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現役最強イリア・マリニン!偉大な羽生/ネイサンを超え挑むフィギュアの未来

スポーツ

こんにちは!

ちょっかんライフです。

今回も一人暮らしの直観レーダーにピピピッと引っかかったアレコレを取り上げてまいります。

引用元:isufigureskating ilia_quadg0d_malinin
Instagram

フィギュアスケート男子シングルにおいて、2023グランプリ(GP)ファイナル優勝、2024世界フィギュアスケート選手権でも表彰台のトップに立ったイリア・マリニン選手。

2022-23シーズンには、USインターナショナル・クラシック男子フリーで史上初クアドアクセル(4回転半ジャンプ)を成功させた現役NO.1スケーターです。

マリニン選手はこの偉業により、国際大会でクアドアクセルをクリーンに決めた選手としてギネス登録。

また、ISU(国際スケート連盟)は、フィギュアの年度表彰式「ISUスケーティング・アワード2023」で、ISU公認の大会で初めて4回転半に成功した選手として特別賞を授与。

翌年の同アワードでは、最終有力候補者の宇野昌磨選手、坂本花織選手を抑えて最優秀選手賞(Most Valuable Skater)を受賞。

後のインタビューでイリア・マリニン選手は、「北京冬季オリンピック2022で、羽生結弦選手がクアドアクセルの可能性を証明し限界の扉を開けたことにインスパイアされ、このジャンプに挑戦した」と語りました。

また、”完璧な演技”と評された大会でも、「ネイサン・チェン選手のプログラムからリストアップしたベストパフォーマンスをプログラムに採り入れるようにした」と、ここでも偉大な先人スケーターの名前を挙げ、演技構成に影響を受け研究を重ねたことを明かしています。

今回本記事では、そんなイリア・マリニン選手の氷上ストーリーにはじまり、期待される未来のフィギュアスケーター像まで、あらゆる角度から探っていきます。

どうぞ最後までお付き合いください。

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プロフィール

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生年月日: 2004年12月2日
出身地:アメリカ合衆国 バージニア州フェアファックス
身長: 174cm
趣味: スケートボード、ファッション、絵を描くこと、物語を書くこと、作曲
コーチ: タチアナ・マリニナ、ロマン・スコルニアコフ、ラファエル・アルティウニアン
振付師::シェイ=リーン・ボーン(カナダの女性元フィギュアスケート選手で、現在はフィギュアスケートコーチ、振付師として活動。過去、2014-2015年シーズンから8年間にわたり羽生結弦さんの振付を手掛けてきた)

「4回転の神」までの氷上ストーリー

アメリカ合衆国出身のイリア・マリニン選手ですが、コーチを務める両親はともにロシア生まれで、のちにウズベキスタン代表として活躍したフィギュアスケーター。

母親のタチアナ・マリニナさんは、20世紀最後の冬季オリンピック・長野五輪で8位入賞、1998-1999シーズンには、GPNHK杯、ISUグランプリファイナル、四大陸選手権でチャンピオンに。

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父親のロマン・スコルニアコフさんは1999年アジア大会2位、1998年の長野オリンピック出場後、拠点をアメリカに移し、2000年1月タチアナさんと結婚しました。

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2024年12月で20歳の誕生日を迎えたイリア・マリニン選手。

インスタ(Instagram)アカウントを、Quad God(クアド ゴッド)に掛けて『@ilia_quadg0d_malinin』とし、自らを「4回転の神」と名乗っています。

ということで、ここでは自身をGodと呼ぶに値する異次元レベルな空前の記録について振り返ります。

クアドアクセル
クアドアクセル4回転半ジャンプのこと
2回転=ダブル、3回転=トリプル、4回転=クアドルプル≒クアド もしくは クアッド、クワッド
4回転に半回転を加えた4回転半=クアドアクセル
アクセルは前向きに踏み切り後ろ向きで着氷する
1回転といっても他ジャンプより半回転余分に回る実質1.5回転の最高難度の技

2022年9月 USインターナショナルクラシック
17歳で史上初クアドアクセル成功 SP6位から逆転優勝
 
シニア転向から1年目のチャレンジャーシリーズ第2日。男子FS(フリースケーティング)でトップの185・44点をマーク。
合計257・28点でSP(ショートプログラム)6位からの大逆転V。
演技冒頭に超大技クアドアクセル世界初成功

2023年12月 グランプリ(GP)ファイナル
SPで史上初クアドアクセル成功&全6種類の4回転ジャンプ成功の初選手に

19歳で史上初SPショートプログラム)でクアドアクセル成功。
さらに、試合で全6種類の4回転ジャンプを成功させた初の選手となり、総合で世界歴代3位となる314.66点の高得点をマークし初優勝。

同大会では、当時世界トップを誇っていた宇野昌磨選手を技術点で圧倒。

フィギュアスケート界に激震が走りました。

2024年3月 世界選手権
SPでクアドアクセル回避 フリーで世界最高スコア 超ハイレベル構成で新王者へ

ショートプログラムでクアドアクセル回避し3位につける。
フリーで史上初3連続コンビネーションジャンプ含む5種類の4回転ジャンプ6本を全て成功。
2019年にネイサン・チェン選手が記録した世界歴代最高得点を上回る227.79点をたたき出す。
総合で世界歴代2位の333.76点をマークし初優勝。

未来への意気込みと戦略

引用元:isufigureskating
ISU Figure Skating Instagram

2024年7月、ISU(国際スケート連盟)はエレメンツ・リストに、5回転ジャンプのジャッジに関する新たな事項を追記。

その内容は「基礎点」の明示でした。

5回転
5回転=クインタプル≒クイント または クィント
5回転ジャンプはquintuple jumps(クインタプル ジャンプ)または 単にクイントともいう

これまでは、仮に大会等で5回転を成功させても点の付かないジャンプだったのが、2024-25シーズンからは正式に加点される規定要素となったのです。

クイント(5回転)ジャンプの基礎点は、公式に認められている全6種類のジャンプのうち、アクセルを除く5種類で14.00点と設定。

何やらこの決定は、ISUが選手たちの身体的負担を考慮してか、高難度ジャンプへの挑戦を推奨していない印象を抱かせるものですね。

全種類のジャンプすべて一律で難易度による差がつけられていない
クアドアクセル(4回転ジャンプ)の基礎点(12.5点)と比較しても大して点数が高くない

2024年10月、GPシリーズ開幕戦・スケートアメリカの男子SP(ショートプログラム)直後の会見で、イリア・マリニン選手に記者から「5回転ジャンプの成功の有無と試合プログラムに組み込む予定」について質問が飛びました。

このときのマリニン選手の答えは以下のとおり。

「その話題についてはまだ触れたくないのですが非常に良い手応えだ、とだけお伝えしておきます。来シーズンお見せできるのを、楽しみにしています」

2018平昌オリンピックのあと、ジャンプ力に秀でたネイサン・チェン選手の台頭に伴い、米スポーツメディアの中には「次世代スケーターたちは5回転を飛ぶようになるのか?」といった記事をリリース。

一時期、フィギュアスケートファンの間で論議を呼んだこともありました。

フィギュアスケートで5回転ジャンプが実現するか?物理学の予測(NBCニュース)

それから年月を経て、実際にクアドアクセルを成功させたのはイリア・マリニン選手ただひとり。

前述のように挑戦者もマリニン選手以外では今やプロスケーターに転向した羽生結弦さんくらいです。

はたして今後、世界大会などでイリア・マリニン選手のクイント(5回転)ジャンプを見る機会は訪れるのでしょうか。

引用元:isufigureskating
ISU Figure Skating Instagram

・・・と、ファンの視点に立つと見果てぬ5回転ジャンプへの夢は尽きませんが、じつはイリア・マリニン選手の強みは、たとえクアドアクセル封印したとしても競技に勝てるということ。

2023年9月のオータムクラシックでは、ショートでパーフェクトな滑りをみせ100.87点をマーク。

フリーはクアドアクセル回避したにもかかわらず4回転3本を決め、281.68点で優勝を果たしました。

そして同大会において何より観衆を熱狂させたのが、ショートとフリーそれぞれのプログラムに入れた驚きのムーブメント。

羽ばたくように大きく踏み切ったあと、横倒ししたまま身体をねじり、リフト技のように空中で1回転。

これまで誰も目にしたことのない技「ラズベリーツイスト」を披露したのです。

ロシア語で“マリニン”がラズベリーを意味することから名付けられたというオリジナルの新技でした。

続く同年10月、ISUグランプリ(GP)シリーズ第1戦となるスケートアメリカ。

クアドアクセル封印して臨んだ大会でもフィギュアスケートファンのハートを鷲掴みに!

トリプルアクセルから始まり、4本の4回転すべてをクリーンに着氷、最後のコンビネーションも決めると最後はラズベリーツイストでフィニッシュ。

引用元:usfigureskating
U.S. Figure Skating Instagram

フリー206.41点をたたき出し、歴代4位となるトータル310.47点で2位に31.38もの大差をつけ優勝。

他にはない衝撃的な技と演技で、300点超えスケーターとしての道を突き進む秘宝を手にした瞬間でした。

まとめ

歴代の偉大なフィギュアスケーターたちが現役を退くなかアメリカに誕生した、まさに夢のようなスケーター。

「すべての国で受け入れられ、フィギュアスケートの限界を押し上げていくゲームチェンジャーであり続けたい。大切なのはユニークで唯一の存在であるスケーターになること」

そのような未来の自分を思い描くイリア・マリニン選手。

偉大なる先人フィギュアスケーター
・羽生結弦 2012伝説の世界選手権フリーの演技 ブリティッシュ・ユーロ解説 日本語訳
・ネイサン・チェン 2022北京オリンピックで圧巻の滑り 大学復学を前にゴールドメダル

スペシャルスキルともいうべきラズベリーツイストを強みとして、アーティスティックに、そして創造性豊かに、「4回転の神」として美しい滑りを追求していくことでしょう。

彼が目指す唯一無二のスケーターへと成長を遂げる姿を、これからもワクワクと見届けていきたいものです。

最後までお読みくださり、ありがとうございました。

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