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MLBドジャースとエンゼルス球団GM(ゼネラルマネージャー)それぞれの経歴

MLB

こんにちは!

ちょっかんライフです。

今回も一人暮らしの直観レーダーにピピピッと引っかかったアレコレを取り上げてまいります。

メジャーリーグには、自身の配下にある球団組織に対して大きな決定権を持つゼネラルマネージャー(GM)という役職があります。

日本球界にも同様の肩書は存在しますが、その権限や役割はまったく異なる、大リーグならではのポジション。

さまざまな記者会見やメディアなどに登場し、画面を通じてその姿をよく目にしますが、いったい彼らはどのような道を歩み現在地へとたどり着いたのか…。

本記事では、MLB 30球団の中からドジャースエンゼルスにフォーカス! それぞれの球団でGMを務める二人の経歴について見ていきます。

どうぞ最後までお付き合いください。

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MLBにおけるゼネラルマネージャー

冒頭でも触れたように、ゼネラルマネージャー(GM)は重要会見の場などに率先して姿を現わす、言わば ”球団の顔” であり以下のような総合的な資質/能力が求められます。

  • 球団を主導するカリスマ性とリーダーシップ
  • 卓越したビジネス感覚
  • 経営的視点と実行力
  • トレード交渉、メディア対応など円滑で高いコミュニケーション力
  • 契約・更改における折衝、調整力といった合意形成能力
  • 選手の能力を見極める眼力
  • データ分析力、統計学的センス

またメジャーリーグではGMのキャリアを大きく2タイプで分類できるともいわれ、1つは元アイビーリーグ出やプレーヤーとしての経験を持つ現場出身者。もう一方がMBA(「経営学修士」を意味する学位)を取得し球界以外のビジネス分野でマーケターやPRなどの実務に携わってきた者。

ドジャースエンゼルスGMたちは、果たしてこのどちらかに当てはまるのか否か・・。

ロサンゼルス・ドジャースGM 経歴

ドジャースで、エグゼクティブバイスプレジデント(副社長執行役員)兼ゼネラルマネージャーを務めるブランドン・ゴームズ氏は、1984年7月15日生まれの40歳。

◆ 教育と学生時代

マサチューセッツ州出身のゴームズ氏は、州の野球協会やメディアが選ぶ最も優秀な選手を表彰するオールステート選抜に2度選出、2002年には同州ゲータレード高校年間MVPに選ばれたほか、母校B.M.C.ダーフィー高等学校の全国優等生協会メンバーでもありました。

にもかかわらず、高卒時ドラフト指名に掛からなかったゴームズ氏は、*ヒドゥン・アイビーに数えられるテュレーン大学(Tulane University)に進学。

金融学と法学という異なる分野を同時に主専攻として学び(ダブルメジャーdouble majored)、幅広い知識と未来のキャリアへの選択肢拡大を図ります。

*ヒドゥン・アイビー(Hidden Ivies):アイビー・リーグにグループ化されていないが高い教育レベルを誇る一流大学群

◆ 球界入りと現役時代

大学卒業後はロースクール進学に向けて出願準備を進めていましたが、2007年のドラフト全体537位でパドレスから指名を受け入団。

社会人としてのスタートはプロ野球選手で、身長180.3cmと小柄なリリーフ投手でした。

同球団傘下でプレーしたあとはレイズに移籍し、2011年にメジャーデビューを果たしますが、2015年オフにDFAとなるまでマイナーを行き来しながら5シーズンを送ります。

そして2016年にカブスとマイナー契約を結び傘下のチームでメジャー昇格を目指したものの、シーズン半ばにして自由契約となり、実質5年間の現役生活を終えることに。

Embed from Getty Images 2011年
レイズでの投手時代、26歳でメジャーデビュー後はマイナー降格と昇格を繰り返した。

◆ 現役引退後のキャリア

プロ野球選手のキャリアに終止符を打ったブランドン・ゴームズ氏は飽くなき好奇心を次の目標へと定め、新たな挑戦を始めます。

そして選手引退から半年も経たない同年11月、ドジャースの育成部門スタッフに迎え入れられた同氏はファームの投手コーディネーター・オブ・パフォーマンスとして手腕を発揮。

1年後の2017年には33歳の若さでマイナーリーグの育成ディレクターへと昇進。

さらにそれから2年を経た2019年、フロントオフィスにとって重要なポジションであるゼネラルマネージャー補佐へと一気に駆けのぼっていきます。

「私はメジャーリーグのチーム運営がどのように機能するのか常に興味を持っていました。“I was always interested in just the overall operations of how a Major League team works.” 」と当時、MLB公式のインタビューでゴームズ氏は語っています。

「ドラフトの仕組み、そこに含まれる内容、日々の動き、ロースター(選手の試合出場登録枠)構成などは、私が現役時代から興味を持っていたことでした。 “From how the Draft works, what goes into that, daily moves, constructing a roster, that was something that was of interest to me from my playing days.”」

Embed from Getty Images 2022年
ゼネラルマネージャーに就任して3ヶ月後。当時37歳。

◆ ゼネラルマネージャー就任

ドジャースに来て以来ずっと次期GMの最有力候補と目されていたブランドン・ゴームズ氏でしたが、ついに2022年1月中旬、現在のポストであるエグゼクティブバイスプレジデント兼ゼネラルマネージャーに37歳で就任。

ファームでの人材育成と球団フロント運営という実務だけでなく、現役時代にマイナーリーグとメジャーリーグを行き来した現場でのプレー経験そのものが現在のゴームズ氏にとっての大きな強みとなっているようです。

Embed from Getty Images 2023年
大谷翔平選手入団のプレスカンファレンスにて。

ロサンゼルス・エンゼルスGM 経歴

エンゼルスで、ゼネラルマネージャー(GM)を務めるペリー・ミナシアン氏は、1980年4月(日にちは非公開)生まれの45歳。

ミナシアン氏のGMへの道のりは、米球界におけるエグゼクティブのなかでも非常にレアなケース、他に類を見ないかたちで現職に就いた経歴の持ち主です。

◆ 若い頃から学校教育まで

テキサス州ダラスで生まれ育ったペリー・ミナシアン氏は、わずか8歳でレンジャーズの*バットボーイとして野球界に足を踏み入れました。

*バットボーイ(BBくん):試合中、選手のバット交換時に新しいバットを渡したりグラウンドに落ちた備品等を回収したりするスタッフ。ドジャースでは素手で打球をキャッチし大谷選手を守ったヘレラさんやエンゼルス時代のパルドくんなどが有名ですね。

球界にかかわる背景として父親がレンジャーズのクラブハウスアシスタントマネージャーとして働いていたことも影響したようです。

留学生を多く受け入れ多様性の高さで知られるテキサス大学アーリントン校(University of Texas at Arlington)に進んだあとも、子ども時代と同様に野球は続けてきたといいます。

◆ 野球界でのキャリア

そして1996年、当時16歳のミナシアン氏は学校教育を受ける傍ら、レンジャーズの*クラブハウス係としても働きはじめました。

*クラブハウス係:メジャー特有の職業で、シーズン中の選手たちが自宅よりも長い時間を過ごすクラブハウスを管理。汚れたユニフォームの洗濯、スパイクやグローブ磨き、用具の手入れなどあらゆる雑用・世話を一手に引き受ける。

さらに加えて、大学卒業後にはMLB機構が運営するスカウトを育成するための養成学校にも通い、バック・ショーウォルター監督(当時)の事務補佐やレンジャーズでスカウトとしての職務経験も積んでいきます。

2009年、ミナシアン氏はブルージェイズのスカウトとして採用され、数シーズンにわたりプロスカウティング・ディレクターを務めました。

2017年9月にはブレーブスのゼネラルマネージャー補佐に就任。その後、同球団運営担当副社長へと昇進すると3シーズンでナ・リーグ東地区で優勝を果たし、20年には同リーグ優勝決定シリーズに進出。

◆ ゼネラルマネージャー就任

こうして長い年月をかけ培った豊富な実績が買われ、2020年11月ついにミナシアン氏はロサンゼルス・エンゼルスのゼネラルマネージャーに任命され、4年契約を結びます。

Embed from Getty Images 2022年
GM就任から2年目、記者団に囲まれ取材を受ける。

就任まもない頃のエピソードとしては、当時ケガや不調により投手としてのキャリアが滞っていた二刀流・大谷選手についてミナシアン新GMは記者団を前に、打撃専念ではなくツーウェイプレーヤーを続けたいという同選手の意向を全面的に支持したことも。

「健康であれば、息を呑むほど素晴らしい選手だ。彼は試合の流れを変える存在でありプレーを見るのが待ちきれない。彼は並外れた才能の持ち主で、チームには彼が必要だ。“When he’s healthy, he’s a breathtaking player,” Minasian said. “He’s a game-changer. I can’t wait to watch him play. He’s insanely talented, and we need him.”」

Embed from Getty Images 2023年
大谷エンゼルス最終シーズン、ネビン監督(当時)とエドガー・マルティネス優秀指名打者賞を授与。

◆ GM契約延長へ

ペリー・ミナシアン氏が44歳となった2024年、エンゼルスはMLBには珍しい*アルメニア系の同GMが2年間の契約延長にサインし、26年シーズンまで球団運営の指揮を執ると発表。

*アルメニア:古代アルメニア王国から始まり、ソ連崩壊後に独立。ジョージア、アゼルバイジャン、イラン、トルコと隣接し、著名人にはフランスの大作家、アンリ・トロワイヤ、シャンソン歌手のシャルル・アズナブール、他アメリカでは歌手のシェール、セレブリティのキム・カーダシアンもアルメニア系。

Embed from Getty Images 2023年
米球界に最初に足を踏み入れた球団、レンジャースとの一戦を観戦。

2010年代はトラウトが圧倒的な強さを見せつけ、2020年代初頭には大谷がベーブ・ルース以来の偉業を成し遂げたにもかかわらず、エンゼルスが最後にプレーオフで勝利したのは2009年が最後。

GMの延長契約には、低迷し続けるチームが2004年から5度の地区優勝を手にしたかつての栄光を呼び覚ます復活への期待が込められています。

 以上、MLB各球団のゼネラルマネージャー(GM)から、ドジャースエンゼルスで当職を務める二人の経歴について紹介しました。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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