アカデミー賞ゴジラ-1.0アジア初視覚効果賞!監督の何がスゴイ?!

時の話題

こんにちは!

ちょっかんライフです。

今回も一人暮らしの直観レーダーにピピピッと引っかかったアレコレを取り上げてまいります。

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『ゴジラ-1.0』Instagramより

監督・脚本・VFXを担当した山崎貴氏らが率いる、映画『ゴジラ-1.0』が、2024年アカデミー賞で視覚効果賞を受賞しました。

並みいる傑作映画、『ザ・クリエイター 創造者』、『ミッション:インポッシブル デッド・レコニングPART ONE』などと共にノミネートされていた同作が、大逆転の快挙を成し遂げたのです。

今回はその感動と驚きの話題について取り上げてまいります。

視覚効果賞は、その年に公開された映画の中で、最も優れた視覚効果(VFX)を用いた作品に与えられる賞のこと。

過去には『タイタニック』、『スター・ウォーズ』、『アバター』などの、ハリウッドの映画史を代表する名作が受賞してきた栄えある賞です。

それが今回、アメリカ・ロサンゼルスのドルビー・シアターで開催された第96回アカデミー賞で、日本の映画『ゴジラ-1.0』が見事にアカデミー視覚効果賞をかっさらったわけです。

前評判では、視覚効果協会(VES)の組合員が選考する第22回VES賞でも、写実的長編映画視覚効果賞を含む5部門を制していた、ギャレス・エドワーズ監督の映画『ザ・クリエイター 創造者』が圧倒的優位と言われていました。

しかし、ふたを開けてみればそれを覆しての大逆転受賞!

これは日本映画””であるのみならず、アジア圏の映画で””となり、映画の歴史を変える快挙といえるもの。

山崎貴監督によるこの作品は、他の視覚効果賞ノミネート作品に比べるとかなり低予算で制作され、それでもなお、驚異的でインパクトのある破壊シーンを作り上げ、観客を魅了する作品となったのです。

本作は、推定予算1500万ドル(約21億6000万円)で、全世界で1億600万ドル以上(約157億円以上)の興行収入を記録。

山崎監督は先月、米Colliderのスティーブ・ワイントロープに、わずか8か月の間で(たったの)35人にて610ものVFXショットを本作で担当したと語りました(ン?ちょっと待て…)。

そのVFXショットの構成は、124分間の上映時間の2/3を占めるものとなっています(エ…)。

総勢35人のクリエイター集団、限られたスタッフ陣による制作、エフェクト担当わずか5名…って?!

2月にアメリカのルーカス・フィルムで上映会を行った際には、エンドロールの人数の少なさに拍手が起きたといいます(そりゃそうだ)。

最終的なデータ量は、本作に携わった映像制作会社「白組」で初めてペタ(1バイトの1000兆倍)と膨大な量に達したそうですが、こちらも少数精鋭でやり遂げたということでした(拍手!)。

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『ゴジラ-1.0』Instagramより

ーーアカデミー賞の授賞式で壇上に上がった山崎貴監督は英文でスピーチを読み上げます。

昨年亡くなった同作の阿部秀司プロデューサーに向けた感謝の意を示し、スピーチは締めくくられました。

ここで特筆すべきは、山崎貴監督が、前述の「白組」とともにVFXも手掛けており、監督が「視覚効果賞」を受賞したという事実。

第41回(1969年開催)、あの最も偉大で最も影響力のある映画作品の一つとして広く知られる『2001年 宇宙の旅』のスタンリー・キューブリック以来、なんと55年ぶり、史上2人目の受賞監督となったということです。

山崎貴氏は日本におけるCGを駆使した映像表現VFXの第一人者と称されるクリエイターでもあり、過去には伊丹十三監督の映画にデジタル合成スタッフとして参加されてもいました。

「白組」にはバイトから入って今に至るまで所属されており、そのときから一貫してずっとやりたかったのが、VFXだったのだそうです。

そして紆余曲折をたどりながらも、それまで本編監督と特技監督とに分業されていた映画の世界において、本編とVFXを両方とも撮るという独自のポジションを確立するに至ったのです。

監督デビューは2000年の『ジュブナイル』。

少年少女が活躍するSF映画で、VFXが駆使されたことで話題となり、本作は同年7月にイタリア・ジフォーニ映画祭子供映画部門で見事グランプリを受賞しています。

2005年には『ALWAYS 三丁目の夕日』シリーズで一連の昭和の街並みをVFXで表現し、世の人々のノスタルジーを大いにかき立てました。

そして2014年、シリーズ初の3DCGアニメとなる『STAND BY ME どらえもん』を監督して又また注目を集め、世間に新しい風を吹かせましたよね。

ーーで、満を持して「ゴジラ」生誕70周年を記念して作られた『ゴジラ-1.0

~戦後、無(ゼロ)となった日本へ追い打ちをかけるように現れたゴジラが
この国をマイナスに叩き落す。
史上最も絶望的な状況での襲来に、人々はどう立ち向かっていくのかを描いた物語~

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『ゴジラ-1.0』Instagramより

国内の興行収入は2024年3月3日時点で60.1億円を記録しており、アカデミー賞前の全米でもあっという間に大きな話題を集め、アメリカで封切られた日本の実写映画の歴代興収で1位に。

アニメ部門ではなく実写映画でこのような成果を生み出したことが本当に素晴らしいですね。

これは1989年の『子猫物語』の記録を34年ぶりに塗り替える偉業とも言え、その驚異的な興行成績はパンデミック以降、米国で最も興収を上げた外国映画であり、最も成功した国際映画ということになります。

実際、全米で去年11月下旬に公開されて間もないころの映画評「ロッテントマト・ドットコム」における、批評家からの採点が97点(満点:100点)

一般の観客採点にいたっては98点と、序盤戦の出足段階から異様なほどの高得点をはじき出したことが日本のニュースでも報じられました。

今回の『ゴジラ-1.0』は、2016年の『シン・ゴジラ』を凌ぐ出来栄えで、これまでのゴジラ映画(ハリウッド版GODZILLA含む)の最高傑作との声が、日本での評価ともピタリと重なるものだったのです。

新技術を効率的に駆使し、創意工夫と少数精鋭で、資本ではとても及ばぬハリウッド大作に立ち向かい、壮大なスケールの映画として誕生した『ゴジラ-1.0』。

この度のアカデミー賞・視覚効果賞受賞は、本当に画期的で素晴らしい快挙と言えるものでした。

最後までお読みくださり、ありがとうございました。

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