のようなものだからね」と見守ります。
パット・マーフィー監督も、彼の飾らない人間性を称える一人です。
「ミズは根っからの素晴らしい人間だ。他者を理解しようとする姿勢が非常に純粋で、しかも誠実なんだよ。彼が人々にどう接しているかを聞くだけで、思わず笑顔になってしまう(it makes me smile)」
渦巻く喧騒のなかで、どんなに注目を浴びてもミズが地に足をつけていられる背景には、家族、特に婚約者のエルさんの存在があるからだといいます。169キロ(105マイル)の豪速球を生み出す彼の中心には、温かく揺るぎないマインドが根付いていました。
そして、子どもたちから「スーパーヒーロー」のように扱われた感想を問われたミジオロウスキーは、ここでもさらりとその喜びを表現しています。「圧倒されるような体験だったけれど、彼らにとっての『小さなスーパーヒーロー』になれたのは最高に楽しかったよ」
怪物から、未来のスターへ贈る「唯一のアドバイス」
移動のバスで、幸運にもミジオロウスキーの隣の席をゲットできた少年がいました。オハイオ州からやってきた代表チームの投手、ハドソン・ボンダーハイドくんです。
ハドソンくんは目を輝かせながら、「どうすればそんなに速い球が投げられるの?」と尋ねました。少年が全身を使って投げる全力投球が時速87キロ(54マイル)。対するミジオロウスキーの最速は時速169キロ(105マイル)。その差は実に時速82キロ(51マイル)にも及びます。
この問いに対し、メジャー最強右腕が授けたアドバイスに、小難しいテクニックや厳しいトレーニング方法は含まれていませんでした。
ただ、楽しむこと。一瞬一瞬、すべての瞬間を楽しんで! そして、やり続けるんだ
メッツ戦が控えるニューヨークへと向かう今も、ミジオロウスキー自身がこの「楽しむ心」を誰よりも大切にしています。未来のメジャーリーガーたちに夢を届けた怪物ピッチャーは、これからも真っ直ぐに、野球を愛する少年の心のままマウンドに立ち続けます。
